病気でも入れるがん保険なのに審査に通らなかった5つの理由

病気でも加入できるというがん保険であっても、審査の結果加入できないケースがあります。

告知した内容に問題があっても、どこが悪いのか一般人には分からないケースもあるようです。

がん保険の場合の加入における注意点を見てみましょう。

①健康診断や人間ドックで勧められた再検査や精密検査を受診していない

健康診断や人間ドックで要再検査や要精密検査と言われても放置していませんか?自分自身の健康管理の為に是非とも再検査や精密検査は受けましょう。

健康診断や人間ドックで指摘された再検査や精密検査は是非受診しましょう

健康診断や人間ドックで指摘された再検査や精密検査が未検査状態では健康状態が不明な為に、保険会社に病気を隠していると疑われても仕方ありません。

是非、再検査や精密検査を受けて心配な病状でないことを証明してからがん保険に加入を検討しましょう。

告知書でウソをついてもばれてしまいます。

告知書で再検査したとか精密検査したと言っても、それは健康保険組合や、人間ドックの施設に問い合わせればわかる事です。

問い合わせるまでもなく、再検査結果表などの提出が求められてスムーズに提出出来るかどうかで、すぐにわかります。

がん保険に入ってからその事実が判明すれば、告知義務違反でがん保険の保険金を受け取ることができません。

それまで支払った保険料も戻ってきません。虚偽の告知書で加入しても良い事はないので正直に申告しましょう。

②潰瘍性の病気に罹患している

潰瘍はがんへ進行する事があるので、潰瘍ができる病気になってしまうとがん保険への加入は難しくなります。

潰瘍性大腸炎やクローン病などに罹患している

潰瘍性大腸炎やクローン病など潰瘍ができる病気があります。特にこの2つは現代医療では完治はしないので、がん保険への加入は出来ないでしょう。

その他の潰瘍性の疾患 でも完治していないなら、がん保険への加入は難しくなります。

現在、潰瘍がある

胃潰瘍や十二指腸潰瘍など、一般的な潰瘍になっている場合も、がん保険に加入する事は難しいです。治療が完治してからがん保険へ加入する事を検討しましょう。

③慢性の疾患がある

慢性の病気がきっかけになってがん化したり、慢性の病気の陰にがんが隠れている場合があります。そのためがん保険では、一部の慢性疾患があると審査を通ることが難しくなります。

がん保険の審査を通りにくい慢性の疾患の例です

  • 慢性胃炎
  • 慢性すい炎
  • 慢性腎炎
  • 慢性腎不全
  • 糖尿病(インスリン治療中や合併症などがある場合など重篤な場合)
  • 白板病
  • 慢性閉そく性肺疾患
  • 肺気腫
  • じん肺 等

④肝炎ウィルスB型・肝炎ウィルスC型のキャリアである

肝炎ウィルスB型・肝炎ウィルスC型にかかったことがあると、肝臓がダメージを受けやすく、肝炎を経て肝硬変や肝がんにまで病気が進行してしまう事が多いので、今現在発症していなくても、これらウィルスのキャリアというだけで、がん保険の審査が通りにくくなります。

肝炎ウィルスB型について

感染源は血液や体液を介して感染します。母子感染とその他の感染があります。母親が肝がんだった場合、ウィルス性肝炎を疑って是非健康診断の検査項目に無ければ自分で検査をしてみることをお勧めします。

また、輸血は1972年以降、集団予防接種は1988年以降に感染予防対策が取られるようになりました。それ以前に輸血や集団予防接種を受けている方も出来れば肝炎ウィルスB型に感染していないか調べると良いでしょう。

血液を介した感染は不衛生なタトゥー(入れ墨)や不衛生なピアス処置など以外は少なくなりましたが、性的接触による感染が増加しています。

肝炎ウィルスC型について

肝炎ウィルスB型と同様に血液を介して感染します。特に1992年に輸血血液についてより高感度なC型肝炎ウィルス抗体検査が導入されたことにより、輸血による感染はほとんどなくなりました。

性的接触による感染はB型程強くないのですが、不衛生なタトゥーや、不衛生なピアス処置などは感染源になります。

⑤がんになったことがある

がんになったことがあるとがん保険への加入は基本的にできなくなります。しかしがんにかかったことのある方向けのがん保険への加入は可能性があります。

がんにかかったことがあるとがん保険加入は難しい

がんが治った目安として、治療後5年経過した時の検査で異常が無かった場合、一般的にがんが治ったとされます。

しかし、手術後10年経過して健康な状態であっても、がん保険に加入するのは難しくなります。

上皮内新生物(上皮内がん)に関しての対応は保険会社によって異なる

多くの保険会社のがん保険はがん及び上皮内新生物(上皮内がん)にかかったことがある人は同じ扱いになります。つまりどちらか一方でもかかったことがあるならば、健康な状態であってもがん保険に加入は難しくなります。

しかし、中には上皮内新生物(上皮内がん)の病歴は問わない保険会社もあります。上皮内新生物(上皮内がん)になった経験があるならば、告知書をよく見てがんのみの病歴を聞いている告知書の保険会社を選びましょう。

参考:上皮内新生物はがんではない?がん保険選びの注意点

がんになった事がある方向けのがん保険があります。

がんになったことがある方向けのがん保険があります。一般的ながん保険よりも保障の割に保険料は割高になります。

上皮内新生物にかかったことがあるならば、一般的ながん保険の中から上皮内新生物の病歴は問わないがん保険を探してみましょう。

まとめ

健康診断や人間ドックの結果は真摯に受け止め再検査や精密検査が必要ならば是非受診しましょう。がん保険の検討はその結果次第になります。

慢性疾患や、潰瘍性疾患にかかっていてもすべての疾患が審査でNGになる訳ではないので、正直に書きましょう。

肝炎ウィルスB型や肝炎ウィルスC型に感染しているとがんになる確率が高いのでがん保険の審査は通りにくくなります。感染の心当たりがある方は医療機関で検査を受けましょう。

がんになったことがあるとがん保険への加入は難しくなります。上皮内新生物(上皮内がん)の病歴がある場合は保険会社によって告知書が異なるので、よく比較検討しましょう。

持病があっても入れるがん保険4つの注意点

がん保険はがんのみに保険金支払い対象を絞った保険です。

すべての病気が、がん保険に加入制限がある訳ではありません。では、どんな条件の場合にがん保険への加入が難しくなるのでしょうか?

1.がんにかかったことがある

過去にがんにかかったことがあるだけで一般的にがん保険に加入するのは不可能になります。

がんの再発や転移のリスクがある他、がん自体が発生しやすい体質や生活習慣と判断されがちです。

がんや上皮内新生物にかかったことがある

上皮内がんの取り扱いは保険会社によって異なります。しかし一般的に、上皮内新生物(上皮内がん)やがんにかかったことがあるとがん保険に加入することは難しいです。

参考:上皮内新生物はがんではない?がん保険選びの注意点

また、高度異形成もがん同様に危険視されてがん保険に入ることが難しくなることが多いです。高度異形成とは、通常の細胞とは異なる性質に変異した細胞の塊が出来ている状態です。

がん化する可能性が高いと言われています。

がんにかかったことがある方はがんになった事のある方向けのがん保険

がんにかかったことがある方向けのがん保険があります。一般のがん保険よりは保障の割に保険料は割高になりますが、再発や転移が心配な方は検討してみてください。

2.こんな持病があると要注意!がん保険に加入が難しい病気

がんと関係が深いと言われる病気があると、治療中であっても、がん保険が加入に不利になります。大体3カ月以内に医療機関を受診している場合は以下の病気でないかチェックしましょう。

慢性肝炎や肝硬変、肝機能障害(投薬のみの治療も)

特にB型肝炎ウィルスやC型肝炎ウィルスによる肝機能障害や慢性肝炎は将来がん化しやすいとされています。そのためがん保険は加入が難しいです。

*国立研究開発法人国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ 

慢性胃炎や胃潰瘍なども胃がんリスクが高いと言えます

慢性胃炎や胃潰瘍があったり、胃壁がびらん状など荒れた状態になっていると診断された方はがん保険に加入が難しいです。

ピロリ菌自体は保険会社では危険視されていませんが、ピロリ菌がいる状態を放置すると胃炎や胃潰瘍の原因になるのでピロリ菌保菌者の方は早めに除菌しましょう。

ポリープや腫瘍などがある場合

ポリープや腫瘍などの他、これに類する病気を持っているとがん保険に加入は難しくなります。

ポリープや腫瘍に類する病気とはいわゆるコブ状のものやその組織の細胞とは違った性質の細胞の塊が皮膚や内臓、血管などの体の組織内に出来ている状態です。

コブが良性であれば問題ありませんが、更にそこから出血があったり、消化管が狭くなるほどの大きさになっている場合はがん保険に加入が難しくなります。

そうでない場合は、組織検査をしてそのコブが良性かどうか診断してもらいましょう。良性のコブならがん保険に加入できます。

呼吸器の病気がある場合

たばこを吸うかどうかは告知書に記載がある保険会社とそうでない保険会社があります。しかし以下のような呼吸器疾病を抱えているとがん保険に加入が難しくなります。

  • 慢性閉そく性肺疾患
  • 肺線維症
  • 間質性肺炎
  • じん肺
  • けい肺
  • 肺気腫 等

喫煙自体はがん保険に加入の妨げにはなりにくいです。

慢性閉そく性肺疾患は、従来は慢性気管支炎や肺気腫などと呼ばれて来た病気の総称です。

肺の中の気管支に炎症がおきて、咳やたんがでたり、気管支が細くなったり、肺の深部の肺胞が破壊されて肺気腫という状態になることもあります。

最大の原因は喫煙とされていて、喫煙者の15~20%が慢性閉そく肺疾患を発症します。罹患すると治療により治る病気ではないので要注意です。

*一般社団法人 日本呼吸器学会HP 慢性閉塞性肺疾患(COPD)より

その他の慢性疾患がある場合

過去5年間以内に初診から終診までの期間が7日間以上にわたる医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがある場合はどんな病気も告知する必要があります。

特に以下の疾病はがん保険に加入が難しくなる疾病の代表的なものです。

  • 慢性すい炎
  • 慢性腎炎
  • 慢性腎不全
  • 糖尿病(インスリン治療中や合併症がある場合などの重篤な場合)
  • 白板病
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 食道静脈瘤 等

3.具体的な病気の診断結果が無くても以下の症状があるとがん保険に加入は難しい

以下のような症状があると診断がついていなくてもがん保険に加入は難しくなります。

出血がある

病気で出血がある場合は要注意です。極端な例でいえば血尿や下血、吐血など内臓からの出血が自覚症状としてある場合や、女性の場合は不正出血がある場合も要注意です。

また、健康診断で便に潜血があると診断されたら、是非、精密検査として内視鏡検査等を受けておきましょう。

潜血があってもかならずしも病的な出血とは限りません。健康な腸であっても潜血が検出されてしまうことがあります。

貧血(鉄欠乏性貧血を除く)

貧血は、隠れた出血の可能性が否定できない症状の1つです。そのような病変がある状態でがん保険に加入するのはハードルが高いと言えます。

ただし、鉄欠乏性貧血のように、栄養状態が良くない為に貧血であると理由が分かっているのなら、がん保険に加入にあたって問題はありません。

黄疸

黄疸があって診察を受けている状態の場合、まだ診断結果が出ていなくても、がん保険に加入するのは難しいと言えます。

黄疸が出るのは肝臓や胆のうなどの臓器に問題がある可能性がとても高いためです。肥大したがんによって胆管が狭くなっていると黄疸が出やすくなります。

また、肝臓にダメージがあると黄疸がでますが、黄疸が出る程の肝炎がある場合、肝臓がんに進行する可能性が否定できません。黄疸の症状があるなら、診察結果を待たなくても、がん保険に加入は難しいと言えます。

4.健康診断や人間ドックで検査結果に異常が見つかった方

健康診断や人間ドックは多くの人が受けていると思いますが、その診断結果に従い、再検査や精密検査を受けていないと、がん保険に加入する事が難しくなります。

異常が見つかっても再検査や精密検査を受診しないと問題

再検査や精密検査などでがんに関連する異常が明らかになった場合 はがん保険に加入する事が難しくなります。

再検査や精密検査が必要と言われても、受診しないまま放置している方は、がん保険に加入するのは再検査や精密検査を受診して結果を受取ってから、検討しましょう。

まとめ

がん保険はがんに罹患歴があると加入できるがん保険は限られます。

がんに関連が疑われる持病だけでなく、がんが疑われる症状があるだけで、がん保険は加入できないので、症状の原因ががんと無関係かどうか診断がつくまではがん保険の検討は延期しましょう。

健康診断や人間ドックなどは毎年1回、受診して病気を早期発見しましょう。

また、その結果、再検査や精密検査が必要と診断されたら、速やかに受診して結果を明らかにしておきましょう。がん保険に加入できるかどうかの分かれ目になります。

がん保険は先進医療特約もつけるべき?かかる費用相場と必要性

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

多くのがん保険でのオプション保障である「先進医療」は、特約(オプション)保険料も月100円程です。

とりあえずつけておけばいい、と思ってしまいがちですが、正しく知って、先進医療特約もがん保険につけるべきか考えていきたいと思います。

先進医療とは?

先進医療とは、厚生労働省が認めた高度な医療技術のことを言います。保険診療の医療水準を超えた最新の医療技術であり、技術料については全額自己負担になります。

ただし、技術料以外の医療費(例:診察・検査・投薬・入院など)は保険診療でカバーされます。

先進医療は現在103種類

先進医療は常に見直しが行われており、一度認定されたものが取り消しとなることもあります。また、先進医療だったものが公的保険の適用になることもあります。

例えば、手術支援ロボットによるダ・ヴィンチ手術(肝臓がん・腎臓がん)は、先進医療から保険診療になりました。

参照:厚生労働省第1回先進医療技術審査部会資料1-3より

現在、先進医療は、2種類の分類「先進医療A」と「先進医療B」に分けられ、平成29年5月1日現在では合計103種類が承認されています。

先進医療はどこで受けられるの?

先進医療は、厚生労働省から医療技術と認定医療機関としての認定を受けた医療機関でのみ受けることができます。

先進医療は誰でも受けられるの?

先進医療は、一般的な保険診療を受けるなかで、患者が希望し、医師がその必要性と合理性を認めた場合に行われることになります。

参照:厚生労働省・中央社会保険医療協議会 総会(第344回)議事次第より

先進医療を受けた人数は、最新の公的データによると、1年間(平成27年7月〜平成28年6月)に811施設で24,785人になります。

先進医療の費用はどのくらいかかるの?

先進医療特約という保障があるので、高額な医療費がかかるというイメージがありますが、実際のところ、どうなのか見ていきましょう。

先進医療の費用は全額自己負担です

保険診療を受けた場合、通常私たちは医療費の3割負担の支払いをします。

先進医療を受けた場合は、「先進医療の技術料」が全額自己負担となり、その費用は、医療技術の種類や医療機関によって異なります。

なお、先進医療を受ける場合には、診察や検査・投薬・入院も必要になりますが、これらの費用は、通常の保険診療の扱いとなります。

主な先進医療技術と技術料

先進医療技術 技術料
(1件当たり平均額)
年間実施件数(件)
多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 ¥554,707 11,478
陽子線治療 ¥2,760,022 2,016
重粒子線治療 ¥3,093,057 1,787
高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術 ¥301,000 145
腹腔鏡下広汎子宮全摘術 ¥748,666 136
内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術 ¥266,643 106
内視鏡下手術用ロボットを用いた腹腔鏡下胃切除術 ¥1,058,83 172

(出典)中央社会保険医療協議会  「平成28年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」を元に筆者が作成

平成28年6月30日時点での先進医療の技術料と年間実施件数を調べてみました。赤字部分ががん治療で行われる先進医療になります。年間実施件数が多く技術料が10万円以上の先進医療をまとめると、

最も多く行われたのが白内障治療の「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」で、年間11,478件、費用は約55万円になります。

次に多いのが、がん治療の「陽子線治療」「重粒子線治療」と続き、合わせて年間約3,800件、費用は300万円前後になります。

先進医療で10万円以上かかる治療の多くががん治療であることがわかります。

実際に、重粒子線治療を受けたら、いくらかかるの?

重粒子線治療は、従来の放射線では効かない体の奥にあるがんの治療に適しています。

重粒子線治療の適応疾患と治療期間

参照:重粒子線治療ガイド

表は、重粒子線で先進医療を適用している疾患と治療期間の目安です。

治療期間中は、医師の判断によりますが、入院あるいは通院で治療を行います。

重粒子線治療施設は、国内5箇所

参照:重粒子線治療ガイド

現在、国内に5箇所の重粒子線治療施設があります。

通院治療が可能と言っても、遠方の場合、入院あるいは施設周辺の宿泊施設から通院する必要があります。

重粒子線治療(子宮がん)にかかる費用

例えば、群馬大学重粒子線医学センターで治療を受けた場合、重粒子線の照射回数に関わらず技術料は314万円となります。加えて、診察・検査・投薬・入院に伴う費用が保険診療でかかってきます。

子宮がんの場合、治療期間は目安として5週間になります。入院一日当りの平均費用は15,000〜20,000円と言われているので、5週間の入院だと、52.5万円〜70万円になります。

先進医療以外の保険診療の費用が高額になった場合に、高額療養費制度を利用して医療費の還付を受けることができます。

世帯主の収入により、自己負担限度額が決められていますが、年収600万程度の会社員の場合、月9万円程の自己負担になります。

がん保険の先進医療特約ではどこまでカバーできるの?

がん保険の先進医療特約では、がんの先進医療の技術料のみの保障がほとんどです。先進医療で一番多く行われている白内障治療はがん治療ではないので給付対象外です。

がん保険に先進医療特約は必要なの?

2016年のがん統計予測によると、がんの罹患数予測は約110万例となっており、陽子線治療・重粒子線治療の年間実施件数3,800件から見ると、がんに罹患してこれらの治療を受ける確率は非常に低いと言えるでしょう。

また、陽子線治療や重粒子線治療という高額ながん治療の先進医療が将来保険診療になる可能性もありますし、逆に、更に高額な先進医療が認定されるかもしれません。

いづれにせよ、自分ががんに罹患した時にどのような治療を受けるのかは現時点で予知することはできないと言えるでしょう。

先進医療特約は、月100円程度で数百万円の治療費をカバー

自分にとってベストな治療を選択する上で、治療費がネックとなって選択肢を狭めることはしたくないものです。

数百万円以上かかる治療費をカバーするのに月100円程度の保険料であれば尚更です。新たにがん保険を検討する場合は、先進医療特約は加入しておいた方がよいでしょう。

現在がん保険に加入している場合は、先進医療特約をつけるために見直すと全体の保険料も値上がりする可能性があるのでよく考えましょう。

まとめ

先進医療は、厚生労働省に認定された高度な医療技術であり、その技術料は全額自己負担です。現在行われている先進医療は、がんの治療対象のものが多く、また、高額になるのもがんの先進医療です。

がん保険の加入を検討している人は、先進医療を受ける可能性は低いとしても先進医療特約をつけておいた方が安心です。

また、現在がん保険に加入中の場合は、先進医療特約をつけるために保険の見直しをするメリットがあるのか、よく検討しましょう。

がんの通院治療にかかる費用ってどれぐらい?通院保障の必要性

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

医療技術の進歩により、がん治療は入院から通院へと変化しつつあります。今回は通院治療の内容と費用、がん保険の通院保障について考えていきたいと思います。

がんの治療は通院治療が主流になってきています

現在、がんの3大治療と言われているのが、「手術(外科治療)」「薬物療法(抗がん剤治療)」「放射線治療」です。

このうち、主に入院して行われるのが手術ですが、内視鏡手術など一部の手術に関しては、入院しないで済むものも増えています。

薬物療法(抗がん剤治療)と放射線治療については、以前は入院で行われることが多かったのですが、現在では通院で行われることが多くなってきています。

副作用対策など医療の進歩により入院治療が必要でなくなってきたこと、などが理由として挙げられます。

がん(悪性新生物)の受療率(人口10万人対)の年次推移

  入院 外来(通院)
2002年 109 94
2005年 113 110
2008年 111 123
2011年 107 130
2014年 102 135

参照:厚生労働省「平成28年我が国の保険動向」を元に筆者が作成

統計データからも、がん治療が2008年以降、入院から通院に変化しているのが分かります。

通院治療では、どんな治療をするの?

がんの種類や進行度にもよりますが、手術を受けた場合、術後の再発予防として通院で治療を継続します。

また、手術が困難な場合や手術の必要がない場合にも通院で治療を受けることになります。

通院で行う治療には主に以下が挙げられます。

  • 放射線療法
  • 抗がん剤治療
  • ホルモン療法

通院期間はどのくらい?

がんの種類や病期によるので一概には言えないのですが、がんが寛解した(症状が落ち着いて安定した状態になる)と言われるまでには5~10年かかります。

それまでに継続した治療を受けるわけですが、人によって受ける治療は様々です。

例えば、手術後の放射線治療に関しても20日間続けて受ける場合もありますし、皮膚が弱い人は線量を抑えて日数を増やすこともあれば、逆に日数を短縮して線量を増やす場合もあります。

抗がん剤治療についても、点滴もあれば経口もあり。頻度も週単位から月単位まで、と正にオーダーメイド治療の時代です。

それでも一般的な目安として、術後3~6ヶ月程度の通院治療と休養を経て、経過観察5~10年で寛解となります。経過観察期間では通院し検査をして様子を見守ります。

通院治療にかかる費用は?

通院にかかる費用は、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 病院までの交通費
  • 定期検査代(血液・エコー・画像など)
  • 治療費

その中から、治療費について具体的に見ていきましょう。

乳がんの治療費

治療内容 治療費(3割負担前)
抗がん剤治療 14~257万円
放射線治療 27~32万円
ホルモン療法 10~20万円

胃がんの治療費

治療内容 治療費(3割負担前)
抗がん剤治療 2.6~85万円

大腸がんの治療費

治療内容 治療費(3割負担前)
抗がん剤治療 5.6~135万円
放射線治療 51万円

子宮頚がんの治療費

治療内容 治療費(3割負担前)
抗がん剤治療 9~20万円
放射線治療 93万円

肺がんの治療費

治療内容 治療費(3割負担前)
抗がん剤治療 7.4~282万円
放射線治療 37~142万円

参照:がん治療費.com(抗がん剤の治療費)を元に計算

これらは、がん治療1年目にかかった治療費になります。グラフから読み取れるように、がんの種類によって非常に金額の幅があります。また、病期によっても大きな差があります。

例えば、抗がん剤治療は、点滴・注射や経口を毎日、毎週1-2回、毎月1-2回など、さまざまな頻度で行い、投与と休薬を繰り返します。

期間は最低3ヶ月から長くなると3年ほどかかる場合もありますが、定期検査の数値によって治療内容は変更されていきます。治療費は数万円から200万円代に至ります。

ホルモン療法は、治療期間が長く2年から5年にかけて、注射(4週に1回)や経口投与を受けます。年間20万円で5年続けると合計で100万円になります。

放射線治療については、1回の治療は20-30分程度ですが、連続して4−7週間の通院で20-35回程度の照射を行います。治療費は27万円から142万円になり、ほぼ1年目の治療のみとなっています。

なお、治療に伴う副作用、例えば脱毛やリンパ浮腫など直接の通院治療ではありませんが予定外に費用が発生する事もあります。

通院保障の必要性はあるの?

がん治療では、手術をした場合でも手術は入口であり、その後の通院治療期間が長くなる場合もあることが分かりました。

では、ズバリ、がん保険で通院保障は必要あるのでしょうか?

通院保障では、日額×通院日数が給付されます。

がん保険での通院保障の内容と給付条件

  通院保障の内容
A社
  • 入院を伴わない通院は対象外
  • 退院の翌日から180日以内、45日までの給付
  • 治療措置を伴わない通院は対象外
B社
  • 入院を伴わない通院は対象外
  • 退院の翌日から365日以内、120日までの給付
  • 治療を目的とした通院のみ
C社
  • 入院の有無を問わず
  • 入院を伴う通院は、退院の翌日から365日以内、60日までの給付
  • 入院を伴わない通院は、約款所定の手術、放射線・温熱・抗がん剤の治療など。経口投与の抗がん剤・ホルモン療法は対象外、支払い日数限度なし
D社
  • 入院の有無を問わず
  • 初めてがんと診断確定された日から5年間、支払い日数限度なし
  • 一般的な手術・放射線・抗がん剤や医師の治療を伴うホルモン療法・免疫療法・緩和療法を対象
E社
  • 入院の有無を問わず
  • 診断確定された日から1年ごとに、支払い日数60日までの給付
  • 治療措置を伴わない通院は対象外

各社のがん保険を見ると、給付条件に入院の有無があったり、退院後の日数や治療法に制限があったり、通院しても給付対象外になる可能性もあります。保障を付けていても給付金を受け取れない、のでは本末転倒です。

がん治療の多様化に通院保障の内容が追いついていない側面が見えてきます。

通院保障でカバーしたいリスクは?

そもそも通院保障で、何のリスクをカバーしたいのか?放射線・抗がん剤・ホルモン剤治療をカバーする保障があれば代用できるのか、よく検討しましょう。

また、高額療養費制度や傷病手当金制度など公的な社会保障で、通院治療に伴う負担を軽くすることが可能な場合もあるので、これらの制度についてもよく目を通しておきましょう。

その際、自営業など国民健康保険に加入している人は傷病手当金制度がないので、休業時の収入リスクをカバーする保障として所得保障保険の検討も必要かもしれません。

特に30代から50代の女性はホルモン剤治療の給付対象か確認を!

乳がんに罹患するリスクが高くなる30代から50代の女性です。

高齢での初産や早い初経年齢、遅い閉経年齢などは乳がんの発症を増加させるリスク要因とされています。

また、出産経験のない女性は出産経験のある女性よりも、授乳経験のない女性は授乳経験のある女性よりも、乳がん発症リスクが高いことがわかっています。

ホルモン療法は治療期間が長くなる可能性が高いのでカバーしておきたい保障です。

通院保障以外に、通院治療をカバーする以下のような保障もあります。

  • 放射線治療給付金
  • 抗がん剤・ホルモン剤治療給付金
  • がん治療給付金

ご自身に必要な保障を検討しましょう。

まとめ

以上より、がん保険に加入する際、安易に通院保障を付けることはおすすめしません。通院保障を検討したい場合は、必ず以下の給付条件をみましょう。

  • 入院条件
  • 給付日数および期間の条件
  • 治療条件

自分に必要な保障が給付対象となっているか確認しましょう。

現在、がん保険に加入中で通院保障が付いている場合にも、給付条件を再度確認しておくとよいでしょう。

女性FPおすすめの女性がん保険の選び方

女性と男性では、かかるがんの特徴が異なります。女性ならではのがん治療に対応した女性向けのがん保険も販売されています。

しかし、本当に女性向けを謳ったがん保険かどうか疑問がありませんか?どんながん保険が女性向きか見ていきましょう。

女性と男性ではがんにかかる年齢が異なってきます

引用:国立が研究センター がん対策情報センター年齢階級別罹患率

女性と男性では生涯のうちがんになりやすいのは男性の方です。しかし、年齢別でみると女性の方が若い時期にがんになりやすい事がわかります。

若い女性は女性特有のがんになりやすい

引用:国立がん研究センター がん対策情報センター 乳房・子宮・子宮頸がん年齢階級別罹患率

20代から40代までは女性の方ががんになりやすいことが分かります。特に20代から40代までの若い世代がかかりやすいがんの多くは女性特有のがんが多いのも特徴です。

上皮内がんとは、組織や皮膚などのごく薄い表面内にがんが出来ている状態です。上皮内がんのまま病巣が広がることもありますが、一般的にはがんのごく初期と言えます。

検査技術の向上によって、上皮内がんのうちに発見されることが多くなっています。当然、もっと進行したがんよりも治療が簡易なことが多く、治療日数や費用が少なく済むことが一般的です。

40歳以降の女性は加齢と共に消化器のがんが多くなる

引用:国立がん研究センター がん情報サービス 最新がん統計 どの部位のがん罹患が多いか~年齢による変化

女性は40歳まで乳がんが全体のがんの約半数を占めますが、50歳を過ぎると徐々に胃がんや結腸がん直腸がんなどの消化器系のがんが増えてきます。

逆に女性特有の子宮がんや乳がんが全体のがんに占める割合は少なくなっていきます。

女性ががんになって困ること

このように女性ががんにかかる確率は若い頃は男性よりも高いです。がんにかかりやすい時期は多くの女性が仕事や子育てで忙しい時期に重なります。このことが家計に負担になる要因となります。

主婦ががんにかかると生活費がアップしがち

核家族の多い現代では、主婦ががんにかかると、たとえ子どもが乳幼児でなく、ある程度成長した段階でも、家事の担い手が不在になり困る事は多いです。

そのため家事の外注化によって生活コストが上昇してしまいがちです。

日ごろ家庭で洗ってしまうようなセーターなども手洗いできずにクリーニングに出したり、食事をコンビニのお弁当やスーパーの惣菜で間に合わせてしまうのです。その結果、生活コストが大きくなります。

子供が小さければ、保育園の利用やベビーシッターの利用も考慮が必要です。

ご主人が時間外労働や休日出勤を控えて、妻の看護にあたる場合はその分収入減となるリスクもあります。自営業なら場合によっては休業しなければならないかもしれません。

主婦を看護できる人がいない場合はヘルパーを頼むなど、治療費や生活費以外の費用が必要になります。

女性のためのがん保険の選び方のポイント

女性向きのがん保険と銘打っているがん保険が存在しますが、それに限らずもっと多くの商品の中からがん保険を選定することが重要です。

女性向きのがん保険は女性特有のがんに手厚い保障内容になっていることがあります。

しかし、一見女性特有のがんに手厚い保障に見えても、あまり利用価値がないがん保険もあります。女性ががんになった時に頼りに出来る保障が揃っていることが大事です。

健康祝金などの貯蓄性は不要です

貯蓄性のあるがん保険は掛け捨てではない分、お得なようでいてその分保険料が割増しになっています。健康祝金の額と割高な保険料を比べるとあまり有利な運用でないことが普通です。

がん保険は掛け捨てで良いと割り切って、保障内容を重点的にチェックします。

ホルモン剤治療の保障が付いているがん保険を選ぶ

比較的若い時期の女性のがんの多くが女性特有疾患の乳房や子宮などだったことを思い出してください。これらのがんの治療にはホルモン剤治療が行われることが多いです。

がんを増殖させないために女性ホルモンなどを抑制するようなホルモン治療が行われます。

がん保険で抗がん剤治療保障がつけられても、ホルモン剤治療は対象外のケースがあります。是非、ホルモン剤治療に対する保障もあるがん保険を選びましょう。

抗がん剤治療保障もついているがん保険を選ぶ

乳がんの多くが浸潤性のがんと呼ばれる種類のがんです。他の部位にとても転移しやすいため、ある意味、全身性のがんと言えます。

引用:京都大学医学部附属病院乳腺外科HP 患者さんへ 乳がんと診断された方 非浸潤がん・浸潤がん

浸潤がんの場合、上図のようにリンパ管や血管を通じて遠く離れた部位にも転移する可能性があります。そのため、がんを予防するために抗がん剤治療を行います。

よって、抗がん剤治療に対する保障があるがん保険が良いです。

通院給付金が手厚いがん保険を選ぶ

現在の多くのがん治療は手術した後も、転移や再発防止のために通院しながらがん治療を受けることがとても多くなっています。

通院治療していても、抗がん剤やホルモン剤の投与によって、体調が万全とは言えない患者も多くいます。

家事負担を減らすために、惣菜購入やクリーニング店の利用費用も気にならないように、通院時にも手厚い保障がおりるものが良いです。

がん診断一時金が複数回受け取れるがん保険を選ぶ

最近の病院は入院時に保証金などのまとまったお金を支払う必要があることが多いです。

また、がんと診断された場合、お仕事をされている方は治療期間の収入の補てんとなるお金があると治療に専念できます。がん診断一時金が無制限でなくても、複数回数分保障されていると再発の多い浸潤性の乳がんなどになっても、安心感があります。

しかし多くのがん保険でがん診断一時金の給付条件に「入院」が条件になっています。通院だけの治療も多いのが現状なので、診断だけでまとまったお金がおりる保険は大事です。

まとめ

女性は男性よりも、働き盛りや子育て盛りにがんにかかる確率が高いのが特徴です。

そのため、生活を守るために女性が担っていた家事を外注(クリーニング店の利用や外食の利用など)する費用もがん保険で賄えるように、通院治療給付金が充実しているがん保険や、がんと診断された時にお金が貰えるがん診断一時金などが充実しているがん保険が安心です。

また、近年の治療の傾向を考えると、抗がん剤治療やホルモン剤治療に対する保障が充実していることも大切です。

上皮内新生物はがんではない?がん保険選びの注意点

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

がん保険のパンフレットを見ると必ず出てくる「上皮内新生物」や「悪性新生物」という用語、きちんと理解していますか?

今回は、がん保険を選ぶ上で、判断のポイントとなる上皮内新生物について詳しく見ていきましょう。

がん保険での“がん”は2種類あります

まず押さえておきたいのが、すべての保険会社が、がん保険で“がん”と認めているのが『悪性新生物』です。

『上皮内新生物』は、極めて初期のがんなのですが、保険会社によってはがん保険の保障対象外になる場合があります。ここが、がん保険を選ぶときに、最初につまづくところです。

では、詳しく、『上皮内新生物』と『悪性新生物』を図で解説します。

『上皮内新生物』は、上皮内がん・上皮内腫瘍とも呼ばれ、腫瘍細胞が上皮内(大腸の場合は粘膜層内)に留まっている状態のものを言います。基底膜まで達していないので切除すれば、転移もなく治ります。

『悪性新生物』は、腫瘍細胞が基底膜を破壊・浸潤※(しんじゅん)して血液やリンパ液にのって転移の可能性があるものを言います。

※浸潤:がん細胞が、発生した場所で増え続けていくとともに、周りの器官に直接広がっていくこと

上皮内新生物の治療費はいくらかかるのでしょうか?

では、次に上皮内新生物の治療ケースと治療費を見ていきましょう。

がん種別上皮内新生物の治療費

がんの種類 治療費
肺がん 1,200,000~1,900,000円
胃がん 700,000~900,000円
大腸がん 540,000円
乳がん 790,000~1,260,000円
子宮頸がん 443,000円

参照元:一般社団法人日本癌治療学会 学術集会抄録アーカイブサイト「がん治療初期の医療費の集計及び疾病と患者特性に基づく医療費推計の試み」・がん治療費.com

上のグラフは、がんの種類別の上皮内新生物の治療費の目安になります。治療方法によってかかる費用に幅がありますが、グラフの金額は3割負担前の治療費です。

0期、すなわち初期のがんである上皮内新生物は、転移のリスクがほぼないので、手術後の継続した放射線治療や抗がん剤治療などはかからない場合がほとんどです。

ただし、例外もあり、上皮内新生物であっても、非浸潤性乳がんの場合は、治療法によっては乳房全切除となる場合もあります。その際には、乳房再建術など保険適用外の費用がかかることもあるので、注意が必要です。

上皮内新生物の保障は保険会社によってさまざまです

がん保険での“がん”は2種類ある、とお話しましたが、『上皮内新生物』だけがクローズアップされる理由は、保険会社によって“上皮内新生物への保障の違い”があるからです。

悪性新生物と同じように保障される保険もあれば、悪性新生物と比べて一部保障の減額、保障対象外とされるなど、各社それぞれの保障内容となっています。

これでは、どのがん保険を選んだ方がいいのか、よくわからない、ということになってしまいますね。

上皮内新生物の保障は必ず必要なのでしょうか?

上皮内新生物と診断されるがんは、どのくらいあるのでしょうか?

実際に上皮内新生物と診断される症例数はどの位あるのでしょうか?

がんと診断された場合には、がんの進行度を客観的に表す<病期・ステージ>を告知されます。

「がんはステージIです」という進行度を耳にしたことがあるかと思います。

ステージには、0期→I期→Ⅱ期→Ⅲ期→Ⅳ期という段階があり、数字が大きくなるに従いがんの進行が進んでいる、ことを表しています。

上皮内新生物は0期の初期がんに分類されます。

上の図は、0期・上皮内新生物の段階で発見されたがんの種類別のデータです。

最も多いがんから順にあげると、子宮頸がん63.7%、子宮がん43.8%、膀胱がん41.1%となり、これらは上皮内新生物として発見・診断される確率になります。

では、これらのがんは、一般的には、がんの中ではどのくらいの罹患率(かかりやすい確率)があるのでしょうか?

部位別がんの罹患率

上のグラフは、がんの部位別の罹患率になります。1年間に人口10万人(全年齢)当たり、どのくらいの人数ががんと診断されるかというデータになります。

子宮頸がんは人口10万人当たり16.7人、膀胱がんは人口10万人当たり32.7人となっています。

グラフから見えてくるのが、男女の性別に関わりなくかかるがんは男性の方が女性より高い罹患率ですが、上皮内新生物の段階で発見されるがんには女性特有のがん(乳がん・子宮がん・子宮頸がん)が上位に見られます。上位7種類のがんの中でも女性特有のがんが半数に迫る勢いです。

女性の方が男性と比べ、上皮内新生物と診断されるケースがやや多いことが見えてきます。

また、部位別がんに罹患しやすい年齢もあることを考慮しましょう。

具体的には、子宮頸がんは35-49歳の女性、乳がんは40歳以上の女性、膀胱がんは60歳以上の男性の罹患率が高くなっています。

がん保険選びの注意点

すでにがん保険に加入している場合は、上皮内新生物についての保障内容を確認しましょう。

最近のがん保険は、上皮内新生物を区別することなく保障している傾向にありますが、10年程前のがん保険では対象外になっているものも多く見られます。医療は年々進歩しているので、がん保険の見直しをする必要があるかもしれません。

また、がんの種類や年齢によって、自分が上皮内新生物に罹患するリスクが高いのか、という視点から上皮内新生物の保障をどうするか?医療保険で保障できるか?検討しても良いでしょう。

まとめ

上皮内新生物とがん保険の選び方についてまとめました。

  • 上皮内新生物は、がんです。ただし極めて初期のがんであることから、がん(悪性新生物)とは扱いが異なります。がん保険によっては、上皮内新生物への保障の違いがあるので注意が必要です。
  • 転移の心配がほぼないので、治療が長引く可能性も小さいです。保障をどうしたいかは人それぞれの価値観や状況により検討が必要です。
  • がん保険に既に加入している場合は、上皮内新生物の保障を確認しましょう。見直しを検討したほうがいい場合もあります。
  • 上皮内新生物と診断されるがんは、子宮頸がん、子宮がん、膀胱がんが多いです。

上皮内新生物の保障を気にしてがん保険に加入したほうがいいのは

  • 子宮頸がんの罹患率が高い35−49歳・女性
  • 乳がん罹患率が高くなる40歳以上の女性

膀胱がんの罹患率が高いのは、60歳以降の男性ですが、60歳から新たにがん保険に入るのであれば、既に加入している医療保険で十分か検討しましょう。

がん保険と医療保険は両方に加入する必要性はある?不要?

医療保険に加入していれば、がん保険には加入しなくても高額療養費制度で費用面はカバーできるでしょうか?

がんの治療は目まぐるしく進歩していて保険制度が追い付いていないのが現状です。

医療保険で医療費をカバーしきれるかどうかが、がん保険も両方必要かどうかの判断の分かれ目になります。

医療保険の保障内容とは?

面白いことにほとんどの医療保険の単位は入院日額が基準になります。例えば手術給付金なども入院日額の何倍という表現で規定されています。そのため、古い医療保険の中には通院給付金が付いていないケースが圧倒的に多いです。

通院給付金がついていても入院給付金が日額5000円なら通院給付金は日額3000円と入院給付金よりも通院給付金の方が少額なことが多いです。

現代の医療とは?

現在の医療体制はなるべく早期に退院して、入院日数を減らす方向で医療改革が進められています。

医療が進歩しているので、昔なら大手術の後長期の療養が必要だった病気も簡単な手術と短期間の入院で治ることが多くなりました。

その例の1つに初期の胃がんが挙げられます。内視鏡手術で開腹せずに手術するので体への負担が少ないため、回復も早いからです。

現代のがん治療の実際のところ

がんの治療は「手術(外科治療)」「薬物療法(抗がん剤治療)」「放射線治療」の3つが、がんの3大治療と言われています。

各治療を単独で行うこともありますが、複数の治療方法を組み合せて効果的な治療につなげることを試みることが多いです。

特に薬物療法や放射線治療は他の治療と組み合わせることが多いだけでなく、体への負担もかなり配慮できるようになり手術第一主義だった一昔前と違って、普通に生活しながら通院して治療することも容体によっては可能になってきています。

多くのがん患者の方が自宅で生活して、通院しながらの治療を行っています。

日本人の死因のトップが「がん」

日本人の死因の3割を占め、死因トップが「がん」です。

 

引用元:公益財団法人 日本対がん協会 「がんの動向

一生でがんになるのは2人に1人

生涯でがんになる確率は、男性が63%、女性が47%と2人に1人は生涯に1度はがんになる一般的な病気ともいえます。

引用元:国立がん研究センター がん情報サービス 統計 最新がん統計のページ

がんになるリスクが高いので、医療保険でカバーしきれない高額な自由診療や先進治療などがんの治療費のためにがん保険で備えておくことは決して無駄とは言えません。

がんになった時にがん保険に入っているために「経済的な心配はしなくて良い」という安心感を持って治療に専念できることは治療の上で大変重要なポイントです。

がんと高額療養費制度

がんの治療は保険診療では間に合わないことが近年多々あります。

特に有名なものは先進医療と呼ばれる重粒子線治療など1回に300万円ほどかかる治療法が効果的な場合もあります。仮に将来、保険診療になって3割負担になっても1回90万円です。

その他、抗がん剤や抗がん剤の副作用を抑える治療薬も高価で保険診療の範囲であっても、月額にして何十万円という支払になることがあります。

保険診療であれば高額療養費制度を使って、月額の負担額の上限がある程度の範囲に収まるようになっています。

 

引用元:厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ

月額何十万も薬代だけでかかるのに比べれば安いと思われるかもしれませんが、これが当初2ヶ月は支払わなければならない上限金額です。

がんの治療が長期化した際の高額療養費制度

高額療養費制度の上限額は、3カ月目からは下表のように下がります。

 

引用元:厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ

がんの治療は手術して病巣を切除して終りという簡単に済むケースもありますが、中には、転移の可能性がある場合や、転移しやすいがんのために転移防止のために抗がん剤治療を続けるケースも多いです。

生活の質を考えると入院生活よりは良いかもしれませんが、再発・転移防止のために1年、2年と抗がん剤を飲み続けるのは家計に負担になるのは否めません。

実際の医療費負担よりも安いとはいえ月額4万4000円や9万3000円の支出が固定費で出費されるのは家計には負担です。

がんの治療が長期化する場合多くが通院治療になります。通院保障のある医療保険やがん保険で通院保障を確保しておくのが安心です。

がん保険の中でも注目したい診断一時金と通院保障

私ががん保険をお勧めするのは診断一時金がおりる制度ががん患者にとっては利用しやすいからです。

がんそのものは手術で無事に摘出して完治したとしても、その代償として、人工肛門になったり、除去した乳房再建のためにお金を使える点は、医療保険ではカバーしきれないジャンルの支出にも使用可能というメリットがあります。

再発や転移のことを考えると尚更、がん保険の必要性は考えたいところです。がん保険にもよりますが、がんと診断されたときの診断一時金が何度も請求できるがん保険もあります。

診断一時金を何度も請求できると言っても、その間隔には一定の制限があるのが一般的です。

診断一時金が無かったり、一度しか下りないがん保険もありますが、そういう中途半端な保障のがん保険なら加入しない方が良いです。加えて、長い通院治療のために備えて、通院保障も手厚いものが良いでしょう。

まとめ

診断一時金が無制限で保障されているがん保険はそれなりに保険料が高いです。

割高になる保険料を負担しても保障の確保が必要なのは、祖父母や両親や兄弟にがんの多いがん家系の方です。

個別のがんの部位によっては家族歴よりも生活習慣などの方が因果関係が深いがんもありますが、がん患者の多い家系があるのは事実です。

がんになるリスクが高いがん家系の方は診断一時金が無制限の保障のがん保険と医療保険の両方に加入が必要です。

逆にそうでない方には、がん保険に加入しても役に立つ可能性が少ないので、がん保険は不要です。

がん保険に加入しない分の保険料を払ったつもりで通院保障も手厚い医療保険に加入することで、他の疾病にも応用が効きます。

FPが教えるがん保険と医療保険と生命保険の違い

知っているようで知らないのが保険。たくさんの種類があって何にどれだけ入っていれば安心なのかわからない、そう感じている方も多いでしょう。

でも、基本をしっかり知っていれば大丈夫。ここでは、生命保険・医療保険・がん保険について学んでいきましょう。

「生命保険」って何?

生命保険を大きく分類すると

生命保険は、大きく分けると死亡保険(=万が一、死亡したとき、高度障害状態になったときに保険金を受け取れる)・生死混合保険(=期間中に万が一、死亡したとき、高度障害状態になったときに死亡保険金を、満期時に生存していた場合には満期保険金を受け取れる)の2つに分類されますが、多くは生命保険=死亡保険といった解釈がされています。

「死亡のリスク」を保障するのが死亡保険で、代表的なものが「終身保険」と「定期保険」です。

終身保険の「終身」とは一生涯という意味で、加入すると一生涯の保障を得ることができます。30歳で終身保険に加入した人が50歳で亡くなっても、80歳で亡くなっても保険金を受け取ることができるのです。

また、解約すれば戻ってくるお金があるのも特徴です(加入して間もない時期の解約は、返戻金がゼロだったり払った保険料を下回る場合があります)。

一方、定期保険は10年とか20年といった「ある一定の期間を保障する」保険で、その期間内に亡くなった場合にだけ保険金が受け取れます。60歳までの定期保険に加入していた人が61歳で亡くなっても保険金は受け取れません。

銀行の「定期預金」と混同している方が多いのですが、満期にお金が戻ることはありません。いわゆる「掛け捨て」タイプの保険です。

その分、同じ保障を得るために必要な保険料は終身保険に比べて大幅に安くなるため、大きな保障を安く確保することができます。この2つを組み合わせたのが「定期付終身保険」です。

子供が小さい、貯蓄もない!死亡保障が一番必要な人の加入の仕方とは

「終身保険」で一生涯、例えば3000万円の死亡保障を確保しようとすると、保険料はとんでもないほど高くなり、一般のご家庭にとっては現実的ではありません。下の図をご覧ください。

※「定期」は保険期間中の保障額は変わらず、「収入保障」は徐々に減っていく

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ある程度の保障を「終身保険」で確保した上で、大きな保障が必要な時期だけ「定期保険」で保障を上積みするのです。

上積み部分を「特約」といい、この「特約」が保険をわかりにくくしているようですが、ファッション雑誌(主契約)についている付録のバッグ(特約)と考えればいいと思います。

付録ですから、それだけ買うことはできません。契約時にどんな特約をつけるか選択できるのですが、種類も多く難解なため、ご自分で選択して加入された方は少ないかもしれません。

多くは病気やけがによる入院に備えるための医療特約が付加されていますが、「定期」ですので一定期間の保障に限定されます。

満期後に更新をすることができますが、更新時の年齢で保険料が再計算されますので、加入時よりも高くなります。

ただし、子供の成長に伴い必要保障額は減少していきます。そこで最近では加入時から保険金額が減少していく「収入保障保険」(保険料は保険期間中は同額。定期保険より安くなります)が主流になっています。

医療保障は「特約」で大丈夫?

従来の医療保障は「特約」という形で生命保険の付録のようなものでしたが、「付録だけ欲しい」とのニーズから生まれたのが「医療保険」です。

「医療保険」は「インフルエンザをこじらせて肺炎になった」とか「階段から転落して骨折した」など日常の病気やけがで入院・手術などをした場合に保険金を受け取ることができます。下の図をご覧ください。

公益財団法人 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(平成28年度)より作成)

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調査によると、およそ9割の人が自分自身が病気やけがをすることに不安を感じています。では、どれだけの人が公的医療保険以外の準備をしているのでしょうか?

生命保険文化センターの調査では、72.9%の人が「生命保険の医療特約」や「医療保険」で準備していると答えています(その他、「預貯金」「損害保険」といった回答もあり)。かなりの人が「医療保険」などで病気やけがに備えていることがわかります。

この「医療保険」にも、一定期間だけを保障する定期(更新)型、一生涯を保障する終身型があり、「成人病」「がん」「女性疾病」などの特約を付加することによって、必要な部分を手厚くすることができます。

がん・心疾患・脳疾患の「三大疾病」により所定の状態になった場合に一時金のおりるもの、保険期間中、健康で過ごした人にはボーナスがでるものなど、付加価値もさまざまです。

少子高齢化と平均寿命の伸びから、健康保険制度の見直しも引き続き行われるでしょう。老後の医療費の心配から、保険料が安い若いうちから終身型の医療保険に入る方も増えているようです。さて、あなたはどんな医療保険を選びますか?

がん保険、入った方がいいの?

「がん」も病気の一つですから、「医療保険」からも保険金は下りるのですが、治療費が高額といったイメージのある「がん」の保障に特化した保険が「がん保険」です。

日本人の死因の第一位が「がん」であることは、ご存知のとおりです。その「がん」も医療技術の向上から、必ずしも治らない病気ではなくなってきています。

ただし、一度「がん」になってしまうと治療のために入院や長期の通院治療が余儀なくされ、治療法や薬に健康保険がきかないものもあることから、経済的に大きな負担になるのは事実です。

先進医療である陽子線治療や重粒子線治療などを受けると入院日数は10日程度でも平均300万円程度の費用がかかります。

がんにかかったときの治療費の自己負担額を平均すると、部位にも寄りますが30~50万円が多いようです。

「がん」への備えとして、医療保険で手厚く準備するのもひとつの手ですが、「医療保険」に「がん特約」を付加する、「がん」にかかるリスクが高いと思う方は医療保険とは別に「がん保険」で備えるなどの方法もあります。

この「がん保険」、保障の対象をがんに限定することにより、医療保険よりも割安な保険料でがんに対して手厚い保障があるのが特徴です。

では、「がん保険」「がん特約」への加入率はどのくらいなのでしょうか?

がん保険・がん特約への加入率

  全生保(共済・生協等含む) 民間保険会社
全体 37.8% 34.1%
男性 38.7% 35.0%
女性 37.1% 33.5%

公益財団法人 生命保険文化センター「生活保障に関する調査」(平成28年度)より作成)

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4割近くの人が「がん保険」「がん特約」に加入し、この数字は年々増加しています。

「がん保険」にも医療保険同様、更新(定期)型、終身型があり、がんと診断されたときにおりる診断給付金や、通院・在宅療養時に給付金の支払われるものなど、プランによって保険料は異なります。

診断給付金は1回きりか無制限に支払われるか、すべてのがん(上皮内がんを含む)が保障の対象になるのか、通院・在宅療養の保障はあるのかどうかチェックしたうえで、保障と保険料とのバランスを考慮してください。

FPが30代の人におすすめするがん保険の選び方

テレビで芸能人ががんにかかったと、報道されているのを頻繁にみかけるようになり、自分は大丈夫かなと心配になることはないでしょうか?

いざという時の備えとして、医療保険やがん保険に加入していても、将来かかる可能性のある病気の内容を理解している方は多くないかと思います。

30代は仕事が忙しかったり、お付き合いが多かったり、小さなお子さんがいたり、体調不良を訴えることもないなど様々な理由がありますが、30代でかかりやすいがんや将来かかる可能性のあるがんなど、知っておくことで万が一の時に備えることができます。

それでは、備えの一つであるがん保険をどう選べばいいのか、まず30代でかかりやすいがんをみていきましょう。

30代がかかりやすいがんとは

自分事あるいは家族や知人が30代の若さでがんにかかることは、なかなかイメージしずらいかと思います。下の図をご覧ください。

出典:公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計’16」より(P36 15(2) の図、地域がん登録推計値における40歳未満のがん患者数の部位内訳(2008-2012年合計))

まず、男性の25歳から39歳のがんの部位の内訳ですが、最も高い部位が大腸、次いで胃、悪性リンパ腫と続いています。大腸がんは、飲酒や肥満、動物性脂肪や蛋白質の過剰摂取などの生活習慣や食生活の影響や遺伝的な要因も含まれているようです。

次に、女性の25歳から39歳のがんの部位の内訳として、乳房が全体の3割を占め、続いて子宮頚部、甲状腺の順番となっており、女性特有の部位ががんにかかりやすいことが分かります。

その他、女性特有の病気として子宮筋腫、子宮内膜症など、35歳以上は高齢出産となり、帝王切開など妊娠・出産に伴うリスクも考えられます。

また、今後、年を重ね40代、50代‥‥となった場合、男性では、40代から肺のがんが増加し、大腸、胃に関しても、30代に引き続き罹患数が伸びているといわれています。

女性は、30代後半から乳房のがんが急激に増え、40代には1回目のピーク、60代に2回目のピークを迎えるようです。

将来かかりやすいがんを予測できるということは、20代・30代では予防ができるとも言い換えることができると思います。次に、どのような予防が考えられるか考えてみましょう。

生活習慣を振り返って、がん予防を

がんの原因の多くは、たばこや飲酒、食事などの日常の生活習慣に関係するものだといわれています。

国においても、「がん対策推進基本計画」という2007年6月に策定された計画の中でたばこ対策が、がん予防のための重要な施策とされています。

国立がん研究センターから下表の予防法が提唱されています。

特に、30代はこれからの人生が長いため、まず「予防」は大切なことです。

日本人のためのがん予防法

種類 予防法
喫煙 たばこは吸わない。他人のたばこの煙を避ける
飲酒 飲むなら、節度のある飲酒をする
食事 食事はバランスよくとる
・塩蔵食品、食品の摂取は最小限にする
・野菜や果物不足にならない
・飲食物を熱い状態でとらない
身体活動 日常生活を活動的に
体形 適正な範囲に
感染 肝炎ウイルス感染検査と適切な措置を
機会があれば、ピロリ菌検査を

出典:国立がん研究センター がん情報サービス 日本人のためのがん予防法 —現状において日本人に推奨できる科学的根拠に基づいたがん予防法—を基に作成             

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30代で備えるがん保険

ファイナンシャルプランナーの相談業務の際にがんを克服された方から、早めにがん保険に入っておけば良かったという声を聞くことがあります。

30代の多くの方が、子育て中、また、住宅ローンを背負っていることから、急な入院や手術にかかる費用を、貯蓄だけで対応するのが厳しい可能性があります。

そのため、がんと診断されたら100万円ほど受け取れる「診断給付金」の保障があるとよいでしょう。

厚生労働省のデータによると、男性が30代からかかりやすい大腸がんや胃がんの入院期間が治療内容にもよりますが約2週間。昨今、平均入院日数が短縮し、通院で治療を受ける傾向が高いです。

そして、退院後に放射線治療や化学療法をすることを想定すると、「放射線治療給付金」や「化学療法給付金」の保障があると安心ですが、「診断給付金」はどんな治療でも使用できるので、がんと診断されたら、いくらもらえるのかをシンプルに確認して加入しましょう。

女性は、30代後半から乳がんが急激に増え始めることから、女性向けがん保険の加入も選択肢の一つになります。

入院給付金の上乗せや、子宮全摘術を受けた際に受け取れる給付金などの保障が含まれるものがあります。

また、先進医療(厚生労働大臣が定めた先進性の高い医療技術)特約は検討しましょう。放射線治療の一つである陽子線治療は200~300万円もの高額な治療費を自己負担することがあります。

保険とはそもそも支払いが困難なものにかけるものですから、高額な出費になりがちな先進医療特約は忘れずにつけておきましょう。

30代でがん保険に加入するメリット

30代でがん保険に加入するメリットとしては、やはり保険料の安さにあります。

大手保険会社で男性の30歳、40歳、50歳で月々の支払い保険料を比較してみました。

加入年齢別の支払い保険料比較表

年齢 終身払いタイプ 60歳払済タイプ
30歳 ¥1,899 ¥2,878
40歳 ¥2,459 ¥4,523
50歳 ¥3,534 ¥9,994

大手保険会社のがん保険シミュレーションを基に作成(主契約月額給付10万円の場合)

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条件として、診断給付金、通院給付金、三大治療、先進医療をつけた場合です。

支払方法は月々の保険料負担を抑え、保険料の払込期間が一生涯続く方法の「終身払いタイプ」、退職後、老後は保険料の負担を心配したくない方向けの60歳ですべての保険料を払い終える方法の「60歳払済タイプ」でシミュレーションしてみました。

50歳の終身払いタイプの保険料は、30歳の約1.9倍となっており、60歳払済タイプだとなんと約3.5倍の保険料となっています。年齢が若い30代の時に加入すると、毎月の保険料を抑えることができるということがわかります。

すでに医療保険に加入している場合は?

すでに医療保険に加入している方は、がん特約を加えることでがんにかかった場合の通院給付金や先進医療に備えることができます。

また、女性においては、30代後半から急増する乳がんにかかる可能性が高いことから、女性特有の病気やがんに特化した医療保険に加入するのも一つの方法です。

先進医療の技術料の保障や入院給付金の上乗せ、中には乳房再建術の保障も含まれるものなどもあるので、保障内容を確認するといいと思います。

まとめ

現在の年齢だけでなく、将来かかる可能性のあるがんは何かを知り、その備えとしてのがん保険を考えること。

同時に予防として、日頃の生活習慣の見直し、健康を保つためにこれから何ができるのかを考え、行動することが大切なことと思います。

将来のライフプランの設計に関係することなので、早い時期から意識するといいでしょう。

がん保険は入院よりも通院?治療法の変化と保障の選び方

高齢化社会に突入している現代、がんは身近な病気の一つ。日頃の生活習慣に気をつけると同時に、いざという時に慌てないように備えておく必要があります。

備えとしてのがん保険、保障の選び方も、時代とともに少しずつ変化していますので、現状としてどんながんにかかりやすいのか、治療法に変化があるのかなどをみてみましょう。

一体どんながんにかかりやすいの?

まずは、実際はどんながんにかかりやすいのか、下記の部位別がん罹患数を見てみましょう。

部位別がん罹患数

出典:公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計’16」より(6の図、男女部位別がん罹患数(2011年)

罹患数とは、がんと診断された数ですが、男性が女性の約1.4 倍の数となっています。

部位別でみると、男性は胃が最も多く占め、次に前立腺、肺、大腸(結腸・直腸)の順番になっています。

女性は乳房が最も多く、大腸、胃、肺、子宮の順番となっており、女性特有の部位ががんにかかりやすい傾向にあることが分かります。

では、気になる入院や通院はどうなっているのでしょうか?

がんになった場合、入院期間と通院期間はどのくらい?

まず、がんにかかった場合の平均入院日数はどのくらいなのか、がんと生活習慣病の平均入院日数のグラフをご覧ください。

出典:厚生労働省「患者調査の概況」傷病分類別にみた年齢階級別退院患者の平均在院日数(平成26年9月)を基に作成

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男性の罹患数が多い胃がんで19.3日、女性が最もかかりやすい乳がんは12.5日と他の生活習慣病と比べても、短い入院日数となっています。思ったよりも短いように感じませんか?

もちろん部位、がんの進行程度や治療法などによって入院日数は変わってきますが、がんについては10日から20日程の入院で済むケースが多いようです。

がんの治療法として、手術、抗がん剤治療、放射線治療が三大治療といわれています。

手術はがんの病巣を切除する方法、抗がん剤治療は抗がん剤を投与することによって、がん細胞を死滅させたり、増殖を抑えたりする方法、そして放射線治療は、がんの病巣部に放射線を照射してがん細胞を死滅させる方法です。

これまでは手術が治療のメインとなっていましたが、近年では医療の進歩により抗がん剤治療、放射線治療を組み合わせ、退院後に通院で治療を続ける方法など選択肢の幅が広がりました。

また、通院のみで治療を受けることができるがんもあります。

下記のがんの受療率をまとめた表をご覧ください。

がんの受療率(人口10万対)入院・通院の割合

疾病名 入院 通院
胃がん 15 7 20 10
結腸及び直腸のがん 17 13 26 19
肝及び肝内胆管のがん 7 4 6 3
気管,気管支及び肺のがん 20 9 16 9
乳がん 0 8 0 37

厚生労働省「患者調査の概況」傷病分類別にみた受療率(平成26年10月)を基に作成

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胃がん、結腸及び直腸のがんは通院の方が多くなっています。特に乳がんの通院受療率の高さが目立ちます。

乳がんは近年、乳房温存手術が多くなってきており、手術後に細胞レベルで乳房内に残っている可能性のある乳がん細胞を消失する目的で放射線治療を行うことが一般的になっているようです。

そのため、入院は短くても、その後通院が続くことはありえます。

先進医療とは?

また、放射線治療などの中には、先進医療に含まれるものもあります。

先進医療とは、一言でいうと「厚生労働大臣が定めた先進性の高い医療技術」のことです。治療以外にも検査や診断などの際にも使われる技術も含まれます。

がんの治療時にも先進医療が多く取り入れられています。通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料など)の費用は、一般の保険診療と同様に扱われますが、その技術料は全額自己負担です。

また、先進医療は特定された医療機関で実施されることになっており、かかる費用は医療の種類や病院によって異なります。

では、一体どのくらいの費用がかかるのでしょうか?

下記の先進医療の例をみてみましょう。

先進医療の例

先進医療の技術名 平均費用 年間実施件数 平均入院期間
陽子線治療 約276万円 2,016件 8.8日
重粒子線治療 約309万円 1,787件 9.8日
樹状細胞及び脳腫抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法 約129万円 65件 0.1日
腹腔鏡下広汎子宮全摘術 約75万円 136件 13.3日
内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術 約27万円 106件 6.5日

中央社会保険医療協議会  平成28年度実績報告(平成27年7月1日~平成28年6月30日)を基に作成

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たとえば、重粒子治療。がん病巣のある深さにおいて高い放射線量を集中することで、正常組織に対するダメージを少なくできる治療法ですが、約309万円と高額な費用になっています。

これでは、身体の負担が少なく、通院で治療できたとしても、先進医療は選択できない方がいてもおかしくありません。

そんな状況を避けるためにも、必要な時に治療方法を選択できる備えは必要といえるでしょう。

ズバリ、がん保険の保障の選び方

がん保険加入の目的は、治療のための多額の費用がかかっても、治療に専念し、家族が安心して生活できることといえるでしょう。

従来人気の保険では、がんと診断された時にもらえる一時金である「診断給付金」、がんで入院した時の1日あたりにもらえる「入院給付金」、がんで手術した時にもらえる「手術給付金」が基本的な保障内容でした。

しかし、医療の進歩による治療法の変化、それに伴い通院で治療できる選択肢が増えたこと、そして先進医療の今後の広がりなどを踏まえ、下記4つの保障がポイントと思います。

1.診断給付金

がんと診断された時にもらえるものです。支払回数が1回のみ、あるいは複数回の商品もあるので、確認が必要です。

2.三大治療(手術・抗がん剤治療・放射線治療)給付金

三大治療をしたときにもらえるものです。これは、1回につきいくら出るのか、回数制限はあるのか、そして抗がん剤の中には、対象外となる医薬品もあるので、事前に確認をしておきましょう。

3.通院給付金

がんの治療を目的として通院する時にもらえるものです。通院給付金をつけることで、交通費がかかったり、治療を受けたい医療施設が住まいの地域になく遠方へ足を運ばないといけないなど、予想以上に費用がかかる場合も家計を圧迫せず、安心して治療に臨めると思います。

4.がん先進医療特約

がんの先進医療にかかる技術料と同額などもらえるものです。1年に何回もらえるのか、通算いくらかなど確認が必要です。

時代の変化とともに保険商品も変化します。また医療も進歩していきますので、ご自身の加入している保険を見直す場合や新たに加入する場合は、現状から保障内容を考えることが大切です。