がん保険では未承認薬の使用にも保険がおりる?

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

がんの三大治療の一つ、抗がん剤治療に使われる薬剤に未承認薬があります。

日頃あまり耳にすることのない未承認薬を使用した場合に公的医療保険は使えるのか、また、がん保険でカバーされるのかお話しします。

未承認薬とは?

未承認薬とは、現時点では効果や安全性において確認が取れていない薬剤のことをいいます。

国立がん研究センターがん情報サービスが作成した冊子「もしも、がんが再発したら」によると、未承認薬は以下の3種類に分けられます。

  • 1.世界中のどの国でも承認されていない開発途上にある医薬品の候補であり、人を対象とした臨床試験や基礎研究が十分に行われていないもの
  • 2.欧米などの海外で承認されているが日本では薬事法上の承認がないもの(『未承認薬』と呼ばれるもの)
  • 3.日本で薬事法上の承認を得て流通しているものの、疾患によっては治療に使えないもの(『適応外薬』と呼ばれるもの)

今回お話しする未承認薬は2と3があてはまります。

なぜ未承認薬が存在するの?

日本製薬工業協会によると、国内外の製薬企業が新しく開発した医薬品の中には、アメリカやヨーロッバで承認を受けて販売され、その後さまざまな手順を踏み日本国内での販売に至るものがあります。

さまざまな手順が生じる理由として、外国と日本では人種、環境、疾患発生率、治療方法などが異なることから、日本人の治療状況に合わせて臨床試験を行い安全性と有効性を確認する必要があることがあげられます。

これらの確認作業を経て初めて日本の国内で承認された医薬品となり、承認されるまでは未承認薬と呼ばれることになります。

未承認薬の現状

未承認薬の現状

引用元:国立がん研究センター 「国内で薬事法上未承認・適応外である医薬品・適応のリスト」(2017/7/3時点のデータ)(承認年月日順)

2017年7月に国立がん研究センターが発表したリストには、アメリカあるいはヨーロッパで承認されており、日本で未承認の抗がん剤86剤が掲載されています。

その内訳は、多い順に挙げると血液領域36剤、泌尿器科領域14剤、皮膚科領域9剤、肺がん8剤、乳がん5剤、卵巣がん4剤、骨軟部腫瘍(肉腫)3剤などです。

また、治療した場合の薬剤費は、金額が判明している薬剤で1ヶ月あたり49,200円から7,890,159円になり、治療全コースの費用になると最高1,900万円かかる抗がん剤もあります。

これら未承認の薬には、未承認薬と適応外薬が含まれています。

未承認薬が多いがんの種類

前述のリストと国立がん研究センターが公開している2000年以降のデータを合わせて見たところ、未承認薬にみられるがん領域については、以下領域のがんが多くみられます。

  • 血液領域
  • 泌尿器科領域

未承認薬は公的医療保険の対象なの?

 未承認薬・適応外薬は公的医療保険では承認されていない薬剤です。そのためこれらを使用して治療を行う場合は自由診療となり、全額自己負担となります。

平成28年に新たにスタートした患者申出療養制度を利用すると、一定のルールの元において保険診療との併用を認められることになりましたが、保険診療になるのは一般保険診療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)の費用で、未承認薬は保険適用されません。

高価な薬剤を使用した場合、金銭的に負担が大きくなることに違いはありません。

がん保険でカバーできるの?

未承認薬を使用したがん治療は、がん保険でカバーできます。通常のがん保険は定額保障となり、主に以下のような保障があります。

支払い事由 支払い限度 保険金額
診断給付金 回数無制限
2年に1回を限度
100万円
放射線治療給付金 回数無制限 月10万円
抗がん剤・ホルモン剤治療給付金 回数無制限 月10万円
先進医療給付金 通算2,000万円まで保障 先進医療にかかわる
技術料

※各がん保険の資料を元に筆者が作成

前述の未承認薬の薬剤費をみると、1ヶ月あたり49,200円から7,890,159円と金額に幅があり、高価な薬剤を使用する場合、上の表の抗がん剤治療給付金の月10万円の保障では厳しい可能性もあります。

次にお話しするがん保険の「実費補償タイプ」は、高価な薬剤を使用し自由診療を行なった際の治療費をカバーすることができます。

現在、実費補償のがん保険は2商品と少ないものの補償は以下になります。

  A社 B社
保険期間 5年間(契約年齢90歳まで自動更新)
診断一時金 100万円(3年に1回限度で回数無制限) オプション保障で100万円(最後の診断確定から2年経過後)
入院保障 無制限に補償(直接治療に関係しないものは対象外)
通院保障 1,000万円まで補償・5年ごとに保障限度額が1,000万円に復元
自由診療時の要件
  • 通院・入院する医療機関がA社指定の協定病院、がん診察拠点病院、大学附属病院などであること
  • 治療内容に健康保険など(公的医療保険)の給付対象とならないがんの診療が含まれていること
以下に該当する治療に限る

  • 公的医療保険の対象となる診療
  • 先進医療に該当する診療
  • 米国国立がん研究所(NCI)のガイドラインに定める診療
  • National Comprehensive Cancer Network(NCCN)のガイドラインに定める診療
  • 癌専門委員会(第三者の医療専門家により構成されるがん治療の有効性を評価するための委員会)において有効と判断された診療
月額保険料 40歳男性(1,930円)
40歳女性(3,350円)
40歳男性(1,600円)
40歳女性(2,730円)
※診断一時金100万円有りの場合

※セコム損保「メディコム」・SBI損保「がん保険自由診療タイプ」を参考に筆者作成

入院治療では治療費の無制限補償があり、多くの抗がん剤治療が行われる通院での治療費は契約期間である5年ごとに1,000万円までの補償があるのが特長です。

ただし、5年間の定期保険で自動更新できるものの、保険料は5年毎に上がるので50歳を過ぎてからの加入や更新は高額になります。

万一がんに罹った時に自由診療を含めどういう治療を受けたいのか、日頃から想定しておきたいところです。

未承認薬の治療費例

SBI損保の調査によると、未承認薬の抗がん剤治療の自己負担額として大腸がん約360万円、乳がん約867万円の保険金支払い例があります。

セコム損保によると適応外抗がん剤を使用して11ヶ月間の脳腫瘍治療を行い約530万円の保険金支払いをしています。いずれの場合も高額な治療費がかかっていることがわかります。

未承認薬の治療を受けるには治験という方法もある

未承認薬の治療に高額な費用がかかることがわかりましたが、自由診療以外に治験という方法があります。

治験は、臨床試験の一種です。臨床試験とは、効果があると期待される新しい薬や手術・診断方法などを用いて新しい治療を行い、それらの効果や安全性を確認するために行われるものです。

そして臨床試験の中でも、厚生労働省から新薬として承認を得ることを目的としたものを治験と言います。

治験を行うには患者の協力が必要なので、そこに参加するということです。治験参加中の治験薬剤代や検査費用は製薬会社などの治験依頼者が負担することも多いため費用負担を軽減できるメリットがあります。

デメリットとしては、予期せぬ健康被害などが考えられますが、それに対する補償制度もあります。

いずれにしても治験に参加する際には、医師や家族ともよく相談してメリット・デメリットを考えて検討することが重要です。

参考:がん治験(臨床試験)のきほん

まとめ

未承認薬を使用したがん治療は、公的医療保険は適用されないもののがん保険では補償されます。

ただし、未承認薬の薬剤費が高価な場合、通常のがん保険に多い定額保障タイプで治療費をカバーするのは厳しい可能性があります。

その際、自由診療に対応した実費補償タイプのがん保険でカバーすることが可能であり、現在2つの商品があります。

特徴としては5年の定期保険で自動更新となり5年ごとに保険料が上がっていくことと、自由診療を受ける際の要件が各商品で異なるので加入する前によく確認しておきましょう。

がん保険を選ぶ上で診断給付金(一時金)・入院給付金・通院給付金、不要なものはどれ?

がん保険の保障には、一時金が支給される「診断給付金」をはじめ、「入院給付金」や「通院給付金」など、様々な種類の給付金があります。

また、がん保険を取り扱っている保険会社によって、保障内容が異なる場合もあることから、がん保険を選ぶ上で保険会社やどのような保障が必要なのかについて迷う方も少なくないと思います。

昨今では、がん保険の保障を自分自身で選んで加入できるタイプのものまで登場し、がん保険への加入をこれから検討している皆さまからすると、どの保障が必要で、どの保障が不要なのか、ますます迷ってしまうのではないでしょうか?

そこで本記事では、このようなことを踏まえまして、がん保険の保障のメインと言っても過言ではない「診断給付金」「入院給付金」「通院給付金」の3つの保障に絞って、これらの保障は、そもそも不要な保障であるかどうかについて考えていきたいと思います。

「診断給付金」「入院給付金」「通院給付金」の保障内容を確認していこう

はじめに、「診断給付金」「入院給付金」「通院給付金」が、どのような保障なのかについて確認していきましょう。

給付金(保険会社によって名称が異なる) 保障内容(給付される場合)
がん診断給付金 初めてがんと医師から診断された時に受け取ることができる給付金
がん入院給付金 がんの治療を目的として入院した時に入院日数に応じて受け取ることができる給付金
がん通院給付金 がんの治療を目的として、保険会社が定めている約款における所定の通院をした時に通院日数に応じて受け取ることができる給付金

オリックス生命保険 商品詳細(がん保険ビリーブ)を参考に筆者作成

それぞれの保障内容を確認できたところで、これら3つの保障が、はたして本当に必要な保障なのか不要な保障なのかについて次項で個別に考えていきたいと思います。

診断給付金は、必要?不要?

診断給付金は、初めてがんと医師から診断された時に受け取ることができる給付金で一時金として支給され、その金額は、がん保険の契約によって異なります。

一般に、50万円から300万円くらいの範囲内で診断給付金の契約をしている場合が多いと思われますが、一時金として受け取ることができる診断給付金は、非常に重宝される保障であることは確かであると思います。

通常、がんにかかりますと、収入が低下してしまうだけでなく、医療費などに多くのお金が費やされることになりますので、毎月の生活費のほかにかかる家計負担が多くなると考えられます。

仮に、一家の大黒柱である方が、現役中にがんにかかってしまいますと、家計が苦しくなるだけなく、住宅ローンの返済などといった大きな支出が重なりますと、貯蓄も急激な勢いで減少し底をついてしまうことも十分予測できます。

このように、先のことを考えた時に様々な事に対して充当することができるお金であることから、診断給付金は、できる限り付加しておくことがベストな選択肢であると思います。

入院給付金は、必要?不要?

入院給付金が必要か不要かを考える前に、厚生労働省が公開している「平成26年(2014)患者調査の概況」より「退院患者の平均在院日数等」の推移について確認していきましょう。

出典 厚生労働省 平成26年(2014)患者調査の概況 3 退院患者の平均在院日数等より引用

着目する点としては、「年々入院する日数が少なくなっている」ということのみで結構です。

仮に、医療保険に加入している場合でがん保険の入院給付金も付加されている場合、保障が重複してしまうことになるため、入院給付金は多く支給されるのは確かであるものの、その分、月々の保険料は余計に支払っていると考えることもできるでしょう。

この辺の保障のバランスを考慮した保険設計は、必要だと考えられるほか、たとえば、医療保険とがん保険の入院給付金を確認し、重複が解消できるようであれば、最低限必要な分だけにするなどの対策も必要になると思います。

入院給付金を考える上では、保障金額を考えることも重要ですが、高額療養費制度について考えることも必要不可欠になりますので、この辺を確実にアドバイスできる専門家へ相談するように心掛けたいものです。

結論として、がん保険の入院給付金は、基本的に必要ではありますが、医療保険との兼ね合いを考慮した上で、過剰な加入は厳禁であると判断します。

通院給付金は、必要?不要?

先に「年々入院する日数が少なくなっている」と紹介しましたが、がんの治療におきましては、「入院日数が少なくなり、通院日数が長くなっている」という現状があります。

つまり、一昔前の生命保険のように、入院のみ保障がされ、通院には保障が対応していない生命保険や入院の保障が異常に長いような生命保険は、現在の保障ニーズからは程遠くなっていると考えることができます。

このような現状や今後のことを考えますと、がん保険の「通院給付金は絶対に必要なものである」と思います。

がん保険の通院給付金は、無制限で保障する場合が多いのですが、がんは退院した後に治療が一段落するまでの間に「年単位」で時間を要することを踏まえますと、この間、がんの治療に通院でかかった医療費を保障してくれる点は、家計にとって非常にプラスであると考えることができます。

まとめ

がん保険の保障である「診断給付金」「入院給付金」「通院給付金」は、いずれも必要なものであり、不要な保障というものはないと私は思います。

ただし、お客様1人ひとりの状況は、すべて違うものである以上、一括りに「診断給付金」「入院給付金」「通院給付金」は、いずれも必要なものと結論付けるのも正しい判断とは言い切れない部分があることも確かです。

そのため、がん保険を選ぶ上で大切なことは、保障選びや保険会社選びはもちろんですが、自分の状況を確実に把握した上で、最も適切ながん保険を導いてくれる専門家を探すことであるとも思います。

がん保険1つ選ぶのにおいても、収入や将来の推移いった全体的な部分を検討し正しく導いてくれる身近な専門家がいることによって、自ずと無駄のない本人にとって最適ながん保険を選ぶことができるでしょう。

がん保険の終身型と定期型の違いをFPが徹底比較!

がん保険の保障は、大きく「終身型」と「定期型」に分けられる特徴があり、がん保険を取り扱っている保険会社の商品によって異なる場合もあります。

単に、がん保険を検討すると言っても、保障内容を重視している方もいれば、支払保険料を重視している方もいるわけですから、何よりも自分のニーズに沿ったがん保険を理解した上で選ぶことが大切だと考えられます。

そこで本記事では、がん保険の終身型と定期型の違いについて比較して解説をすることで、これからがん保険を検討している皆さまが、自分にとってどちらのタイプのがん保険が適しているのか知ることができる構成内容で解説を進めていきます。

がん保険の終身型と定期型の大きな違いとは

がん保険の終身型と定期型の大きな違いとは、「保障期間が無期限なのか、有期限なのか」といった違いになります。

たとえば、がん保険の終身型の場合、保障が死亡するまで有効であるのに対して、がん保険の定期型の場合、「10年間」や「60歳まで」のように、保障される期間があらかじめ決まっています。

また、がん保険の終身型と定期型は、支払保険料にも違いがあり、終身型は定期型に比べて支払保険料が高いといった特徴があるのですが、その他の主な違いについては、次項の比較表で解説していきます。

がん保険の終身型と定期型の主な違いを比較

比較内容 終身型 定期型
保障期間 死亡するまで あらかじめ決まっている
支払保険料 高い 安い
保険料払込期間 終身払いや払い済みなど
選択することができる
保障期間まで
解約返戻金 貯蓄型のがん保険の場合はあり なし

がんは、いつかかるか分からない病気でありますから、いつかかってしまったとしても万全の態勢で備えておきたい考えの方であれば「終身型」が向いていると考えられます。

一方、保障は限定的でも構わないので、とにかく支払保険料の安さを重視しているという方であれば「定期型」の方が向いているでしょう。

あえて支払保険料の注意点を1つあげるとするならば、定期型のがん保険は、保障期間が満期を迎えて自動更新しますと、それまでの支払保険料が性別や年齢に応じて増加することになります。

そのため、当初は終身型の方が支払保険料は高いものの、年齢を重ねて自動更新を繰り返すことで、定期型の方が高い支払保険料を負担しなければならなくなるだけでなく、トータルで多くの支払保険料を負担してしまうといった現象が起こり得ますので、この点は要注意であり、がん保険の保障をいつまで確保しておきたいのかといった考え方によって、並行して考えるべき問題であると言えます。

がん保険は、終身型と定期型の一体どちらが良いのか?

がん保険の終身型と定期型は、一体どちらが良いのかといった疑問をお持ちの方も多いと思いますが、あくまでも、自分のニーズに沿ったがん保険に加入することが最も望ましいことです。

一般に、保険会社が取り扱っているがん保険は、終身型の方が定期型よりも多いのですが、このようなことを踏まえますと、保険会社の販売戦略はあるものの、少なくとも保険契約者のニーズにつきましても、定期型よりも終身型の方が多いといった考え方もできると思います。

また、現在、がん保険に加入している方やこれからがん保険に加入することを検討している皆さまに共通している考え方として「もしも、がんになってしまった場合の確かな備えを確保しておきたい」といったものがあるはずです。

いつがんにかかるか分からないわけでありますから、定期型のがん保険に加入することは、保障が限定的であり、確かな備えとは矛盾しているとも考えられそうです。

確かに、医療技術の進歩によって、がんは、部位によっては治る病気になっただけでなく、がんの新しい治療法や治療薬によって、がん保険の保障内容も常に新しいものに見直すことができる可能性は、定期型のメリットです。

しかしながら、更新する都度、保険料が上がってしまうこと、仮に、ライフプランを考慮した時、年齢を重ねることによる支払保険料の増加と子どもの教育費用などの増加が家計の大きな負担になる懸念があること、保険料が掛け捨てで資産として何も残らないこと、などのデメリットを総合的に終身型と比較しますと、やはり定期型のがん保険よりも終身型のがん保険の方に軍配が上がるような気も致します。

若い内から、しっかりとした終身型のがん保険に加入しておくことで、長い目で見ますと支払保険料は大きな負担にならず、確かながんの備えが一生涯に渡って確保できる点は、終身型の強みであると思っています。

参考 がん保険の備えは罹患率で考えるものではない

出典 国立がん研究センターがん情報サービス 4)がん罹患率~年齢による変化 全がんより引用

がんにかかる確率は、男女といった性別に関わらず、年齢が高くなればなる程、高くなることがグラフから読み取ることができますが、がんにかかる確率が高くなりそうな時にがん保険に加入することは、正しい考え方とは言えません。

なぜならば、若くしてがんにかかる可能性は「0%ではない」からです。

不幸にも若くしてがんにかかってしまった方や命を落としてしまった方は、誰もが自分が、がんになるとは少しも考えていなかったはずです。

若い内にがんにかかるということは、がんの進行が早いだけでなく、家族がいる場合、経済的な面なども含めて家族の人生が大きく激変することになります。

がんは、罹患率ではなく、リスクの大きさで考えなければならないはずなのです。

まとめ

本記事のまとめとして、終身型と定期型の主な違いについての表を再渇します。

比較内容 終身型 定期型
保障期間 死亡するまで あらかじめ決まっている
支払保険料 高い 安い
保険料払込期間 終身払いや払い済みなど
選択することができる
保障期間まで
解約返戻金 貯蓄型のがん保険の場合はあり なし

本文中では、私個人の主観が多くなったことで、終身型と定期型の良し悪しが偏ってしまいましたが、あくまでも、がん保険に加入される方のニーズに沿っていることが一番でありますので、参考として紹介した罹患率の考え方も考慮しつつ、最適ながん保険選びを実現していただきたいものです。

抗がん剤治療にはいくらかかる?がん保険は必要?

がんの治療方法の1つである「抗がん剤治療」は、別に薬物療法とも呼ばれ、がんの治療を行う場合におきましては、抗がん剤、ホルモン剤、免疫賦活剤(めんえきふかつざい:免疫力を高める薬剤)などを使用します。

この時、抗がん剤治療は、がんの転移があるときやがんの転移の可能性があるとき、転移を予防するとき、血液・リンパのがんのように広い範囲に治療を行う必要のあるときなどに行われますが、複数回に分けて治療が行われることになるため、通常、治療費も高額になります。

このようなことを踏まえまして本記事では、多くの皆さまが気になる疑問として、抗がん剤治療には、どのくらいのお金がかかるのかといった費用の面を中心に、治療費の対策方法として医療保険制度やがん保険について解説を進めていきます。

抗がん剤治療にかかる期間は長くなる

抗がん剤治療は、がんに罹患している人の病状などを考慮して検討されることになりますが、特に注射や点滴による抗がん剤治療の場合は、「治療の日」と「治療を行わない日」を組み合わせて「1~2週間程度の周期」を「1コース」「1クール」などの単位で数え、一連の治療として数回繰り返して行われるのが一般的です。

一例として、乳がんにかかった方が、抗がん剤治療を行ったサイクルは以下の通りです。

  • CMF 4クール
  • CEF 10クール
  • スタンダード・タキソテール 6クール
  • 合計 20クール

1クールを1週間としますと単純計算で約5ヶ月、1クールを2週間としますと単純計算で約10ヶ月もの治療期間を要することになります。

では、抗がん剤治療が長い期間行われることによってかかる費用とは、一体どのくらいの金額になるのでしょう。

抗がん剤治療にかかる費用とは

抗がん剤治療にかかる費用は、日本の公的医療保険制度上、保険適用なのか、保険適用外なのかによって1ヶ月にかかる治療費が大きく異なります。

抗がん剤を長期的に使うと、費用がかかります。公的医療保険には高額療養費という制度があって、月にいくらという上限以上は負担しなくてよく、上限額は所得によって違っており、一般的には約8万円です

国立がん研究センター がん情報サービス05軽減制度があっても、治療が続く患者の負担は大きいより一部改編引用

日本では、公的健康保険制度が確立されていることから、健康保険や国民健康保険といった違いを問わず、高額療養費制度が申請によって適用されます。

仮に、1ヶ月8万円が自己負担のがん治療費(抗がん剤治療含む)としてかかったものとし、先に紹介した1クールを1週間および2週間とした場合における医療費負担を簡単にまとめてみます。

内容 1クール1週間の場合
(治療期間5ヶ月と仮定)
1クール2週間の場合
(治療期間10ヶ月と仮定)
3ヶ月目まで 240,000円(80,000円×3ヶ月)
4ヶ月目から終わりまで
(多数回該当につき、1ヶ月あたり44,400円が自己負担限度額となる)
88,800円
(44,400円×2ヶ月)
310,800円
(44,400円×7ヶ月)
合計自己負担金額 328,800円 550,800円

70歳未満でかつ一般区分に該当している場合(平成29年9月現在)

抗がん剤治療の1クールは、実際にがんに罹患した部位やその他の事情によって日数が異なることから、実際に負担する医療費負担も上記比較表のように差が生じることになります。

なお、今回の例は、あくまでも抗がん剤治療が「保険適用」であった場合であり、仮に、保険適用外の抗がん剤治療の場合は、100万円単位で医療費がかかってしまうことも決して珍しくはありません。

日本ではまだ承認されていない抗がん剤を使ってもらったのですが、未承認薬は自由診療なので、自費になります。日本の医療保険では、混合診療が認められていないので、その未承認の薬代だけではなく、入院費や検査費の全てについて、保険が利かなくなったことによって医療費が1ヶ月100万円になってしまいました

国立がん研究センター がん情報サービス05軽減制度があっても、治療が続く患者の負担は大きいより一部改編引用

抗がん剤治療の大きな注意点は、保険適用になる治療と保険適用外の治療を一緒に受ける「混合診療」であり、この場合、本来ならば、保険適用で受けられる治療も含めてすべて保険適用外としての取り扱いになります。

つまり、全額自費扱いということです。

がんにかかった家族を助けるためには、100万円単位の治療費を惜しむことなく負担することが考えられる一方、言うまでもなく医療費負担に「限界」があります。

では、この限界を対策するためには、どのような方法があるのでしょう。

がんの治療費対策には、がん保険が最も有効

がん保険は、がんに特化した保険であるからこそ、がんの治療費対策に優れた効果を発揮することは言うまでもありません。

たとえば、チューリッヒ生命のがん保険「終身ガン治療保険プレミアム」は、放射線治療や抗がん剤治療などを受けた場合に、月々の治療費を回数無制限で保障されることから、先に解説した保険適用範囲内の治療であれば、がん保険の給付金から治療費をまかなうことが十分可能になります。

チューリッヒ生命 終身ガン治療保険プレミアム 保険商品のご案内より引用

また、混合診療など保険適用外の治療費負担が心配な場合は、保障の自由設計ができることから、ご自身のニーズに合った保障内容に自由にカスタマイズすることもできますので、治療費にかかる極度の懸念は払拭できるものと思います。

なお、これは一例でありますので、各保険会社が取り扱っているがん保険の保障内容や支払保険料などをそれぞれ比較検討して選ぶことが重要です。

まとめ

本記事では、抗がん剤治療について解説を進めさせていただきましたが、実際に自己負担する治療費は、保険適用なのか、保険適用外なのか、混合診療なのかによって異なります。

これは、実際にがんにかかったことによる病状や医師の治療方針によって大きく異なることになるため、抗がん剤治療における治療費の幅は、大きな開きが生じるものと予測されます。

そのため、どのようながんの状況下であったとしても対応をすることが可能な「がん保険への加入」は、がんの治療費対策を検討する上で十分必要になると考えることができます。

がん保険の給付金はいつの段階で支払われるのか?

生命保険は、万が一の事態に備えて加入していることが一般的ですが、実際に保険会社に対して保険金請求をした場合、その保険金がいつの段階で支払われるのかはっきりと知っておきたいと思う皆さまも多いのではないでしょうか。

厳密な話をしますと、こちらにつきましては、保険契約をした際に受け取った保険約款にしっかりと記載されており、そちらを読むことで解決できる内容ではありますが、多くの皆さまがご存知の通り、保険約款は内容が細かいほか、言い回しがくどく分かりづらい短所があることから、しっかりと読む気持ちになれないのが本当のところだと思います。

そこで本記事では、保険会社のホームページとWEBの注意喚起情報などを参考に、保険金や給付金はいつの段階で支払われることになるのか解説を進めていきます。

保険金や給付金が支払われる一般的な段階とは

はじめに、保険金や給付金が支払われる一般的な段階について、メットライフ生命のホームページより引用して解説を進めていきます。

出典 メットライフ生命 よくある質問 保険金・給付金はいつ支払われるのでしょうか?より一部引用

一般に、保険金や給付金を請求するためには、保険会社や保険代理店に電話などで直接問い合わせるか、保険会社のホームページよりダウンロードして、保険金の請求書を準備した上で必要箇所を記入し署名・捺印しなければなりません。

この時、医師の診断書など保険金や給付金の請求に必要な書類も添付しなければならないため、すべての必要書類を準備して保険会社に到着していることが前提となります。

その上で、必要書類が保険会社へ到着した日の翌日からその日を含めて5営業日以内に保険金や給付金が支払われることになります。

たとえば、9月25日の月曜日に必要書類が保険会社へ到着した場合、翌日26日の火曜日からその日を含めて5営業日以内になりますので、10月2日の月曜日までには保険金や給付金が指定口座へ振り込まれることになると考えられます。

あくまでも注意点は、5日後ではなく、「5営業日以内」となります。

保険金や給付金が支払われる際の4つの注意点

前項の解説と質問内容から、保険金や給付金が支払われる際における4つの注意点について引き続き解説を進めていきたいと思います。

1つ目の注意点 がん保険や終身保険といった保険の種類ごとに区別されていない

たとえば、がん保険における「診断給付金」や終身保険の「死亡保険金」といったように、保障の呼び名は違っても、保険会社が定めた一定のルールの下、お金が振り込まれることになっているため、「がん保険だから○日かかる、終身保険だから○日かかる」といったことはありません。

そのため、保険会社に送付した必要書類に不備がなければ、保険の種類に関わらず「5営業日以内にお金が振り込まれる」と解釈するのが自然です。

詳細につきましては、加入している保険会社へ尋ねることが確実でしょう。

2つ目の注意点 保険金や給付金が外貨建ての場合、時間と手数料がかかる

加入している保険金や給付金が外貨で支払われる保険契約になっている場合は、定められている支払期間よりも数日多くかかってしまう場合や円に換金するための手数料が必要になりますので、金額が多ければ多い程、差し引かれる手数料が多くなってしまう点に注意が必要と言えます。

外貨建てであることから、為替差益によるプラスの効果が期待できることも確かですが、換金手数料や為替差損のロスを考慮しますと、一長一短であると考えることができます。

3つ目の注意点 書類の不備や告知義務違反があった場合は弊害が生じる場合も

保険会社に届いた必要書類に記入漏れや添付資料が足りない不備があった場合、保険金や給付金が支払われるタイミングがずれてしまうことになります。

そのため、必要な時までに保険金や給付金が受け取れないといったことも十分考えられますので、この点には注意が必要であると言えます。

また、がん保険や終身保険といった生命保険に加入する際には、告知書に記載されている内容についてありのまま回答をしなければならない「告知義務」があるのですが、これに違反する、いわゆる「告知義務違反」を犯した場合、当然に保険金や給付金が支払われることはありません。

さらに、これまで支払い続けてきた保険料も返還されることはありませんので、この点も重要な注意点であると言えるでしょう。

出典 メットライフ生命 注意喚起情報 2 お申し込み時に告知していただく事項について(告知義務)より引用

4つ目の注意点 保険金や給付金は必ず支払われるとは限らない

保険金や給付金は、保険会社に対して必要書類を不備なく提出すれば、お金が必ず支払われるものではなく、保険会社がそれぞれ定めている「支払事由に該当しない場合」や「免責事由に該当する場合」と判断された場合におきましては、保険金や給付金が支払われることはありません。

たとえば、がん保険の場合ですと、医師にがんと診断確定されていた場合は、そのことを知っていた、知っていないに関わらず、保険金や給付金は支払われないほか、がん保険を契約し保険会社から引き受けを受けてから90日間の免責期間に、がん保険の保障対象となる事象が発生したとしても保険金や給付金は支払われません。

出典 メットライフ生命 契約概要 4 保険金・給付金などをお支払いできない事例より引用

まとめ

本記事の要点は、以下の通りです。

  • 保険金や給付金が支払われるまでには、概ね「5営業日以内」の期間を要する
  • がん保険、終身保険といった保険種類による支払いの違いは基本的にない
  • 保険金や給付金が外貨建ての場合、時間と手数料がかかる
  • 保険請求の書類に不備があった場合は、お金が支給されるまで時間を要する
  • 告知義務違反はどのような理由であれ厳禁
  • 保険金や給付金は、「支払事由に該当しない場合」や「免責事由に該当する場合」は支払われない

基本的に保険金や給付金は、必要書類を確実かつ早急に準備することで、早い段階でお金を受け取れることは確かですので、特に、保険加入のスタートラインにあたる告知義務違反は必ず行わないように心掛けましょう。

FPが解説!メットライフ生命「Guard X(ガードエックス)」

がん保険は、保険会社によって保障内容や支払保険料が異なることから、その商品の選び方はとても大切なポイントになります。

これからがん保険の加入を検討している皆さまは、おそらくインターネットの情報サイトや保険会社のホームページのほか、保険代理店などから様々な情報を得ていることだと思います。

一方、様々な情報が錯綜していることによって、何が正しく、何が誤っているのか、判断が付けられなくなっている皆さまも多いのではないでしょうか?

がん保険を考える上で正しい考え方は、1つではありませんので、あくまでも自分のニーズに沿ったがん保険選びをすることが、最も正しい選択肢であると思います。

本記事では、商品選びの参考情報として、メットライフ生命のがん保険「Guard X(ガードエックス)」の保障内容やメリットなど、加入検討する上で欠かせない要点をまとめて紹介していきます。

メットライフ生命のがん保険「Guard X(ガードエックス)」の保障内容

はじめに、メットライフ生命のがん保険「Guard X(ガードエックス)」の保障内容について、主契約(基本保障)と特約(オプション)をそれぞれ要約して紹介していきます。

主契約(基本保障)

保障名称 保障内容(要約) 支払限度(要約)
ガン治療保障 ■悪性新生物治療給付金
(ガン治療給付金)
責任開始日以後に、診断確定された悪性新生物の治療を目的として以下、いずれかに該当した場合に給付金が支払われる
①公的医療保険制度の対象となる手術・放射線治療・抗がん剤治療のいずれかを受けた場合
②最上位の進行度を示す病期と診断され、その日以後に入院または通院した場合
■上皮内新生物治療給付金
(ガン治療給付金)
責任開始日以後に、診断確定された上皮内新生物の治療を目的として公的医療保険制度の対象となる手術・放射線治療・抗がん剤治療のいずれかを受けた場合
左記、いずれの給付金も1年に1回を支払限度とし、給付金の支払事由に該当するたびに通算5回まで給付金が支払われる
ホルモン剤治療保障 ■ホルモン剤治療給付金
責任開始日以後に、診断確定されたガンの治療を目的として公的医療保険制度の対象となる所定のホルモン剤治療を受けた場合に給付金が支払われる
1年に1回を支払限度とし、通算10回まで給付金が支払われる
ガン通院保障 ■ガン通院サポート給付金
責任開始日以後に、診断確定されたガンの治療を目的して通院した場合に給付金が支払われる
1年ごとに、支払日数60日が限度

特約(オプション)

保障名称 保障内容(要約) 支払限度(要約)
ガン診断保障 ■悪性新生物診断給付金
(ガン診断給付金)
責任開始日以後に、初めてガンと診断された時、および前回の給付から2年を経過して診断確定したガンの治療を目的として入院した場合に給付金が支払われる
■上皮内新生物診断給付金
(ガン診断給付金)
責任開始日以後に、初めて上皮内新生物と診断された時、および前回の給付から2年を経過して診断確定した上皮内新生物の治療を目的として入院した場合に給付金が支払われる
悪性新生物診断給付金と上皮内新生物診断給付金は、それぞれ2年に1回を限度に支払事由に該当する度に支払われる
ガン先進医療保障 ■ガン先進医療給付金
責任開始日以後に、診断確定されたガンの先進医療を受けた場合に給付金が支払われる
■ガン先進医療支援給付金
ガン先進医療支援給付金が支払われる治療を受けた場合に給付金が支払われる
ガン先進医療給付金は、通算支払限度2000万円が限度
ガン先進医療支援給付金は、1回の先進医療につき100万円が限度
ガン入院保障 がんで入院した場合、60日までは1日あたり5000円、61日目からは1日あたり10000円の給付金が支払われる
特定の女性ガン手術保障 ■女性特定ケア給付金
責任開始日以後に、診断確定されたガンの治療を目的として以下、いずれかの手術を受けた場合に給付金が支払われる
①乳房観血切除術
②卵巣観血切除術
③子宮観血切除術
■乳房再建術給付金
責任開始日以後に、女性特定ケア給付金が支払われる
乳房観血切除術を受けた乳房に対して所定の乳房再建術を受けた場合に給付金が支払われる
女性特定ケア給付金は、乳房観血切除術、卵巣観血切除術は、それぞれ2回を限度とし、子宮観血切除術は1回が限度
乳房再建術給付金は、女性特定ケア給付金が支払われる
乳房観血切除術に対して1回が限度
保険料払込免除 責任開始日以後の保険期間中に責任開始日前を含めて初めて悪性新生物と診断確定されたときは、以後の保険料を支払わなくともよくなる(保障は継続する) 悪性新生物と診断確定された場合、保険料の払込が免除になる
健康支援給付金 ■健康支援給付金
健康支援給付金の支払基準日の前日末に生きている場合に給付金が支給される
最長90歳まで

メットライフ生命 時代が求めたガン保険Guard X(ガードエックス)を下に筆者作成(平成29年9月現在)

メットライフ生命のがん保険「Guard X(ガードエックス)」の強みを考えてみる

メットライフ生命のがん保険「Guard X(ガードエックス)」は、商品開発される際のコンセプトが非常に素晴らしく、実際にがんになってしまった方とその家族にアンケート調査を行い、その声(ニーズ)を活かしたがん保険です。

顧客の立場になって考えるということは、がんになって苦しい思いをした患者さんやそれに付き添ってきた家族の皆さんが、がんの闘病で感じたことをがん保険の保障に活かすことであり、非常に合理的な考え方であると思います。

また、がんにかかった本人やその家族の皆さんが多く抱えた不安や懸念を払拭できるがん保険に無駄な保障というものは基本的に無いと考えることもでき、それを主契約(基本保障)として1つにまとめているだけでなく、それぞれの契約者のニーズに合わせて、特約を別途、自由に設計できる点は高く評価できます。

まとめ

メットライフ生命のがん保険「Guard X(ガードエックス)」は、基本保障にあたる主契約の部分だけでもがんへの備えになりますが、可能であれば、特約の「ガン診断保障」や「保険料払込免除」は、付加しておきたいものです。

現在加入している生命保険の保障バランスを保つためにも、総合的な保障の再確認をすることをおすすめ致します。