がん保険の解約返戻金はある方がいい?なくてもいい?

がん保険には、解約返戻金と呼ばれるお金がある商品とない商品が存在し、これは、実際に取り扱っている保険会社によってそれぞれ異なる特徴があります。

そのため、これからがん保険の加入を検討している皆さまからしますと、解約返戻金があるがん保険と解約返戻金がないがん保険は、一体どちらがどのように良いのか気になる方も多いのではないでしょうか。

この疑問を解決するためには、解約返戻金の基本的な部分から、これら2つのがん保険にはどのような特徴があるのかについて契約前に知っておくことがとても大切です。

そこで本記事では、解約返戻金の基本的な部分からがん保険を取り扱っている保険会社と解約返戻金の関係について紹介し、解約返戻金があるがん保険と解約返戻金がないがん保険は、どちらの方が良いのかといった考え方について解説を進めていきます。

解約返戻金の特徴とは

解約返戻金(かいやくへんれいきん)とは、保険契約期間の途中で生命保険契約を解約したときに支払われるお金のことをいいます。

一般に解約返戻金は、終身保険、養老保険、がん保険など、保険の種類や保険会社によって有無があり、払い戻される金額も実に様々であるほか、解約返戻金があるタイプの保険は、無いタイプの保険に比べて支払保険料が高くなる特徴もあります。

また、解約返戻金は、保険契約の期間が大きく関係し、保険契約を締結してから短い期間で解約をした場合、解約返戻金が無い場合やごく僅かであるほか、通常、解約返戻金は今までに支払った保険料よりも少ない場合がほとんどであるといったことも押さえておかなければなりません。

がん保険を取り扱っている生命保険会社等と解約返戻金の関係

解約返礼金の特徴についてご理解をいただきましたところで、ここでは、がん保険を取り扱っている生命保険会社等と解約返戻金の関係について表にまとめて紹介します。

なお、紹介するがん保険は、平成29年11月現在において、日本FP協会の保険検索より主力商品とされるものに絞っておりますのでご留意下さい。

保険会社 商品名 解約返戻金の有無
アクサ生命 アクサの「治療保障」のがん保険 平成29年度版 無し
アクサの「収入保障」のがん保険 平成29年度版
朝日生命 がん保険(返戻金なし型)
(2015) 平成29年度版
無し
アフラック 新 生きるためのがん保険Days 平成29年度版 無し
新 生きるためのがん保険Daysプラス 平成29年度版
生きるためのがん保険寄りそうDays 平成29年度版
オリックス生命 がん保険 Believe[ビリーブ] 平成29年度版 無し
がん保険 Force[フォース] 平成29年度版
ジブラルタ生命 終身がん保険 平成29年度版 有り
ソニー生命 がん入院保険(無配当) 平成29年度版 無し
がん保険(無配当) 平成29年度版
終身がん保険(08)(無配当) 平成29年度版
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 勇気のお守り 平成29年度版 無し
チューリッヒ生命 3大疾病保険プレミアム 平成29年度版 無し
終身ガン治療保険プレミアムDX 平成29年度版
東京海上日動あんしん生命 がん治療支援保険NEO 平成29年度版 無し
がん診断保険R 平成29年度版 健康還付特則部分は有り
日本生命 ニッセイみらいのカタチ(がん医療保険) 平成29年度版 無し
AIG富士生命 新がんベスト・ゴールドα 平成29年度版 無し
プルデンシャル生命 がん診断保険(無配当)平成29年度版 いずれのタイプもあり
がん保険 平成29年度版
マニュライフ生命 Prosperity ガン治療保険 平成29年度版 有り
こだわりガン保険 平成29年度版 無し
三井生命 大樹セレクト ガンのほけん 平成29年度版 要確認
三井住友海上あいおい生命 &LIFE 新ガン保険α 平成29年度版 有り
JA共済 がん共済 平成29年度版 毎年割戻
アクサダイレクト生命 アクサダイレクトのがん終身 平成29年度版 無し
アクサダイレクトのがん定期 平成29年度版
メットライフ生命 時代が求めたガン保険 Guard X(ガードエックス) 平成29年度版 無し

上記表から多くの保険会社で解約返戻金のない商品が多いことが確認できます。

がん保険の解約返戻金を無しにすることで、保険会社は、支払保険料を下げてがん保険を販売することができ、これによって多くの方が、がん保険に加入しやすくなっています。

解約返戻金があるがん保険と解約返戻金がないがん保険は、どちらの方が良いのか

がん保険の解約返戻金は、がん保険を解約しなければ、解約返戻金を受け取ることができません。

しかし、そもそも何のためにがん保険に加入するのか?といった加入目的を考えた時、当然のことながら、がんになってしまった場合の備えなのではないでしょうか。

仮に、加入しているがん保険を解約するということは、がんの備えが無くなってしまうことになりますから、新たながん保険に加入しなければ、これまで何のためにがん保険に加入してきたのかわからなくなってしまいますね。

このように考えた時、がん保険を解約してがん保障が無くなることを避ける必要があるため、支払保険料が安く、解約返戻金が無いがん保険の方が多くの方にニーズがあると考えることもできるでしょう。

まとめ

本記事の作成にあたり、がん保険を取り扱っている生命保険会社のホームページと日本FP協会の保険検索より平成29年度の主力商品に絞ってがん保険の解約返戻金についてリサーチし、その有無を紹介させていただきました。

今回、紹介した内容は、今後変わることも十分予測されますが、それ以前に、筆者自身がリサーチをした中で、それぞれの保険会社によってわかりやすさ、わかりにくさがとても浮き彫りになったことを感じています。

要は、がん保険の解約返戻金があるのか、ないのかの答えを確認するだけであるのにも関わらず、それぞれの保険会社によって明確にその有無をわかりやすく明記しているところもあれば、探しても見つけにくい、もしくは、パンフレットなどでも探し当てることができないといったことがあったのも紛れもない事実です。

このようなことから、仮に、がん保険に加入する上で、解約返戻金について特に重視をしている方であれば、保険会社や保険代理店の担当者へ直接尋ねてみることが望ましいでしょう。

がん保険の一時給付金(診断給付金)とは

がん保険の大きな特徴の1つに、「一時給付金(診断給付金)」が支払われる場合があるといったものがあります。

実際のところ、一時給付金(診断給付金)は、実際に加入しているがん保険の保障内容や保険会社などによって支払われる保険金額や保障回数に違いがあることから、がん保険への加入を検討する際には、一時給付金(診断給付金)の保障内容をはじめ、それぞれの保険会社が、どのような場合に一時給付金(診断給付金)を支払うのかといった保険金の支払要件を確実に把握しておく必要があります。

このようなことから、本記事では、がん保険の一時給付金(診断給付金)について解説を進め、基本的な保障内容から保険会社による違いをはじめ、一時給付金(診断給付金)の必要性の有無についてまで幅広く解説をしていきます。

がん保険の一時給付金(診断給付金)とは

がん保険の一時給付金(診断給付金)とは、初めてがんと医師から診断された際に支払われる保険金のことをいい、100万円や200万円など、保険契約の内容に応じた保険金がまとまった一時金として支払われます。

先の解説で「初めてがんと医師から診断された」としておりますが、現在では、がん保険を取り扱っている保険会社によって、がん保険の一時給付金(診断給付金)は、1回限りの支給だけではなく、複数回支給や無制限支給といった違いがあることから、保険会社同士のがん保険をそれぞれ比較検討し、ご自身にとって良いと思われるがん保険を選ぶことが大切になります。

保険会社によって一時給付金(診断給付金)には、どのような違いがあるのか

前項の解説より、保険会社によって、がん保険の一時給付金(診断給付金)には、どのような違いがあるのか気になる読者の皆さまも多いと思います。

そこで本項では、参考までに、チューリッヒ生命、オリックス生命、メットライフ生命、アフラックの4社が取り扱っているがん保険の一時給付金(診断給付金)について、それぞれどのような違いがあるのかをまとめて紹介していきます。

なお、一時給付金(診断給付金)の保障内容は、平成29年11月現在のものとし、将来において保障内容が変更される可能性があることを留意するようにして下さい。

内容 チューリッヒ生命 オリックス生命 メットライフ生命 アフラック
商品名 終身ガン治療保険プレミアムDX がん保険Believe[ビリーブ] 時代が求めたガン保険 Guard X(ガードエックス) 新 生きるためのがん保険Days
支払要件 【1回目】責任開始期以後、初めてがんと診断確定されたとき【2回目以降】前回 の支払事由に該当 した日からその日を含めて2年を経過した日の翌日以後に、がんの治療を直接の目的として入院したとき 初めてがんと診断されたとき 悪性新生物と診断確定されたとき、またその日から2年経過後に悪性新生物の治療のために入院したとき 初めてがん・上皮内新生物と診断確定されたとき
給付割合 ガン診断給付金額 基本給付金額×100倍 ガン診断給付金額 基準診断給付金額(上皮内新生物はがんの1/10)
給付限度 ◆回数無制限
ただし、ガン診断給付金の支払われることとなった最終の入院の開始日からその日を含めて2年以内にガン診断給付金の支払事由に該当した場合には、ガン診断給付金は支払われない
保険期間を通じて1回のみ 2年につき1回限度 それぞれ1回限り
その他 ◆特約扱い
ガン診断特約
主契約扱い ◆特約扱い
終身ガン診断給付特約
◆主契約扱い
ただし、診断給付金複数回支払特約がある

生命保険会社4社における一時給付金(診断給付金)の保障内容に絞って表にまとめさせていただきましたが、支払要件は、各社共通しているものの、保障内容や保障範囲が大きく異なっていることが確認できると思います。

言うまでもなく、4社それぞれの支払保険料も異なることになるため、保障だけに限らず、お金の部分も含めた総合的な比較検討というものが必要になることをご理解できるのではないでしょうか。

このようなことから、保険会社同士のがん保険をそれぞれ比較検討し、ご自身にとって良いと思われるがん保険を選ぶことが大切になるわけです。

がん保険の一時給付金(診断給付金)は、そもそも必要な保障なのか

がん保険の一時給付金(診断給付金)は、保険会社によって契約当初から付いている主契約扱いのものもあれば、ご自身の考えによって保障を追加する特約扱いになっているものに分かれている違いも確認できました。

では、がん保険の一時給付金(診断給付金)は、そもそも必要な保障なのかといった1つの疑問がここで生じることになると考えられます。

こちらに関しましては、あくまでも保険金を受け取る方の考え方や経済状況などが大きく左右すると考えることができますが、一例として一時給付金(診断給付金)の活用の仕方には以下のようなものが考えられます。

  • がんの治療費に充てるための資金
  • 減少した収入を補填するための資金
  • 末期がんなどで余命宣告を受けた場合における最後の思い出作りのための資金
  • 金銭的な余裕を持つためのお守りとしての資金

上記のほかにもお金の使い道は様々あると思いますが、まとまった一時給付金(診断給付金)を受け取る安心感を得られることは確かだと思います。

特に、自営業者などで国民健康保険に加入している方であれば、会社員や公務員などのように所得補償される傷病手当金が支給されないことから、休業補償としての役割はとても大きなものになると考えられます。

また、会社員や公務員など傷病手当金が支給される方におきましても、今まで受け取っていた給料の全額が補償されるわけではないため、減少した収入を補填するための資金としての役割はとても大きいものになると思われます。

このような理由から、がん保険の一時給付金(診断給付金)は、保障が付いているべきだと思います。

まとめ

がん保険の一時給付金(診断給付金)について幅広く解説を進めさせていただきましたが、少なくとも一時給付金(診断給付金)は、有効な保障であることがご理解できたのではないでしょうか。

がん保険の一時給付金(診断給付金)は、もしもの時のお守りになってくれることを筆者は信じて疑いません。

がん保険における告知義務違反とは

通常、生命保険に加入する際には、「告知」といって、告知日現在における身体の状態や病歴、通院歴など、問われたことについて自己申告をする必要があります。

この時、問われた質問内容について正しく、ありのままを伝えなければならないことは言うまでもありませんが、仮に虚偽や隠ぺいといった回答をした場合、告知義務違反にあたり、加入した生命保険の保障が受けられないだけでなく、それまで支払ってきた保険料の返還がなされることはありません。

堅苦しい表現ではありますが、告知義務違反につきましては、保険法という法律に基づいてそれぞれ規定されているため、告知義務違反をするということは、法律に反していると考えることもできます。

本記事では、仮に、がん保険における告知義務違反とは、どのようなものであるのかといったことに焦点をあて、告知義務および告知義務違反の基本的な考え方と併せて解説を進めていきます。

告知義務とは

告知義務違反を知るためには、まずは、告知義務についてどのようなものなのか知る必要があります。

保険法第37条では、告知義務について、保険契約者(生命保険料を支払う人)又は被保険者(生命保険の保障対象となる人)は、保険契約の締結にあたって、保険会社が告知を求めた重要な事項について事実の告知をしなければならないとしています。

参考:保険法 第37条 告知義務

これをがん保険に加入する際の告知にあてはめて考えますと、保険会社もしくは保険代理店からがん保険に加入するための告知書といった書類を渡されますので、この告知書に記載されている内容に対して正しく回答して下さいといったことになります。

具体的な解説は、後述する「がん保険における告知義務違反とは」で解説を進めさせていただきますので、引き続き、告知義務違反についてもどのようなものなのか確認していきましょう。

告知義務違反とは

告知義務違反につきましては、保険法第55条および第84条で規定されており、保険会社は、保険契約者(生命保険料を支払う人)又は被保険者(生命保険の保障対象となる人)が、告知事項について故意又は重大な過失によって事実の告知をせず、又は、不実の告知をしたときは、生命保険契約を解除することができるとしています。

参考:保険法 第55条 第84条 告知義務違反による解除

こちらは、冒頭でも軽く触れましたように、告知書に記載されている問われた質問内容について正しく、ありのままを伝えなければならないことを意味し、これに違反した場合は、告知義務違反として、生命保険契約が解除され、結果として保障が無くなってしまうことになります。

がん保険における告知義務違反とは

本項では、これまでの告知義務および告知義務違反の解説を踏まえまして、がん保険における告知義務違反とは一体どのようなことなのか具体的に解説を進めていきます。

なお、解説を進めるにあたり、オリックス生命が取り扱っている「がん保険ビリーブ」の告知書の内容を例とし、告知書に記載されている以下、3つの質問内容に対して「はい」か「いいえ」のいずれかで答えるものとします。

1.今までに、がんまたは上皮内新生物にかかったことがありますか。

ご自身が、出生から告知日現在までに、がんまたは上皮内新生物にかかったことがある場合は、「はい」、かかったことがない場合は、「いいえ」で回答をします。

言うまでもなく、がんや上皮内新生物にかかったことがあるのにも関わらず、「いいえ」で回答をした場合は、告知義務違反に該当することになります。

2.最近3ヶ月以内に、別表1の病気または病状で、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかをうけたことがありますか。

告知義務1

画像引用元:オリックス生命 がん保険ビリーブ告知書

告知日現在から、最近3ヶ月以内で上記表の病気または病状で、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかをうけたことがある場合は、「はい」、うけたことがない場合は「いいえ」となります。

ポイントは、最近3ヶ月以内というところであり、極端な例として4ヶ月前に別表1に該当する病気で医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかをうけたことがあったとしても、それは「いいえ」と回答しても差し支えないことになります。

ただし、時期が曖昧な場合は、告知義務違反とならないためにも、これらの日付がいつだったのか明確にしておくことが重要であることは言うまでもありません。

3.過去2年以内に、健康診断・人間ドックをうけて別表2の検査結果の異常(要再検査・要精密検査・要治療)を指摘されたことがありますか。

告知義務2

画像引用元:オリックス生命 がん保険ビリーブ告知書

告知日現在から、過去2年以内に、健康診断や人間ドックをうけて上記表の検査結果の異常(要再検査・要精密検査・要治療)を指摘されたことがある場合は、「はい」、ない場合は「いいえ」で回答します。

3つの告知事項の内、最もつまずく可能性がある内容だと思われ、特に告知義務違反になりやすい項目であると考えられます。

会社員などであれば、通常、1年に1回、会社の健康診断を受けることになりますが、過去2年以内の結果で、上記表のものに該当した場合は、「はい」と告知しなければならないほか、これまで紹介した3つの告知事項に対して「すべていいえで回答」できていない場合は、オリックスのがん保険ビリーブに加入することはできません。

これは、オリックス生命だけに限らず、がん保険を取り扱っている生命保険会社で共通していることであると考えられるほか、がん保険を取り扱っている保険会社によって告知書の内容が異なる場合があることから、あくまでも告知書に記載されている質問内容について正しく、ありのまま記載し、疑問や不安に感じた時は、保険会社や保険代理店の担当者に尋ねることが告知をする上で非常に重要となります。

まとめ

がん保険における告知義務違反とは、がん保険に加入する際の告知書に記載されている内容について正しく、ありのままを回答しないことをいいます。

告知義務違反は、実際に裁判まで発展する事例もあることから、確実な告知を行う意味におきましても、内容が曖昧な場合は、保険会社や保険代理店の担当者にまずは詳しく尋ねてみることをおすすめ致します。

FPが顧客のがん保険の見直しをする際に見る5つのポイント

FPが顧客のがん保険を見直す際に見るポイントは、実際に相談を受けたFP1人ひとりによって異なると考えられます。

また、相談されたFPが置かれている立場や職種によっても見るべきポイントや最終的なゴールが異なることも考えられるでしょう。

たとえば、筆者のように有料相談で生命保険の販売(取り扱い)をしていないFPの場合ですと相談されたお客様から満足していただくためには、現状の問題点や解決策といったニーズに応えることが必要です。

一方、保険会社や保険代理店などを含めた、生命保険を販売する必要があるFPであれば、前述したサービスのほかに、「生命保険契約を締結する」といった最終的なゴールがあるはずです。

このように同じFPであったとしても、最終的なゴールが異なることから、仮に、がん保険を見直す際の重視するポイントについても考え方や相談の進め方が異なると思われますが、本記事では、1つの参考として、FPが顧客のがん保険の見直しをする際に見る5つのポイントについて紹介していきます。

1.現在のがん保障で、そもそもの大きな問題点もしくは問題になりそうな部分があるか

こちらに関しましては、主に「抱き合わせ保険」に多い事例だと思われますが、医療保障、がん保障、死亡保障など様々な保障が一体になった生命保険を抱き合わせ保険といいます。

実際のところ、抱き合わせ保険の様々な保障は、一生涯保障ではない場合も多く見られ、いざ必要な時に十分な保障が受けられない場合や年齢を重ねてから、これから保障が必要となる時期に保障が切れてしまっているといったリスクが潜んでいることが多く見られます。

がん保険単体で加入している場合は、一生涯保障であることが多い一方で、抱き合わせ保険の場合は、相談されるお客様自身がご自身のがん保障について大きな勘違いをされている場合もあることから、この点につきましては、しっかりと確認するようにしています。

また、お客様が加入しているがん保険やがん保障が「更新型」の生命保険である場合は、更新の都度、保険料が上がることや一生涯保障とはならないリスクが潜んでいることも念のため伝えておく必要があると考えられます。

2.現在のがん保障が、顧客の希望に沿った内容になっているのか

がん保険の見直しにあたり、現在加入しているがん保険やがん保障がお客様の希望に沿っているのかヒアリングを通じて確認することは絶対に欠かすことはできません。

ヒアリングの結果、お客様の希望に沿っていない場合は、現状の保障のどこが、どのように不十分なのかを説明し、それを補うための保障についてわかりやすく説明することが望ましいと思います。

これにつきましては、支払保険料重視や保障内容重視といったように、お客様1人ひとりによって考え方や希望が異なるため、ケース・バイ・ケースで対応することがFPには求められるでしょう。

3.すでに加入している他の保険や保障との重複確認

仮に、がん保険の見直しを希望されているお客様が、医療保険に加入している場合は、がん保険やがん保障の内容と重複している場合も多く、時には、これによって保障が大きくなり過ぎていることも考えられます。

保障が過大であるということは、その分、無駄な保険料を支払っている可能性も高いことから、ロスを少なくしながらも足りない保障に充てられるような見直しを提供できることがFPには求められると思われます。

4.高額療養費制度を加味した見直し

公的保険制度の1つである高額療養費制度を加味したがん保険の見直しは、前述した他の保険や保障との重複確認と並行して行うことが、お客様のロスを少なくすることができると考えられます。

高額療養費制度を加味したがん保険の見直しは、FP1人ひとりの知識が問われることから、不適切な表現ではありますが、担当する人のあたりはずれがある項目であると思われます。

そのため、お客様ご自身が不安に感じた場合は、セカンドオピニオンや担当者を変えてもらうなどの工夫が必要になると考えられます。

また、将来に渡って高額療養費制度とがん保障を確実に検討するためには、お客様の収入の推移を知ることが必要不可欠です。

通常、保険の見直しをする際に、保険会社や保険代理店に対して収入のわかるものを提出することは、ほとんどないと思いますが、この場合、正確かつ、よりロスの少ないがん保険の見直しを提供することは難しいと筆者は考えています。

この理由は、高額療養費制度には所得区分があるため、収入が上がることによって所得区分の変化を把握できない場合、結果として、提案した見直し案が、お客様の保障不足に陥らせてしまう危険性を生じさせてしまうためです。

がん保険やがん保障を見直す場合、相談する人によって左右される部分は少なくないと考えられるでしょう。

5.がんの通院治療を加味した見直し

現在、がんの治療は、入院から通院へシフトしていることは、すでに多くの皆さまがご存知の通りですが、すでに解説をさせていただきました抱き合わせ保険のがん保障では、このような治療方針に即していない保障内容であることが多く見受けられます。

生命保険会社が取り扱いをしているがん保険の多くでは、通院治療にかかる保障が無制限でなされる場合も多いことから、この点は、特に重要視した上での見直しをする必要があると思います。

がん保障において入院のみの保障で通院保障がまったく無い場合などは、要注意かつ早急な見直しをしておく必要があるでしょう。

併せて、がん保険やがん保障の見直しを検討する際は、がんになった場合に以後の保険料の支払いが不要となる「払込免除」についても確認しておくことを推奨します。

がんの治療をしながら生活費や医療費といった様々な負担を強いられる中で、少なくともがん保険などの保険料支払いが免除されるメリットはとても大きいと思います。

まとめ

本記事で紹介した5つのポイントは、あくまでも筆者個人の考え方になります。

がん保険やがん保障の見直しを検討されている皆さまで、何か共感できる部分がありましたら参考としていただき、これからの見直しに役立てていただければ幸いです。

FPが50代の人におすすめするがん保険の選び方

「50代」と見聞きしますと、仕事ではそれなりの役職について収入も全体的に多いとイメージできそうですが、一方で、子どもの大学にかかる教育資金や住宅ローンの返済、そして、健康への不安といったマイナスのイメージを持つこともできるのではないでしょうか。

生活習慣病であり、三大疾病の1つである「がん」は、50代の方からすると、男性、女性といった性別を問わず、いつ、がんになってもおかしくない年代であるのは確かであり、実際に、がんへの備えとしてがん保険に加入されていない方も少なくありません。

仮に、50代でがんになってしまった場合に想定されるリスクというものは、一般に大きなものになると想定されますが、本記事では、この想定されるリスクの部分も含め、50代の皆さまにとって大切ながん保険の考え方と選び方について解説を進めていきます。

50代におけるがんの罹患率 ~50代は、がんにかかる確率が男女共に高くなってくる~

がん罹患率

引用元:国立がん研究センターがん情報サービス 最新がん統計 4)がん罹患率~年齢による変化

上記グラフの推移は、すべてのがんにかかる罹患率を男女と年齢別に表したものとなりますが、がんの罹患率は、40代あたりから徐々に上昇しはじめ、50代では、男女いずれもがんに罹患する確率がさらに上昇していることが確認できます。

この統計確率を見て、「まだまだたいしたことはない」と感じる方もいれば、「少し心配」と感じる方もおられると思いますが、いずれの考え方についても否定をするつもりはございません。

ただし、次項から解説を進める「50代でがんにかかった場合のリスクを考えた時」ご自身の考え方がはたしてどうなのか再度考えてみることはとても大切だと思います。

50代でがんにかかった場合のリスクを考えてみよう

ここでは、50代でがんにかかった場合のリスクについて想定されるものを箇条書きで紹介していきたいと思いますが、ご自身ならば、想定されるリスクに対してどのように対策をなされるのか、自分の立場に置き換えて考えていただきたいと思います。

  • がんで入院や手術をすることになると、仕事を休むことになるため収入が減少する
  • 自営業者など国民健康保険に加入している場合は、傷病手当金などの所得補償がない
  • 傷病手当金が支給されたとしても給料の満額ではない
  • 貯蓄が減少する可能性が極めて高い
  • 高額療養費制度を活用したとしても毎月の医療費がかさむ
  • 住宅ローンが残っている場合は、負担が重なる可能性もある
  • 子どもの教育費用と負担が重なる可能性もある
  • 無事退院することができたとしても、今度は通院に医療費がかかる
  • 通院期間中に、がんの投薬などの副作用によって休職しなければならない可能性もあるため、収入が減少する可能性が否めない
  • がんの治療は、再発などの検査や経過観察なども含めて年単位で行われるほか、薬代も負担になる可能性が極めて高い
  • 家族の人生が大きく変化する可能性がある

上記のリスクは、すべて50代だからといったものではございませんが、収入の高い一家の主が、がんにかかってしまったリスクは、言うまでもなく大きいことはご理解できるのではないでしょうか。

また、夫婦共働きで奥様の方が、がんに罹患した場合でも考え方は同じになると想定されるほか、仮に、専業主婦の方であったとしても、家族の皆さんが抱える負担は精神的にも肉体的にも大きなものになることは言うまでもないでしょう。

がん保険は、先に紹介した「金銭的なリスク」を補填するための生命保険になります。

がんにかかる統計確率だけの問題ではないと思われますが、「まだまだたいしたことはない」「少し心配」などの感じ方が、より現実的に変わったのではないでしょうか。

50代におすすめするがん保険と選び方とは

生命保険会社が取り扱っているがん保険は、1ヶ月あたりの支払保険料をはじめ、保障内容がそれぞれ異なる特徴があるのですが、根幹部分となるがん保険特有の保障については、どの保険会社も共通していることが伺えます。

たとえば、がん保険は、保険契約が開始となる責任開始日と呼ばれる日から90日間は、待機期間と呼ばれ、免責=保障がされないこととなっています。

また、がんで入院した場合に保険金が支払われる入院給付金やがんの治療で通院した場合に保険金が支払われる通院給付金の支払いが「無制限」になっている場合も多いといった特長があります。

こちらは筆者自身の実務上の経験と主観となってしまうのですが、実際のところ、万が一の病気やけがのための備えとして医療保険に加入されている方も多い一方で、がん保険に加入していない場合や、医療保障やがん保障がセットになった生命保険には加入されているものの、保障内容が不十分であるなどのケースが、50代では非常に目立つといったことも否めないと感じています。

生命保険は、支払保険料が高ければ保障内容が良いといったことはありません。

現在加入している生命保険の見直しはもちろんですが、先に紹介させていただきました想定されるリスクを考慮した上で、どこまで自分を守ってくれるのか、懸念していることがしっかりと払拭されるのかなどについてしっかりと確認しておくことが大切です。

50代におすすめするがん保険と選び方について明確な答えをご案内することは、1人ひとりの考え方や状況が異なることから、型にはまって回答することは不適切だと思える一方で、先に解説した想定されるリスクについてすべて払拭できるようながん保険であれば、少なくともそのがん保険は、読者の皆さまにとって適切ながん保険であると筆者は感じています。

まとめ

50代は、家族全体のライフプランを考慮した時に、がんによって大きく家計が崩れてしまう懸念が特に大きい世代だと推測されます。

そのため、ご自身が置かれている状況や本記事で紹介したがんによって想定されるリスクについて再度ご確認していただき、がん保険の必要性について再認識していただきたいと思っています。

すでにがん保障について備えがされている50代の皆さまも、本記事をきっかけに、念のため保障内容などを再確認していただければ安心なのではないでしょうか。

緩和型がん保険の特徴とメリット・デメリット

日本人が生涯でがんに罹患する確率は、男性62%、女性46%です(下参照)。

また、芸能人や、その配偶者ががんに罹ったニュースが報じられることがありますので、がんへの関心は高いのではないでしょうか?私たち日本人にとって、がんはまさに国民病です。

  がん罹患率 がんで死亡する確率
男性 62% 25%
女性 46% 16%

引用元:国立がん研究センターがん情報サービス

そんな中、一度がんにかかったら保険には入れないと思われる方も多いのではないでしょうか?

しかしがん保険の中には「緩和型がん保険」というものがあり、加入条件を緩和させ、一度がんになったとしても一定条件に元、加入できるがん保険もあるのです。

今回はがん治療の現状と、緩和型保険のメリットやデメリットについてご紹介したいと思います。

がんは治る病気です。

がんは、かつては「不治の病」として恐れられてきました。しかし、表をご覧頂くと「がん罹患率」に比べ、「がんで死亡する確率」の方が低いことが分かります。

がんに罹患した人も、がんを克服し、最期は別の理由(病気やケガ)で亡くなっていると考えられます。

がんは、昭和56年以後、今に至るまで日本人の死亡原因の1位を占めています(「主な死因別にみた死亡率(人口10万人対)の年次別推移」を参照)。

また、日本人の平均寿命は着実に伸びており、今後も伸び続けることが想定されています(「平均寿命の推移」を参照)。 つまり、がんは克服可能、がんは治る病気なのです。

引用元:平成27 年人口動態統計月報年計(概数)の概況・平均寿命の推移(引用元 内閣府資料

がんは再発と転移を繰り返す可能性も

しかし、がんは再発と転移を繰り返す可能性のある病気でもあるのです。

例えば、乳がん

乳がんは、治療を終えた後、3年までに再発することが多いのですが、5から10年を経過して再発することもあります。

また、乳がんは遠隔転移して、転移性乳がんになることがあります。

乳がんが肺に転移した場合、肺がんとは異なり、患部が肺であるにも関わらず、乳がんの性質を有する「乳がんの肺転移」となります。

また、乳がんが再発して、再発乳がんになることもあります。再発乳がんの中でも、手術したところだけに再発する局所再発することもあります。

医療保険に比べると低い、がん保険の加入率

ところで、『平成27年度生命保険に関する全国実態調査〈速報版〉』(引用元 生命保険文化センター)によると、「医療保険・医療特約の世帯加入率は91.7%」なのに対し、「ガン保険・ガン特約の世帯加入率は60.7%」と、医療保険に比べると、がん保険の世帯加入率は3分の2に過ぎません。

筆者は、先日、「3カ月前に、がんの手術を受けた」という方にお会いしましたが、その方は開口一番「まさか、自分ががんになるとは思わなかった。

がん保険に入っていれば良かった」と言っていました。そして「今からは、もう、がん保険の加入は絶対無理ですよね?」と尋ねられました。

「日本人にとっての国民病のがん」ですが、がん保険の加入という点では、まだまだのようです。

先述の通り、民間の医療保険に比べると、がん保険の加入率は低いです。

がん保険を契約すること無く、がんに罹患して克服したものの、がん保険の必要性を実感する方が多いようです。

あるいは、がん保険に契約している方が、がんに罹患して克服した後、がん保険の見直したいと思うことがあるようです。

例えば、契約済みのがん保険が「がんによる入院治療を保障する」商品の場合。最近の、がんの治療は入院日数が短くなり、外来による治療も行われる傾向があるからです。

緩和型のがん保険

がんに罹患してからでは、やはり、新たに、がん保険を契約することはできません。また、がんを克服し治療を終えたとしても、がん保険を契約することは難しいようです。

しかし、がんの治療を終えてから一定の期間が経過する等、条件を満たしていれば、経過観察中でも、加入を検討することができる「緩和型のがん保険」があります。

緩和型がん保険のデメリットは保障が薄く保険料が割高なこと!

下の表は、「がん保険」と「緩和型のがん保険」の保障内容と保険料の比較です。

保障内容と保障額については、パッと見、大きな違いは無さそうですが。「緩和型のがん保険」には診断一時金が無く、抗がん剤治療給付金の額は半分です。

そして、保険料額の方は(がん保険に比べると)「緩和型のがん保険」の方が、1.5~1.6倍くらい高いですね。

    がん保険 緩和型がん保険
保障内容と保障額

診断一時金

100万円 無し
入院給付金 10,000円 10,000円
通院給付金 10,000円 10,000円
手術給付金 20万円 20万円
放射線治療給付金 20万円 20万円
抗がん剤治療給付金 10万円 5万円
保険料 40歳 男性 4,310円 6,855円
40歳 女性 4,610円 7,080円

引用元 がん保険(アフラック)緩和型がん保険(アフラック)

転移がんは治療方法の選択肢が絞られる?保険は無意味?

先述の通り、「がん保険」に比べ「緩和型のがん保険」は保険料が割高な上に、診断一時金がありません。これをデメリットと考える方も多いでしょう。

また、再発や転移に備えるとは言っても、転移がんが見つかれば、原発がん(=ここで「原発」とは、最初にできる「がん」のこと。

原子力発電所とは一切、関係ありません)を取り除くための手術は出来ないのが一般的で、抗がん剤治療か放射線治療に選択肢が絞られてきます。

そして、転移が、もし遠隔転移(子宮がんから肺に転移するなど、原発がんから離れた臓器などに転移する)ですと、全身への転移を疑われる場合もあり、治療の選択肢は抗がん剤に絞られる可能性もあります。

治療方法の選択肢が絞られてしまうのなら「保険という商品で保障を備えても無意味なのでは」という結論になってしまいそうです。

医療は進歩しますし、治療の目的は根治だけではない?

がんの闘病日記とも思われる個人のブログを拝見していると「転移がんがあっても原発がんを取り除く手術を受けることができた」という記事がありました。

医療、特に、がんの治療の進歩は目覚ましいものがあります。今は「手術や放射線治療ができない」としても、将来は治療の選択肢になり得る、つまり、治療の選択肢が広がる可能性があります。

また、がんは「治す」ことを目的とした治療だけではありません。

「痛みを取り除く」ことを目的とした「緩和治療」や、「1日でも長く生きることができる」ようにする「延命治療」もあります。

「緩和型のがん保険」は「緩和治療」や「延命治療」のための入院や外来、そして往診(=訪問医療)も保障の対象になっています。

緩和型のがん保険メリット

がんを克服した方だからこそ、がん治療による経済的な、そして精神的な負担は、よくご存知です。そして、医療の進歩と共に、将来は治療の選択肢が広がる可能性があります。

一度、感じた経済的な負担を再び、というのは、再発と転移が見つかったショックに、さらに打撃ですね。

再発や転移が無いのが一番ですが、その可能性があり、そして、それが現実化した時の経済的な負担が多少なりとも(一度、経験しているゆえ)想像できるのでしたら、緩和型のがん保険はメリットが大きいのではないでしょうか?

がん保険と医療保険に加入する際、気を付けたい保障の重複

医療保険とがん保険、両方に入ったほうがいいのか、医療保険だけ、あるいはがん保険だけでいいのか、医療保険もがん保険もいらないのか・・・と迷う方も多いようです。

ご相談者の中には両者の違いもよくわからない、という方もいらっしゃいます。

今回は、がん保険と医療保険の特徴を整理しつつ両方に入る場合に気を付けたい重複について考えてみましょう。

医療保険とがん保険の特徴

「がん」も病気の一つですから、医療保険に加入していれば「がん」になった時にも保障されます。

ですから、がん保険にも加入するなら重複する部分も出てきます。

ただ、そもそも保障の範囲が「医療保険」と「がん保険」では異なりますので、ここから整理していきましょう。

下記の図表をご覧ください。

主な保障内容

医療保険(病気・けがを保障) がん保険(がんを保障)
  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 通院特約
  • 先進医療特約   など
  • 診断給付金
  • 治療給付金(抗がん剤・放射線)
  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 通院給付金
  • 先進医療特約  など

重複してくるのは「入院給付金」「通院給付金(特約)」「手術給付金」「先進医療特約」ですが、それぞれ違いはあるのでしょうか。

「入院給付金」「通院給付金(特約)」の違い

医療保険の「入院給付金」は病気やけがで入院した際、日額5000円や10000円など加入時に定めた金額が1入院あたり60日や120日の支払日数を限度に支払われます。

最近では入院日数が短くなる傾向にあり、60日型の医療保険が主流となっています。

ただし、厚生労働省の患者調査などを参照すると、精神・神経・脳疾患系の病気は入院を繰り返したり長期入院になる傾向があり、こういった病気に備えるには医療保険は助けになるといえます(こういった病気になる可能性を図るのはとても難しいのですが・・・)。

一方、がん保険の「入院給付金」は無制限で、短期間で入退院を繰り返したり、長期入院になった場合にも保障されます。同じ「入院給付金」でもがん保険のほうが手厚いといえるでしょう。

医療保険の「通院給付特約」は手術や入院を伴う通院に対し、給付金が支払われます。ですから、風邪や捻挫で数日通院しただけでは保障の対象にはなりません(「傷害保険」に加入していれば、けがの通院は補償されます)。

給付金を請求するための診断書を書いてもらうにも数千円の費用がかかりますので、退院後の何回かの通院のために保障が必要かどうかは検討の余地があるでしょう。

がん保険の通院保障は基本的には2タイプ。加入しているがん保険、あるいはこれから加入を検討しているがん保険の内容をよく検討しましょう。

  1. がん治療のために入院や手術をして退院後に通院治療した場合に給付金が支払われる(退院後、1年以内の通院など期間に制限あり)
  2. 所定のがん治療を通院で受ける場合にも給付金が支払われる

1. の場合は、医療保険同様に通院だけの治療には給付金は支払われません。医療技術の発達により、最近ではがんも通院で治療するケースが出てきているため給付対象外となります。

2. の場合は、手術や入院を伴わなくても給付金が支払われます。通院治療が多くなってきたがん治療に対応するものですが、毎日飲む薬代などは適用外などこちらも制限がありますので確認が必要です。

「手術給付金」は必要?

医療保険とがん保険で重複する保障に「手術給付金」もあります(手術の種類により、給付対象外であったり、給付金の額が異なったりします)。

医療保険に加入していれば、盲腸や白内障、骨折など多くの病気・けがの手術に対し給付金が支払われますが、がん保険だけではがん治療のための手術に限定されます。

両方に加入していれば、がんの治療で手術を受けた際には両方から給付が受けられますが、最近ではがんも必ずしも手術のみの治療で済むことは減ってきています。

医療保険にすでに加入しているのであれば、がん保険には抗がん剤や放射線治療を行ったときに給付される「治療給付金」をつけておくほうが有効でしょう。

「先進医療」とは?

また、「先進医療特約」も重複する保障です。「先進医療」とは、厚生労働省が定める「高度な医療技術を用いた治療」のことで、その治療を行う医療機関も技術ごとに指定されていて、平成29年10月1日現在、104種類の先進医療技術を延べ1683の医療機関が実施しています。

(厚生労働省 先進医療を実施している医療機関の一覧

先進医療の技術料は、健康保険の適用にはならず全額自己負担となりますので、がん治療のための陽子線療法や重粒子線療法など高額になる治療法に対応するには必須となります。

ただし、がん保険に特約として付ける場合は、がんの治療に限定されてしまいますので眼科や歯科、婦人科など広く保障を受けるためには医療保険に特約として付加するのがいいでしょう。どんな先進医療の技術が多く受けられているのでしょうか。

下記の図表をご覧ください。

技術名 年間実績件数 平均概算費用 平均入院日数
多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 9877件 約535,000円 1.2日
前眼部三次元画像解析 7788件 約3,800円 0.6日
陽子線治療 3012件 約2,680,000円 13.0日
重粒子線治療 1889件 約3,090,000円 12.1日

出典:平成27年度 中医協「先進医療の実績報告」より算出
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医療保険に付加する「先進医療特約」で保障される技術の費用は、がん治療の費用ほど高額ではありませんが、この特約の保険料は月額100円前後です。

できれば幅広い疾病に対応しておいたほうが安心といえます。

まとめ

結論として、

  • 医療保険で入院・手術の保障が確保できているなら、がん保険には「診断給付金(がんと診断された場合に所定の一時金がおりる。入院・通院・手術など使い道は問わない)」「治療給付金(抗がん剤や放射線治療を受けた際に、月額10万円など所定の給付金がおりる)」などがん治療のための保障を重視する
  • 先進医療特約は医療保険に付加するほうが、多くの先進医療技術に対応できる
  • 必要な保障(診断給付金と治療給付金のみ、手術・通院は必要なしなど)希望に応じて選択できる契約者にやさしい保険に加入する

病気になった時のために、がんになってしまった時のために・・・保険にしっかり加入して安心はしたいのですが、その分保険料はかさみます。

高額療養費制度や医療費控除などの公的保障や税制もしっかり学んで、シンプルな加入ができたら家計にも安心ですね。

三大疾病保険とがん保険の違いと賢い入り方

がんは「国民病」と呼ばれるほど、日本人にとって身近な病気の一つです。有名人ががんにかかったことを発表したり、身近な人がかかるなど、見聞きすることが多いでしょう。

また、周りの人が急性心筋梗塞で倒れた、脳卒中で急に亡くなったと聞くと、不安になるかと思います。

自分がかかる可能性を考え、万が一のために保険で備えようと考えた時、がん保険三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)保険のいずれかで迷うことがあるのではないでしょうか。

違いを知り、どのように選択していけばいいのか考えてみましょう。

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年次推移から見る死因順位の状況

まずは、どのような病気にかかり、亡くなっているのか下記の図表をご覧ください。

出典:平成 28 年(2016) 人口動態統計の年間推計 厚生労働省 死因順位別死亡数の年次推移

平成16年からの推移を見ると、死因順位の不動の1位はがん(悪性新生物)となっており、がんの死亡数は年々増加していることがわかります。

心疾患(急性心筋梗塞)と脳血管疾患(脳卒中)は平成21年までは2位、3位でしたが、平成26年から28年にかけて肺炎が3位になっています。

肺炎の死因順位が上がったのは、高齢化が進んだことが主な理由だと言われており、高齢者の増加に伴い、死亡数も増える傾向にあります。

死因順位の多少の変化はありますが、10年以上に渡り、がんと三大疾病が上位を占めていることからも、万が一のために備えたいと考える人も多いことでしょう。

通院治療が増えてきている

医療技術の進歩により、病気になって手術が必要になったとしても、長期の入院で治療していくのではなく、短期入院で通院治療を進めていく傾向にあります。下記の図表をご覧ください。

傷病分類別にみた受療率(人口10万対)

疾病名 入院 通院
がん 114 182
心疾患(急性心筋梗塞) 47 105
脳血管疾患(脳卒中) 125 74

出典:厚生労働省「患者調査の概況」傷病分類別にみた受療率(平成26年10月)を基に作成
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がん、心疾患(急性心筋梗塞)、脳血管疾患(脳卒中)の受療率を見てみると、脳血管疾患(脳卒中)を除き、入院よりも通院の割合が増えていることがわかります。

脳卒中は、何の前触れもなく突然起こり、半身の麻痺や言語障害などの後遺症が残こるなど重度化することがあるので、入院率が高くなっているようです。

また、厚生労働省の平成28年国民生活基礎調査の概況によると、脳卒中は寝たきり原因の第1位にもなっています。

どのくらいの入院期間になっているのか、下記の図表をご覧ください。

出典:厚生労働省「患者調査の概況」傷病分類別にみた受療率(平成26年10月)を基に作成
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がんと急性心筋梗塞は、平均在院日数が20日前後となっているのに対し、脳卒中は手術後、社会復帰をするためのリハビリ入院などもあり、約90日と長くなっています。

がん保険と三大疾病保険の違いとは

あらためて、がん保険と三大疾病保険の違いについて見てみましょう。

がん保険とは

がんと診断された時、がんを理由とした入院や手術をした時などに、給付金が受取れるがんの保障に特化した保険です。

給付金の種類も様々で、がんの三大治療と言われている手術・放射線治療・抗がん剤治療の時に受取れる給付金などもあります。

三大疾病保険とは

多くの場合、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)になった時に、一時金として受取れる保険です。

しかしながら、急性心筋梗塞や脳卒中になったとしても、保険金を受け取る適用条件は様々です。

最近では、適用条件が緩和されたり、三大疾病の保障の範囲に変化が出てきているので、必ず確認しましょう。

なお、高度障害と診断された時や三大疾病にならず、被保険者が死亡した時にも一時金が受取れるものもあります。

それでは、具体的にがん保険と三大疾病保険の保障内容を下記の図表から確認してみましょう。

がん保険と三大疾病保険の比較表(40歳男性の場合)

  A社 B社
がん保険の保障内容 がん診断給付金 100万円(1回限り) 50万円(2年に1回、回数無制限)
上皮内がん 10万円(1回限り) 50万円(2年に1回、回数無制限)
入院給付金 5,000円/日
通院給付金 5,000円/日 5,000円/日
手術給付金 10万円
放射線治療給付金 10万円/1回 20万円/月(放射線・抗がん剤・ホルモン剤治療、回数無制限)
抗がん剤治療給付金 5万円
乳がん・前立腺がんのホルモン治療 2万5,000円(通算300万円)
先進医療給付金 通算2,000万円(技術料と同額)+15万円(1年に1回) 通算2,000万円(技術料と同額)+15万円
(同一の先進医療の療養は1回限り)
*その他:がんと診断されたら保険料の払込が免除となる
保険料 4,310円 3,401円
三大疾病保険の保障内容 ・がんと診断された時、急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態に該当した時:200万円
・死亡保険金:200万円
・高度障害保険金:200万円
上記いずれかに該当したら200万円受け取れる
(1回限り)
主契約ががん保険
・ガン診断特約(三大疾病特約付加):初めてがんと診断された時、急性心筋梗塞・脳卒中いずれかを発病し、その治療を直接の目的として入院した時:100万円
・放射線治療給付金:10万円/月
・抗がん剤、ホルモン剤治療給付金:10万円/月
・ガン先進医療特約(三大疾病特約付加):通算2,000万円(技術料と同額)+15万円(同一の先進医療の療養は1回限り)
・悪性新生物保険料払込免除特約(三大疾病特約付加)
保険料 6,548円 4,607円

大手生命保険会社のシミュレーションサイトを基に作成
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がん保険の保障内容について、A社とB社は、共通しているのは給付金の種類が選べたり、治療に細かく対応できる内容になっていますが、診断給付金の種類、金額、回数などが異なります。

一方、三大疾病保険の内容は、A社のようなパターンが多く、1.がんと診断された時、急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態に該当した時、2.亡くなった時、3.高度障害の状態の時、この3点を抑えたシンプルな内容が多いです。

B社は主契約ががん保険となっているたま、がん保険の内容を急性心筋梗塞と脳卒中の範囲まで広げた特殊なパターンになっています。

三大疾病保険について、A社とB社の大きな違いは、急性心筋梗塞・脳卒中の所定の状態の適用条件です。

例えば、A社の急性心筋梗塞の場合、発病し、初めて医師の診療を受けた日から「60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続」したと、医師に診断された状態でなければ、保険金が受取れません。

ただしA社のメリットは、高度障害の状態になった時や亡くなった時に保険金を受取ることができます。

B社は、何日以上という条件はなく、急性心筋梗塞、脳卒中の治療を直接の目的として入院すると保険金が受取れます。どのような条件になっているのか、確認が重要といえるでしょう。

がん保険、三大疾病保険の選び方と入り方

選び方

死因順位1位であるがんの治療に特化した保障にしたいのか、あるいは入院日数が長くなりやすい急性心筋梗塞や脳卒中も心配で、広い範囲の保障にしたいのか、選択する必要があります。

なお、保障の幅が広がる三大疾病保険は保険料の負担が大きくなりやすい点には注意しましょう。

入り方

がんに備えたい場合は、すでに加入している医療保険にがん特約を付加する方法、がん保険単体に加入する方法があります。

三大疾病に備えたい場合、医療保険やがん保険に三大疾病特約を付加する方法、三大疾病保険単体に加入する方法が多いです。

また住宅ローンを組む際に団体信用生命保険の三大疾病特約に加入する等あります。

ご自身の保険の加入状況を確認し、家族構成や年齢などライフプランも考え、家計とのバランスも考慮するといいでしょう。