• 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

がんの備えにはがん保険医療保険のがん特約があります。どちらがいいのか?迷われることもあるでしょう。今回はこれら2つの保障を比べてみましょう。

がん保険と医療保険の違い

がん保険はがんに特化した保障、医療保険はがんやがん以外の病気やけがなどを広く保障します。

がん保険 医療保険
支払い対象 がん 病気(がん含む)・けが
がんの入院・手術
がん以外の入院・手術 ×
がん診断給付金
がんの通院

保障あり×保障なし △オプション保障

上の表は、医療保険とがん保険の基本的な違いを簡単に比較したものです。

がんに罹った場合、がんに特化したがん保険の方が医療保険より使い勝手がいいのは一目瞭然ですが、医療保険にがん特約を付加することでがん保険と同じような保障を得ることはできるのか、気になるところではないでしょうか?

医療保険に加入している場合には、がん特約を付加した方が新たにがん保険に加入するよりは保険料も安く済むのでは無いかと考える方もいるでしょう。

一方でこれから加入を考えている場合には、がん保険に加入したほうがいいのか、あるいは医療保険に加入してがん特約を付加するのがいいのか迷われている方もいるでしょう。

そこで、最新のがん保険と医療保険のがん特約の保障内容をみていきましょう。

がん保険の保障内容は?

ひと昔前のがん治療は入院・手術が主流で、がん保険も診断給付金・入院・手術の保障が多数を占めていました。

しかし、現在がんの治療は多様化しており入院せずに通院で治療を行うのを始めとして、がんの種類や病期・患者個人の状態により十人十色の治療が行われています。

それに伴いがん保険の保障内容も保険会社によりさまざまです。実際のがん保険の保障内容を詳しくみてみましょう。

保険商品 終身ガン治療保険プレミアムDX がん保険ビリーブ
主契約 放射線治療給付金、抗がん剤・ホルモン剤治療給付金、自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン座治療給付金 初回診断給付金・治療給付金・入院給付金・手術給付金・退院一時金
特約 保険料払込免除 先進医療給付金
手術給付金 通院給付金
診断給付金
入院給付金
通院給付金
先進医療給付金・先進医療支援給付金
緩和療養給付金
診断後ストレス性疾病給付金
長期入院時差額ベッド給付金

資料:終身ガン治療保険プレミアムDXがん保険ビリーブを元に執筆者作成

上の表は、チューリッヒ生命の「終身がん治療保険プレミアムDX」とオリックス生命の「がん保険ビリーブ」です。

「終身がん治療保険プレミアムDX」の特徴

終身がん治療保険プレミアムDXは、治療への保障が手厚いのが特徴です。医療技術の進歩によりがん治療は通院で行うことも多くなっています。

患者側の負担として考えられるのが長引く治療とそれに伴い日常生活に支障が出ること、具体的には治療にかかる費用と今まで通りに働けず収入が減るなどの経済的負担です。

がんの三大治療の中でも放射線治療と抗がん剤治療は数ヶ月から数年へと長引くことも考えられます。治療を受けた月に定額の保険金給付があるのは経済的負担をカバーする生活保障になるため治療を続ける人には心強いところです。

また、従来のがん保険の保障(診断給付金・手術給付金・入院給付金)はすべて特約になっている点も他のがん保険に比べてユニークなところです。

「がん保険ビリーブ」の特徴

がん保険ビリーブの特徴は、はじめてがんと診断されて入院した場合への保障を手厚くしているところです。従来のがん保険の保障(診断給付金・手術給付金・入院給付金)に治療給付金・退院一時金を加えたものを基本保障にしています。

入院して治療を受けることを想定したがん保険ですが、特約に通院保障を付加することで通院日数x通院給付金を受け取ることができます。

これら2つのがん保険をみても、保険商品によって保障内容がかなり異なることがわかります。

医療保険のがん特約ではどんな保障があるの?

では、医療保険にがん特約を付加するとどのような保障になるのかをみていきましょう。

保険商品 終身医療保険プレミアムDX 医療保険 新キュア
主契約 入院・手術(放射線) 疾病入院給付金・災害入院給付金・手術給付金
がんに関わる特約 先進医療 先進医療
7大疾病延長入院 がん一時金
退院後通院 がん通院
3大疾病診断給付金 重度三疾病一時金(がん一時金)
3大疾病保険料払込免除
入院一時金
就業不能年金

資料:終身医療保険プレミアムDX医療保険 新キュアを元に執筆者作成

上の表は、チューリッヒ生命の「終身医療保険プレミアムDX」とオリックス生命の「医療保険 新キュア」です。主契約とがんに関わる特約を一覧にしました。

「終身医療保険プレミアムDX」とがん特約

主契約は病気・けがの入院と手術の保障です。主契約に放射線とありますが、給付回数は無制限ですが60日に1回と制限があるため継続したがんの放射線治療への保障は厳しいでしょう。

また、がんに関わる特約は、がんを含めた3大疾病や7大疾病の保障となります。通院治療については退院後の通院が対象となり、入院せずに通院治療の場合には保障対象外となります。

「医療保険 新キュア」とがん特約

主契約は終身医療保険プレミアムDXと同様に病気・けがの入院と手術の保障です。がんに関わる特約は、がん一時金とがん通院のがんに特化した特約があります。がん一時金特約では、初回がんと診断確定した時に給付があります。

2回目以降はがんの治療を目的として入院を開始したときに無制限(1年に1回を限度)で受け取ることができますが、初回に限り入院しなくて受け取ることができるのは使い勝手の良い保障と言えるでしょう。がん通院特約は、退院後の通院治療が対象です。

がん保険と医療保険のがん特約、どっちを選べばいいの?

がんの保障についてみてきましたが、筆者自身は医療保険のがん特約を付加したとしてもがん保険には叶わないと感じていますが、各自の加入状況に応じて以下を参考に考えてみましょう。

医療保険に加入している場合

がん保険に新規に加入するか、加入している医療保険にがん特約を付加するかの選択になるでしょう。その際、保障内容と保険料を見ながら検討することになりますが、筆者個人としては医療保険の特約にがん診断給付金があれば検討したいところです。

ただし、特約の保険料と新規にがん保険に加入する場合の保険料とを比べてがん保険の費用対効果が高い場合には、がん特約ではなくがん保険の加入もありと考えます。特に家計を支える大黒柱の人の場合、一時的にがん保険に加入することを検討しても良いでしょう。

これから加入を考えている場合

医療保険に加入しておらず、これから保険を検討する場合には、がん保険のみの加入もありと考えます。なぜならがんの治療は経済的負担が高くなる可能性があるからです。長引く治療や公的保険が利用できない治療を受けた場合には高額な医療費がかかることもあります。

がん以外の病気については、公的保険内の治療で収まる可能性が高いので、高額な医療費がかかった場合には国の高額療養費制度を利用して自己負担を軽減することもできるでしょう。その際は、ある程度の貯蓄で備えておくことも期待できるのではないでしょうか。

何を選べばいいのか?については正解はありません。というのも人によって経済状況や家族の状況も違うからです。保険は万が一のリスクに対して現状の備えでは賄いきれない場合に加入するものです。がんに罹った時に、自分の場合はどんなリスクがあるのか?

治療にかかるお金や収入が減ることも想定して貯蓄で賄うことができるのか?公的保障や会社の保障はどのくらいあるのか?総合的に考える必要があります。それでも必要があれば保険の加入を検討しましょう。