終身型がん保険とは?メリット・デメリット

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

日本人の男女の約2人に1人ががんに罹る時代です。がんに罹る人は増えているものの、死亡率は下がっています。

理由は検診による早期発見や医療技術の進歩等、もはやがんは死の病ではなくなりつつあります。

だからこそ、がんへの備えは大切です。今回は、終身型がん保険について、メリット・デメリットをみていきたいと思います。

がんの罹患数

国立がん研究センター・がん情報サービスのがん罹患数予測によれば、2016年のがん罹患数予測は約101万200例(男性57万6千100例、女性43万4千100例)になります。

この数は、2015年のがん統計予測(98万2千100例)と比較すると、男女計で約2万8千例増加と年々増加傾向にあることが分かります。

がん保険には定期型と終身型の2種類がある

がん保険の種類は大きく分けると2種類あります。保障が一生涯続く「終身型」と5年や10年など一定期間を保障する「定期型」です。

終身型のメリット

終身型のメリットには以下が挙げられます。

  • 一生涯の保障が続く(解約しない限り)
  • 加入した時の保険料が一生涯変わらない
  • 早めに加入するほど、安い保険料で加入できる
  • 加入後がんになったとしても一生涯の保障が確保できる

何と言っても、一生涯の保障が続く安心感は大きいものです。多くの人が終身型を選択するのも納得できます。

終身型のデメリット

終身型のデメリットには以下が挙げられます。

  • 定期型と比べ、加入当初の保険料が高い
  • 寿命は不確定なので、払込方法によってはトータルの支払保険料が高くなる

保険料の払込期間については、終身払いと有期払いがあります。有期払いには、10年や15年、または55歳や60歳などで払済み、などがん保険によって色々な払込方法があるので、わかりくいことや迷う人もいるのではないでしょうか?

保険料の払込方法

先ほどお話したように、払込方法は主に2つに分けられ、「終身払い」と「有期払い」になります。

選択によっては、トータルの払込保険料に数万円から数十万円の差が出ることもあります。

どちらがお得なのか?は寿命に関係するので判断するのは難しいですが、まずは知ってから選択することが大切です。

終身払い

一生涯保険料を払い続ける必要があるので、加入時にトータルの払込保険料を確定することはできませんが、30代など若いうちに加入すれば保険料も安いのでそれほど負担ではないかもしれません。

終身払いへの加入は、定期型の保険料と逆転する40代半ばまでを目安に、検討することをオススメします。

保険料払込免除特約

がん保険によりますが、保険料払込免除特約を付加(基本保障でカバーされる商品もあります)することで、がんと診断確定された場合、以後の保険料の払込が免除となります。

加入して早いうちに万一がんに罹った時には心強い特約になりますので、特約保険料が負担でなければ付加しておくことで一生涯続く保険料払込への不安が軽くなることもあり得ます。

有期払い

老後、収入が少なくなった時に保険料の払込を続けるのを避けたい方には、有期払いという10年や15年、あるいは55歳や60歳で保険料を払済みにする方法があります。

終身払いより保険料は高くなり、万一短命の場合は結局トータルの払込保険料は多くなる可能性もあるのですが、とにかく老後の生活の固定費を軽くしたい、と考える方には安心できる払込方法です。

寿命リスクを今から考えたとしても答えが出るものではありません。自分が今払える保険料や将来のライフプランから、払込方法を決めても良いのではないでしょうか?

また、将来、医療の進歩に伴い、加入しているがん保険の保障内容が古くなり、新しいがん保険に加入し直したい、という可能性もあるので、終身型に加入したら完了、ではなく契約保険会社からの最新の情報もチェックしておきましょう。

男女別・年齢別で考えるとどうなのか?

国立がん研究センター・がん情報サービスのグラフデータを元に筆者シミュレーション

女性と男性を比べると、女性は50代半ばまでは男性よりがんに罹患する確率が高く、その後の罹患率は同じペースで高くなっていきます。

一方男性は、40代までは罹患率が低くその後は罹患率がやや急に高くなるのが分かります。

一度がんに罹ると以後がん保険への加入は難しくなることから、女性は30代、男性は40代のうちに終身型への加入を一度は検討してみましょう。

とりあえず定期型という選択もありますが、万一を考えてシンプルな保障と保険料の終身型への加入も検討したいところです。

特に、一家の大黒柱で家計の収入を支えている人は、早いうちから終身型の加入を検討しましょう。

一家の大黒柱ががんに罹患した場合、治療費はもちろんのこと働きながらの治療継続による収入減少というリスクも考えられますので、家計のリスクをカバーする上でも安心です。

補足として、積立型のがん保険について

終身型のがん保険は主に保険料掛け捨て型ですが、積立型もあります。

積立型は貯蓄性があるので、解約した時に解約返戻金があり、保険料についても一生涯変わりません。

ただし、保険料は掛け捨て型に比べて高く、貯蓄性をがん保険に求める必要を筆者自身感じていないことから積極的に検討をオススメするかは微妙なところです。

まとめ

がん保険の終身型のメリットは、なんといっても一生涯の保障と変わらない保険料です。

払込方法によっては、寿命リスクによるトータルの払込保険料が高くなることも考えられます。しかし、寿命リスクをどんなに想定しても答えが出るものではありません。

一生涯、保険料を払い続けるか?それとも、早めに払込を終えたいか?など将来のライフプランやがん治療に対する考え方などから選択することが大切です。

終身型の加入をオススメするのは、30代の女性、40代の男性、また特に考えていただきたいのが、男女問わず一家の収入を支える大黒柱の方です。

がんに罹ることによる治療費の負担と収入減のリスクをカバーするためにも終身型への加入を早いうちから検討してみましょう。

最後に、終身型に加入したから一生涯安心ではなく、将来、がん治療の変化に伴いがん保険も新しい保障内容の商品が出てくる可能性があります。

いざという時に使える保険ではなかった、ということがないように定期的に保障内容を確認しておきましょう。

定期型がん保険とは?メリット・デメリット

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

ひと昔前まではがんは不治の病と恐れられてきましたが、がんによる死亡は1990年代半ばをピークに減少、がんの生存率は1985年以降上昇傾向にあります(国立がん研究センター・がん情報サービス、がん統計年次推移より)。

がん検診の普及による早期発見もあり、がんに罹患する人の数は増えているものの、医療技術の進歩等により、がん=死ではなくなりつつあります。

日本人の約2人に1人ががんに罹る時代において、今回は定期型がん保険について、メリット・デメリットをみていきたいと思います。

最新のがん罹患数は?

引用: 国立がん研究センター・がん情報サービスのがん罹患数予測の最新データで2016年のがん罹患数予測が算出されています。

あくまでも予測となりますが、2016年は約101万200例(男性57万6千100例、女性43万4千100例)、前年度2015年の罹患数予測98万2千100例(引用:2015年のがん統計予測)を約2万8千例上回り、罹患数は増加傾向であることが分かります。

がん保険は大きく分けると2種類

がん保険は、「終身型」と「定期型」の主に2種類に分けることができます。

「終身型」は、一生涯の保障と加入時の年齢から生涯変わらない保険料が特徴です。

「定期型」は5年・10年・15年など一定期間を保障、更新ができて保険料は更新時に上がっていきます。

では、定期型のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

メリット

  • 終身型に比べて一定の時期までは割安な保険料である
  • 更新があるので保障内容を定期的に見直しやすい
  • ライフステージに合わせて一時的に保障を付けることができる
  • 定期型であるものの、多くの場合は自動更新できる

特筆すべきメリットとしてお伝えしたいのは、終身型と同保障であっても、30代など若い年齢で加入する場合の保険料が割安なことです。

また、多くの場合、商品によりますが90歳など一定の年齢までは自動更新できます。

総務省の最新の統計データによると平均寿命は、男性が約81歳・女性が約87歳であることを考えると90歳まで更新できるので一定の安心感はあるのではないでしょうか?

デメリット

  • 加入後がんに掛った場合、更新はできるが、他の保険への見直しが難しい可能性がある
  • 保険会社の定める年齢までしか更新できない
  • 更新可能な年齢であっても保険料が高くなり、更新を諦めることになる可能性がある

更新型の場合、加入時と同保障で更新していくと年齢が上がるにつれて保険料が上がり、50代になると一気に保険料が上がります。

また、加入後がんに罹っても更新はできますが、最新の治療に即した新しいがん保険への見直しや更新時に保障を厚くすることは難しくなります。ただし、更新時に同内容であれば保障の継続はできます。

保障を厚くしたい場合には、一定の期間を置いて再発・転移など新たにがんと診断されていない、などの条件をクリアすれば緩和型医療保険にがん特約を付けて加入できる可能性はあります。

また、非常に加入条件が厳しいものの新たにがん保険に加入できる可能性もゼロではないので、選択肢は残されています。

定期型には「定額保障」と「実額補償」がある

がん保険には定額保障のものが多く、一般的にがん保険と聞くと、診断給付金や入院給付金・通院給付金、手術給付金などあらかじめ決まった額(=定額)が支払われるイメージがあることかと思います。

また、商品の数は少ないものの実額補償といわれるものもあります。

実額補償については、余り聞いたことがないかもしれませんが、入院・通院・手術など決まった額ではなくて実際にかかった費用が支払われます。

各商品によって違いはありますが、例えば、以下のような費用の補償があります。

  • 差額ベッド代(限度額あり)
  • 先進医療費用
  • 薬事法承認後、医療機関等で保険診療に用いられる医療用医薬品として告示前の医薬品の使用に要する費用
  • 親族による付添費用
  • ホームヘルパー雇入費用や保育所預入費用
  • 食事療養費
  • 入退院・転院時の交通費
  • 公的医療保険制度を利用して入院した場合に自己負担した治療費。

(AIU保険スーパー上乗せ健保ガン保険、保険金・給付金の概要より)

30代など若い年齢での加入であれば、保険料も低く抑えられているので定額保障だけではなく実額補償を検討してみるのも一考です。

定期型について、男女別や年齢別で考えてみると

国立がん研究センター・がん情報サービスのグラフデータを元に筆者シミュレーション

男女別・年齢別のがん罹患率のデータから、定期型の検討にメリットがある人たちを考えてみました。

女性は、男性と比べてがんに罹患する確率が50代半ばまでは高く、その後はほぼ同ペースで上昇していきます。

男性は、40代まではがんに罹る確率が低いのですが、50代を境に罹患率のカーブが急上昇していきます。

以上から、筆者は、がん保険の加入を迷っている、医療保険は加入しているのでがん保険は特に検討していない、という人についても、がんに罹りやすい年齢の時だけ加入する選択肢を考えていただきたいと思います。

具体的には、女性の30代・40代、男性については保険料が安い40代に加入して保険料と罹患率が上がる50代に備えることを検討していただきたいと考えます。

特に、自分の収入が家計の柱である人には、一定期間だけ、例えばお子さまの教育費や住宅ローンの負担が大きい期間など、ライフプランに合わせて検討されることをオススメします。

なぜかというと、がんに罹るということは、治療費だけでなく、長引く治療継続による収入減少もありえるのです。

筆者は、がんに罹った場合の保障は必要であると考えます。とりあえず定期型に加入してみて、必要性を感じれば、終身型と保険料が逆転するまでに終身型に加入する方法もあります。

まとめ

がん保険の定期型のメリットは、なんといっても、30代・40代半ばまでは低く抑えられている保険料にあります。

がん保険が必要かどうか迷っている場合、まずは定期型に加入して様子をみるのも一考です。特に女性は30代・40代でがんに罹る確率が男性よりも高いので、早めに検討しましょう。

また、自分の収入が家計の柱である人は、がんに罹った場合家計はどうなるのか?をシミュレーションしてがん保険が必要かどうかを改めて考えていただきたいです。

がんの治療費負担は貯金で補えるとしても、万一治療が長引いた場合の収入減少は不安が残ります。それをカバーできる対策を準備できているのか?合わせて考えていただきたいところです。

最後に、定期型は、将来、がん治療の変化により新しい保障内容のがん保険が出てきた時に見直しをしやすいのがメリットでもあるので、更新時には最新情報も含めて保障内容を見直しておきましょう。

FPが20代の人におすすめするがん保険の選び方

20代といえば、社会人になって少しずつ仕事にも慣れてきた頃でしょうか。

体力もあるので、仕事や遊びで多少無理をしても回復が早く、体のことを気にすることも少ないこともあり、大きな病気やがんになった時の備えを後回しになることもあるでしょう。

しかし、万が一のことを考え、備えることは必要です。

では、どのように備えるといいのか、よくわからない方もいるので、まずは年齢が若くてもかかりやすい病気やがんがあるのかを知ること。そして、かかる可能性のあるがんに備え、がん保険をどう選べばいいのか考えていきましょう。

20~30代男女別がかかりやすい病気やがんと入院日数

では、厚生労働省の平成26年患者調査から20~30代にかかりやすい病気とがんについて、男女別にみていきましょう。

また、がんになった場合、どのくらいの入院日数になるのか現状を知り、備えることができるので、まずは確認が必要です。

男性の場合

不規則な生活習慣の影響によって、20代後半から糖尿病にかかりやすくなっています。また、30代後半にかけて高血圧性疾患、胃がんや大腸がんにかかりやすくなります。

がんで見た場合、胃がんの入院日数の目安は、約19日間。大腸がんの場合、約18日間と共に2週間以上になることがわかります。

女性の場合

20代後半から30代は、女性特有の部位に関する子宮頸がんや妊娠・分娩に伴う病気、妊娠中毒症になどにかかりやすくなります。

そして、甲状腺障害の一つであるバセドウ病や橋本病にかかる可能性が高くなります。ある歌手がバセドウ病にかかっていることを公表したので、耳にしたことがあるのではないでしょうか。

子宮頸がんの入院日数の目安は、進行の程度や手術方法によって入院期間は異なりますが、1日~2週間前後となっています。

参照 平成26年患者調査 62 総患者数,性・年齢階級 × 傷病分類別

食生活から生じる病気を知って、がん保険の加入の仕方を考える

病気になったり、がんにかかるのは、遺伝的な影響も考えられますが、やはり普段の食生活や習慣によって、今の体が作られているので、食生活から生じる病気を知ることも大切です。

下記の図表をご覧ください。

 

出典 平成 27 年 国民健康・栄養調査結果の概要(厚生労働省)

こちらは、外食を利用している頻度を表している図表ですが、年齢階級別にみると20代が男女ともに高い頻度で外食していることがわかります。

特に男性の20代は最低でも週1回外食しているのが60%以上、女性でも半数近くが日常的に外食しており、バランスのとれた食事をしているのか気になるところです。

国立がん研究センターがん情報サービスでも、食生活とがんの関わりに注目しています。

例えば、20~30代男性がかかりやすい胃がんや大腸がん、そして、同じく20~30代女性がかかりやすい子宮頸がんは食生活とどのような関係があるのでしょうか。

胃がん

塩分の摂取量、特に高塩分食品の摂取量の高さと関係があります。

塩蔵した魚や漬け物など塩分濃度が高い食品は胃の粘膜を傷つけたり、炎症を起こすなど、発がんを促進するものと考えられており、胃がんの発生を高める原因と言われています。

大腸がん

近年の食生活の欧米化により、日本人の罹患率が高まってきています。肉や油などの摂取量の多い人にリスクが高く、高カロリー・高たんぱくの食事を取ると、便が大腸にとどまる時間が長くなります。

同時に、便に含まれる発がん性物質も長い時間とどまり、がんが発生しやすくなると言われています。また、肥満やアルコールの摂取も、大腸がんのリスクをアップさせ、影響が大きいです。

子宮頸がん

子宮頸がんに関しては、発がんを促進する特定の食品はありませんが、子宮頸がんにかかる原因はヒトパピローマウイルスというウイルスです。

免疫力が高いとヒトパピローマウイルスをやっつけることができるので、その免疫力を高めるために、バランスのいい食事をとることが重要です。

また、喫煙は胃がん、子宮頸がんにかかるリスクを高める原因であることも多くの研究で指摘されています。

20代でがん保険に備える必要性

それでは、20~30代でかかりやすいがんの状況を踏まえた上で、がん保険にどのような保障をつけるといいのか考えていきましょう。

20代で友人が子宮頸がんになり、自分もかかるのではと心配され、がん保険の加入を検討する方がいらっしゃいます。その際には、まずは、万が一がんにかかったことを考え、保険に加入することが重要なこととお話しています。

20代は急な病気などに対応できるほど、貯金が出来ていない方がほとんどなので、保険で備えることがポイントです。

年齢が若いと、保険料を低くおさえられることも大きなメリットです。大手保険会社で男性25歳、35歳、45歳の月々の保険料を比較してみました。

下記の図表をご覧ください。

  終身払いタイプ 60歳払済タイプ
25歳 1,679円 2,474円
35歳 2,414円 3,819円
45歳 3,724円 7,184円

大手保険会社のがん保険シミュレーションを基に作成

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シミュレーションの条件として、基本保障として、入院日額給付金は1万円、がん診断給付金は100万円とし、特約として先進医療を付加しています。

やはり、20代で加入したほうが、保険料はぐっとおさえられます。さらに60歳払済タイプにすると、老後の支払いが楽になる設計ができます。

まとめ

20代でがん保険に加入する時は、シンプルに「入院給付金」「がん診断給付金」「先進医療特約」の3つの保障をおさえておくといいでしょう。

がんの治療で入院した場合、1日あたりに受取れる「入院給付金」は、入院期間が長引いた場合でも対応できます。がんと診断された場合に受取れる「がん診断給付金」は、使い方は自由なので、入院前の検査や交通費に充てられるので助かります。

数百円で加入できる先進医療保障(厚生労働大臣が定めた先進性の高い医療技術)を付加することで保険適用外の治療を選択できるようになります。

例えば、退院後に受取れる療養給付金など手厚い保障を付けたくなった場合は、あとで追加することもできるので、20代はシンプルな保障内容でまずは加入すること。

万が一の時に備えられる状態にした方がいいでしょう。

FPが教える!がん保険の掛け捨て型と貯蓄型の正しい選び方

「掛け捨ての保険はもったいない!」と思っている方がご相談者の中にも私の周囲にも結構な割合でいらっしゃいます。

たくさんの種類の保険がありますが、「がん保険」にはどのように加入するのが賢いのでしょうか。考え方を整理してみます。

保険の種類と特徴

以前のコラムにも書きましたが、生命保険にも医療保険にもがん保険にも保障の期間で分類すると「終身型」「定期型」の2種類があります。

下記の図表をご覧ください。

掛け捨て型 貯蓄型
終身型 定期型  
保障期間 一生涯 一定の期間(保障を維持するなら更新が必要) 一生涯
保険料 貯蓄型より低い、加入期間中は一定 若い時は安いが、更新のたびに高くなる 掛け捨て終身型より高い、加入期間中は一定
解約返戻金 ない(もしくは少ない) ない ある(返戻率は会社により異なる)

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「終身」とは一生涯という意味で、加入すると解約しない限りは一生涯の保障を得ることができます。保険料は加入期間中一定です。

一方、定期型保険は10年とか20年といった「ある一定の期間を保障する」保険で、その期間内に亡くなったり、病気やがんで入院したり治療したりした場合にだけ保険金が受け取れます。

いわゆる「掛け捨て」タイプの保険で、同じ保障を得るために必要な保険料は終身保険に比べて大幅に安くなります。

ただし、更新のたびにそのときの年齢で保険料が再計算されるため、高齢になるにつれて保険料は上がっていきます。

「医療保険」「がん保険」に限って言うと、大きく分けて3つのタイプに分けられます。終身型でも解約返戻金がない(もしくは少ない)掛け捨てタイプがあるのが特徴です。

では、どのタイプの「がん保険」に入るのが賢いのでしょうか。

何のために「がん保険」に入るのか

いまや2人に1人ががんにかかるといわれ、日本人の死亡原因の1位であることはご存知のとおりです。その「がん」も医療技術の向上から、必ずしも治らない病気ではなくなってきています。

ただし、「がん」にかかってしまったという精神的ダメージに加え、治療のために入院や長期の通院治療が余儀なくされ、治療法や薬に健康保険がきかないものもあることから、経済的に大きな負担になるのは事実です。

先進医療である陽子線治療や重粒子線治療などを受けると入院日数は10日程度でも平均300万円程度の費用がかかります。

がんにかかったときの治療費の自己負担額を平均すると、部位にもよりますが30~50万円が多いようです。

また、働くことが困難になって収入が減少し、家計に影響することも考えられます。特に住宅ローンを抱え、お子さんが高校・大学など教育費のかかる時期に一家の大黒柱ががんに罹患してしまったという場合、ご本人はもちろんご家族にとっても精神的にも経済的にもダメージは大きくなります。

これらを考慮すると、「がん保険」に加入する目的は”収入減少などのリスクを少しでも軽減し、高額になることが予想される「治療費」を準備する”ことではないでしょうか。

少なくとも、「解約を前提にして貯蓄をすること」が目的ではないはずです。

注意したいのは、貯蓄型のがん保険は解約すれば解約返戻金は戻ってきますが、それ以降の保障はなくなってしまいます。

解約後に万が一、がんになってしまっても診断給付金などの保障は得られません(終身型の意味がありません)。

支払った保険料以上の返戻金が戻ってくることはありません(貯蓄性のある商品としてはそれほど魅力的ではありません)。

冷静に考えると、「がん保険」にはがんになったときの保障をなるべく低いコストで求め、貯蓄をしたいなら「貯蓄型」と「掛け捨て型」の保険料の差額を別の方法で貯めるほうが効果的であるということがわかるはずです。

「保険」は目的別に加入すること

上に述べたように、「保険」は「何を目的に加入するのか」を明確にすることが大切です。

教育費を準備するための「学資(子ども)保険」や老後資金のための「個人年金保険」などは貯蓄が目的ですから、満期時にどれだけ戻ってくるかの返戻率の高さを比較検討することが大切です。

もちろん、保険に頼らず他の金融商品も選択肢にあがります。

一方で、「がん保険」や「医療保険」など病気になったときの入院や手術、高額な治療などの経済的リスクに備えることが目的なら、そこに貯蓄性は必要ないと私は考えます。

何を目的に保険に入るのかを考えれば、おのずと「掛け捨て型」がいいか「貯蓄型」がいいか、見えてきますね。

実際、最近では「貯蓄型」の「がん保険」を取り扱っている保険会社はほとんどありません。ただし、だいぶ昔に加入した方は保険証券をよく見直してみることをお勧めします。

解約返戻金付タイプのもので、入院給付金や手術給付金がメインで今の時代の治療法(抗がん剤治療や放射線治療など通院による治療、先進医療によるものなど)にそぐわないものになっている可能性があるかと思います。

終身型と定期型はどちらがいいの?

それでは、掛け捨ての「がん保険」に加入するなら、終身型と定期型どちらがいいのでしょうか?35歳男性が同条件で加入する場合の保険料を比較してみます。

下記の図表をご覧ください。

加入条件

診断給付金100万円(保険期間中1回のみ)

入院給付金1万円/日(日数無制限)

退院後療養給付金10万円/回(再発後の再入院などの場合、制限あり)

手術給付金10万円/回(回数無制限。ただし上皮内新生物の場合は1回のみ)

先進医療給付金500万円

  終身型保険料 定期(10年)型保険料
35歳時加入 2,660円 1,110円
45歳時 2,660円 1,740円
55歳時 2,660円 3,380円
65歳時 2,660円 5,940円

A社保険料シミュレーションサイトを基に作成

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終身型保険料は35歳に加入したときの保険料で変わらず保障が続きますが、定期型は当初の保険料は安いものの10年の更新ごとに保険料はアップし50歳を超えるころには終身型より高くなります。それはなぜなのでしょうか。

がん罹患率~年齢による変化

出典:地域がん登録全国推計によるがん罹患データ

資料からわかるように、男女とも50歳代くらいから罹患率が増加し、高齢になるほど高くなります。

若いころにはそれほど必要性を感じない「がん保険」もいざ歳をとって加入しようと思ったときには保険料も高くなっているんですね。

また、定期型の場合は加入できる年齢や保障される年齢に制限が設けられています。本当に必要となったときに加入できない、利用できない、といった可能性もあるのです。

まとめ

結論として、

  • 「がん保険」に貯蓄性は求めない。
  • 本当に必要な保障を見極め、保険料の比較をして加入する。
  • できるなら保険料の安いうちに「終身型」への加入を(ただし、がんの治療技術は日々進化していてそれに対応する新たな保険も次々と販売されるので、加入中の保険の保障内容をチェックするなど、臨機応変な対応をとること)。

に尽きると思います。

それよりも一番大切なのは、ずっと健康でいられるように食生活や運動など生活習慣に気をつけて病気にならないよう心がけることですね。

FPが40代の人におすすめするがん保険の選び

40代は、仕事で責任が重くなり、家庭では、住宅ローンや子どもの教育費など支出の波がどっと押し寄せる時期です。

同時に、少しずつ病気にかかるリスクも高まってくるので、大きな病気やがんになった時のために備える必要があります。

特に40代から男女ともに、がんになる確率が高くなってくるため、40代で加入する方には、どのように選ぶとよいか考えてみましょう。

がん危険信号の40代

がんは日本人の国民病といっても過言ではないほど病気です。

年齢によってがんの罹患率がどう変化しているか、そして、どのような種類のがんにかかっているか、下記、年齢階級別がんの罹患率のグラフをご覧ください。

出典:国立がん研究センター がん情報サービス

男性は、40代から少しずつがんにかかる確率が高くなってきているのが分かります。女性は、30代後半から徐々に罹患率が高くなり、40代後半には男性よりも高い値を示しています。40代はがんの危険信号と言ってもいいでしょう。

次に、体のどの部位ががんにかかりやすいのか、見てみましょう。

下記の図表をご覧ください。

 

出典:国立がん研究センター がん情報サービス

これは、年齢部位別がん罹患数の男女別の割合を表しています。

男性の40代前半では、胃がんになる確率が高くなってきており、50代後半にはピークを迎えます。

また大腸がん(結腸・直腸)になる確率も高く、40代以上で胃、大腸、肝臓などの消化器系のがんが5~6割を占めています。

女性の40代は、乳がんになる確率が圧倒的に高く、次に子宮がんと女性特有の部位のがんになりやすいことがわかります。

年を重ねていくと、消化器系(胃、大腸、肝臓など)と肺がんの割合が大きく、この傾向は男女共通しています。

がんにかかる費用は?

それでは、がんになった場合にどのくらい費用がかかるのか、40代の女性が一番かかる確率の高い乳がんのケースを例に、初期の治療法とその費用について見ていきましょう。

下記の図表をご覧ください。

  手術 放射線療法 ホルモン療法 抗がん剤療法
乳がん 内容・総額 温存手術入院(7日間)約75万円 温存手術後25回照射の場合
約47万円~70万円
閉経前(12週ごと1年間)
約29万円
AC療法(乳がんの代表的な抗がん剤治療:3週ごと4回)約13万円
自己負担額 約23万円 約14万円~21万円 約8.8万円 約4万円
内容・総額 乳房切除術入院(14日間)
約100万円
閉経後(1年間内服)
約18万円
自己負担額 約30万円 約5.4万円

※自己負担額は、3割負担の金額

出典:日本乳癌学会 患者さんのための乳がん診療ガイドラインを基に作成

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一口に乳がんの治療といっても、様々なものがあります。

手術としては、乳房の温存手術、切除手術、また、手術の際にがんを取り除くだけでなく、がんの周辺にあるリンパ節を切除する手術、乳房再建の手術などがあります。

手術後の治療として、放射線療法の場合、週5日6週間ほど行います。ホルモン療法は、閉経前と閉経後では治療に使う薬剤が異なり、その投与期間は2~10年くらいに及ぶケースもあると言われています。

そして、抗がん剤療法は、代表的な治療法はAC療法ですが、使用する抗がん剤によっても治療期間や費用が異なります。

こういった手術や治療は、症状や内容によって組み合わせや順番も変わりますので、治療のための費用は余裕を持ったほうがよいといえます。

そして、実際にがんになったときに、費用面で躊躇することなく選択ができるために、がん保険の必要性を感じられる方もいるでしょう。

とはいえ、すべてがん保険で賄うわけではなく、医療費の負担を軽減する国の保障制度があります。次に公的な医療保障制度をご紹介いたしましょう。

公的な保障制度とは

下記の図表をご覧ください。

種類 内容
傷病手当金 病気やケガで仕事を休んで給料が出ない、または減額された際に一定の範囲内の生活を保障するための制度。受取り額は、休んだ1日に対し、日給(健康保険による標準報酬日額)の3分の2相当額。
障害年金 国民年金の加入者 病気やケガで、法令で定められた障害等級表(1級・2級)で障害の状態の時、障害基礎年金が受取れる。
厚生年金の加入者 初診日のある病気やケガで障害基礎年金の1級または2級に該当する障害の状態になった時、障害基礎年金と障害厚生年金の両方受取れる。
高額療養費 医療機関などの窓口支払額が、1か月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた分の金額が受取れる制度。

出典:日本年金機構 厚生労働省保健局を基に作成

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傷病手当金とは、病気やケガを理由に会社を3日以上続けて休み、その間給料が支給されない場合に、4日目から最長1年6ヵ月間保障される制度です。

受取り額は、休んだ1日に対し、日給(健康保険による標準報酬日額)の3分の2相当額です。自営業など国民年金の方は対象外となっており、受取ることができませんが、会社員の方には有難い制度になります。

また、障害年金といわれるものもあります。障害基礎年金と障害厚生年金の2種類あり、病気やケガで、障害の状態にある時に受取ることができる年金です。

がんによって身体機能が著しく低下した場合にも給付される可能性がありますので、覚えておきましょう。会社員の方は障害基礎年金に上乗せして、障害厚生年金を受け取ることができます。

また、最も利用する確率が高いのは、高額療養費制度といわれるものです。

医療機関などで支払った3割負担額が、1か月(月の初めから終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額が返ってくる制度です。

自己負担額は、年齢・収入によって異なります。目安にはなりますが、たとえば年収約370~約770万円の方なら、1か月約9万円程度の自己負担額になります。

このように、高額な治療が続いても、自己負担の金額には上限が設けられています。

まとめ

公的な保障制度を賢く利用することは大切ですが、それだけではカバーできないケースが多いです。

また、がんになる確率が高まる40代は、子育て中などで貯蓄が目減りすると不安な世代でもあります。

その場合は、がん保険の加入を検討しましょう。特に自営業の方は、傷病手当等がありませんから、民間の保険での備えが必要です。

40代の方が、がん保険を検討される際は、診断給付金、通院給付金、先進医療特約の3つがポイントとして加入しましょう。

診断給付金

「診断給付金」とは、がんと診断されたに受け取ることができるお金です。診断された時点で受け取れるため、これからどんな治療が始まっても使用できる心強いお金になります。

高額療養費の自己負担額にも使用できます。

通院給付金

「通院給付金」とは、がんで通院したときに受け取ることができるものです。乳がんの例などを見たときに、通院が長引く治療があることが知ったことでしょう。

通院が長引くと、治療費の出費に加え、交通費など諸々の出費が重なります。通院日数に応じた給付金が支払われる「通院給付金」の付帯は検討しましょう。

先進医療特約

「先進医療」とは何かというと、厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた治療のことで、先進医療の治療は全額自己負担になります。

その金額は数百万円~2000万円ほどの高額の治療のものがあります。保険とは、そもそも、自分の貯蓄等で支払うことが難しい大きな金額の支払いに充当させるしくみです。がん保険には必ず付帯しましょう。