女性FPが教える女性向けのがん保険とは

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

女性向けのがん保険があるのはご存じでしょうか?普通のがん保険と比べて何が違うのか、女性は女性向けがん保険に加入した方がいいのかを考えていきましょう。

女性向けがん保険とは?

女性向けのがん保険とは、乳がんや子宮がんなど女性特有のがんに罹ったときの保障が手厚いがん保険のことを言います。

多くの女性向けのがん保険は、基本保障に女性特有のがんに罹った場合の保障を特約として付加する上乗せ保障をしています。実際に女性向けのがん保険を見てみましょう。

アクサ生命 がん保険終身型女性プラン

アクサ生命のがん保険終身型女性プランは、基本保障に女性特約を付加するがん保険です。

基本保障 がん入院給付金 がんの治療のため入院したとき 1日につき5,000円~1万円
入院日数無制限
がん診断給付金 初めてがんと診断確定されたとき 50万円~100万円
女性特約 女性がん入院特約 女性特有のがんの治療のため入院したとき 1日につきがん入院給付金日額と同額
入院日数無制限
抗がん剤治療特約 抗がん剤治療を受けたとき ひと月ごとに10万円
通算60回まで
がん手術給付特約(終身型) がん治療のために入院し所定の手術を受けたとき 1回につき10万円
回数無制限
がん先進医療特約  がんの治療のため先進医療を受けたとき 技術料の実費(通算500万円まで)
がん退院療養特約(終身型) がんで入院後に、療養のため退院したとき 1回につき10万円
回数無制限
がん無事故給付特約 3年間がんにならなかったとき 5万円または10万円

参考:アクサダイレクトのがん終身・女性プラン

女性がん入院特約の付加は、がん手術給付特約(終身型)およびがん退院療養特約(終身型)を付加する場合に限る要件があります。

また、女性がん入院特約を付加した場合、がん入院給付金日額は1万円が上限です。

アクサ生命のがん保険終身型女性プランは、子宮がんや乳がんなど女性特有のがんに罹り入院した場合の保障が厚いことがわかります。

アフラック 生きるためのがん保険Days1レディースプラン

生きるためのがん保険Days1レディースプランは、生きるためのがん保険Days1に女性がん特約を付加したものです。基本保障は、診断給付・入院給付・通院給付の3つの保障です。

基本保障 診断給付金 初めて「がん」「上皮内新生物」と診断確定されたとき がんの場合50万円、上皮内新生物の場合5万円
保険期間を通じ1回限り
入院給付金 「がん」「上皮内新生物」の治療を目的とする入院をしたとき 1日につき1万円
支払日数は無制限
通院給付金
  • 所定の治療のための通院
  • 通院期間中の通院
1日につき入院給付金日額と同額

  • 支払日数は無制限
  • 通院期間中(365日以内)は日数無制限
    ※通算支払日数に制限なし

参考:生きるためのがん保険Days1・スタンダードプラン

特約のラインナップは充実しており、以下の通りです。

  • 特定診断給付金特約
  • 手術放射線治療特約
  • 抗がん剤・ホルモン剤治療特約(10年更新)
  • がん先進医療特約(10年更新)
  • 診断給付金複数回支払特約
  • 特定保険料払込免除特約
  • 女性がん特約(10年更新)
  • 外見ケア特約
  • 緩和療養特約

特約の中から女性特有のがんを保障する「女性がん特約(10年更新)」の詳細をみてみましょう。

女性特定ケア給付金
支払事由 「がん」の治療を目的とする乳房観血切除術(乳腺腫瘍摘出術を含む)、子宮全摘出術、卵巣全摘出術を受けたとき
支払額 1回につき20万円
支払限度 更新後の保険期間を含め、

  • 乳房観血切除術:1乳房につき1回ずつ
  • 子宮全摘出術:1回
  • 卵巣全摘出術:1卵巣につき1回ずつ
乳房再建給付金
支払事由 女性特定ケア給付金が支払われる乳房観血切除術を受けた後に乳房再建術を受けたとき
支払額 1回につき50万円
支払限度 更新後の保険期間を含め、1乳房につき1回ずつ

上記の女性がん特約では、乳がんや子宮がん・卵巣がんなどで手術を受けた場合に20万円、50万円といったまとまった給付があるのが特徴です。

女性が女性特有のがんに罹る可能性

女性が女性特有のがんに罹る確率を調べてみたところ、国立がん研究センター・がん情報サービスの「日本の最新がん統計まとめ」によると、2013年のがん罹患数が多い部位は以下の通りです。

1位 乳房

2位 大腸

3位 胃

4位 肺

5位 子宮

乳がんが1位で、特に40代女性の乳がんに罹る確率が全年代の中で高いことが前出の日本の最新がん統計まとめからもわかります。

40代といえば、子育てなど家庭の中でも忙しく生活している年代ですので、定期的な乳がん検診はクリアしておきましょう。

女性ががんに罹った時に不安なこと

女性ががんに罹った時に不安に思うことをあげてみました。

働けなくなる

仕事をしている場合には、仕事を続けることができず働けなくなる不安があるのではないでしょうか?会社員の場合には、傷病手当金があり欠勤4日目から1日あたり標準報酬日額の3分の2の支給が最長1年半あります。

また、会社によって傷病手当金付加金や延長傷病手当金付加金など健康保険組合独自の付加金を給付していることがあります。自分の場合はどうなのか確認しておきましょう。

なお、自営業など国民健康保険に加入している場合には、傷病手当金はないので、働けなくなることへの対策として貯蓄や、十分な貯蓄がない時には保険で備えることも考えましょう。

家事ができなくなる

主婦の場合、家事や子育てなどができなくなることが考えられます。夫や親族に頼むにしても全てをお願いするのは難しいかもしれません。

家事は家庭内労働のためコストとして見えていませんが、家事代行サービスを頼む場合には1時間2,000円~3,000円はかかるものです。

専業主婦の場合には家計への負担は避けられないでしょう。対策としては、貯蓄で備えておくことや十分な貯蓄がない場合には診断給付金など一時金としてあらかじめ給付があるがん保険を検討することも必要です。

ウィッグ・乳房再建などの費用

抗がん剤の副作用などで髪が抜けた場合、医療用ウィッグ(かつら)や帽子などが必要になるでしょう。医療用ウィッグについては公的保険の適用外となります。ただし、自治体によっては補助があります。

例えば東京都港区の「がん治療に伴う外見(アピアランス)ケアへの助成制度ではウィッグ(かつら)と胸部補整具の購入費の一部を助成しており、助成金額は1人につき1回限り、3万円または購入経費の7割のいずれか低い額とされています。

また、乳房再建については保険適用されるものもありますが、施設や手術の内容によっては自費診療のこともあります。(参考:http://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/g4/q24/

女性ががんに罹ることはがん治療だけでなくその後の女性ならではの悩みや精神的な苦痛を緩和するための費用も備えておくと安心だということを覚えておきましょう。

女性向けがん保険に加入した方がいいの?

女性向けがん保険と女性ががんに罹った場合の経済的負担についてみてきました。現状の女性向けがん保険は、入院時の上乗せ給付金や手術時の一時金などの保障があるですが、正直なところ、自分ががんに罹ったときに役立つと断言できないでしょう。

がん治療は多様化しているため入院しないで治療を行うこともあるでしょうし、手術をしないで放射線や抗がん剤の治療を行う可能性もあります。

であれば、女性向けがん保険にこだわる必要はないと筆者は考えます。すでに医療保険に加入している場合には、貯蓄で備えることも可能と考えます。

ただし長引く治療による経済的負担が不安という場合には、診断給付金があるがん保険で備えておくことも一考です。診断給付金はがんと診断確定した時に給付があり、用途も自由であることから使い勝手がいい保障といえます。

最後に、繰り返しになりますが、公的制度や健康保険組合の独自給付については健康なうちから確認をしておきましょう。

がん保険単体と医療保険のがん特約をFPが徹底比較!

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

がんの備えにはがん保険医療保険のがん特約があります。どちらがいいのか?迷われることもあるでしょう。今回はこれら2つの保障を比べてみましょう。

がん保険と医療保険の違い

がん保険はがんに特化した保障、医療保険はがんやがん以外の病気やけがなどを広く保障します。

がん保険 医療保険
支払い対象 がん 病気(がん含む)・けが
がんの入院・手術
がん以外の入院・手術 ×
がん診断給付金
がんの通院

保障あり×保障なし △オプション保障

上の表は、医療保険とがん保険の基本的な違いを簡単に比較したものです。

がんに罹った場合、がんに特化したがん保険の方が医療保険より使い勝手がいいのは一目瞭然ですが、医療保険にがん特約を付加することでがん保険と同じような保障を得ることはできるのか、気になるところではないでしょうか?

医療保険に加入している場合には、がん特約を付加した方が新たにがん保険に加入するよりは保険料も安く済むのでは無いかと考える方もいるでしょう。

一方でこれから加入を考えている場合には、がん保険に加入したほうがいいのか、あるいは医療保険に加入してがん特約を付加するのがいいのか迷われている方もいるでしょう。

そこで、最新のがん保険と医療保険のがん特約の保障内容をみていきましょう。

がん保険の保障内容は?

ひと昔前のがん治療は入院・手術が主流で、がん保険も診断給付金・入院・手術の保障が多数を占めていました。

しかし、現在がんの治療は多様化しており入院せずに通院で治療を行うのを始めとして、がんの種類や病期・患者個人の状態により十人十色の治療が行われています。

それに伴いがん保険の保障内容も保険会社によりさまざまです。実際のがん保険の保障内容を詳しくみてみましょう。

保険商品 終身ガン治療保険プレミアムDX がん保険ビリーブ
主契約 放射線治療給付金、抗がん剤・ホルモン剤治療給付金、自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン座治療給付金 初回診断給付金・治療給付金・入院給付金・手術給付金・退院一時金
特約 保険料払込免除 先進医療給付金
手術給付金 通院給付金
診断給付金
入院給付金
通院給付金
先進医療給付金・先進医療支援給付金
緩和療養給付金
診断後ストレス性疾病給付金
長期入院時差額ベッド給付金

資料:終身ガン治療保険プレミアムDXがん保険ビリーブを元に執筆者作成

上の表は、チューリッヒ生命の「終身がん治療保険プレミアムDX」とオリックス生命の「がん保険ビリーブ」です。

「終身がん治療保険プレミアムDX」の特徴

終身がん治療保険プレミアムDXは、治療への保障が手厚いのが特徴です。医療技術の進歩によりがん治療は通院で行うことも多くなっています。

患者側の負担として考えられるのが長引く治療とそれに伴い日常生活に支障が出ること、具体的には治療にかかる費用と今まで通りに働けず収入が減るなどの経済的負担です。

がんの三大治療の中でも放射線治療と抗がん剤治療は数ヶ月から数年へと長引くことも考えられます。治療を受けた月に定額の保険金給付があるのは経済的負担をカバーする生活保障になるため治療を続ける人には心強いところです。

また、従来のがん保険の保障(診断給付金・手術給付金・入院給付金)はすべて特約になっている点も他のがん保険に比べてユニークなところです。

「がん保険ビリーブ」の特徴

がん保険ビリーブの特徴は、はじめてがんと診断されて入院した場合への保障を手厚くしているところです。従来のがん保険の保障(診断給付金・手術給付金・入院給付金)に治療給付金・退院一時金を加えたものを基本保障にしています。

入院して治療を受けることを想定したがん保険ですが、特約に通院保障を付加することで通院日数x通院給付金を受け取ることができます。

これら2つのがん保険をみても、保険商品によって保障内容がかなり異なることがわかります。

医療保険のがん特約ではどんな保障があるの?

では、医療保険にがん特約を付加するとどのような保障になるのかをみていきましょう。

保険商品 終身医療保険プレミアムDX 医療保険 新キュア
主契約 入院・手術(放射線) 疾病入院給付金・災害入院給付金・手術給付金
がんに関わる特約 先進医療 先進医療
7大疾病延長入院 がん一時金
退院後通院 がん通院
3大疾病診断給付金 重度三疾病一時金(がん一時金)
3大疾病保険料払込免除
入院一時金
就業不能年金

資料:終身医療保険プレミアムDX医療保険 新キュアを元に執筆者作成

上の表は、チューリッヒ生命の「終身医療保険プレミアムDX」とオリックス生命の「医療保険 新キュア」です。主契約とがんに関わる特約を一覧にしました。

「終身医療保険プレミアムDX」とがん特約

主契約は病気・けがの入院と手術の保障です。主契約に放射線とありますが、給付回数は無制限ですが60日に1回と制限があるため継続したがんの放射線治療への保障は厳しいでしょう。

また、がんに関わる特約は、がんを含めた3大疾病や7大疾病の保障となります。通院治療については退院後の通院が対象となり、入院せずに通院治療の場合には保障対象外となります。

「医療保険 新キュア」とがん特約

主契約は終身医療保険プレミアムDXと同様に病気・けがの入院と手術の保障です。がんに関わる特約は、がん一時金とがん通院のがんに特化した特約があります。がん一時金特約では、初回がんと診断確定した時に給付があります。

2回目以降はがんの治療を目的として入院を開始したときに無制限(1年に1回を限度)で受け取ることができますが、初回に限り入院しなくて受け取ることができるのは使い勝手の良い保障と言えるでしょう。がん通院特約は、退院後の通院治療が対象です。

がん保険と医療保険のがん特約、どっちを選べばいいの?

がんの保障についてみてきましたが、筆者自身は医療保険のがん特約を付加したとしてもがん保険には叶わないと感じていますが、各自の加入状況に応じて以下を参考に考えてみましょう。

医療保険に加入している場合

がん保険に新規に加入するか、加入している医療保険にがん特約を付加するかの選択になるでしょう。その際、保障内容と保険料を見ながら検討することになりますが、筆者個人としては医療保険の特約にがん診断給付金があれば検討したいところです。

ただし、特約の保険料と新規にがん保険に加入する場合の保険料とを比べてがん保険の費用対効果が高い場合には、がん特約ではなくがん保険の加入もありと考えます。特に家計を支える大黒柱の人の場合、一時的にがん保険に加入することを検討しても良いでしょう。

これから加入を考えている場合

医療保険に加入しておらず、これから保険を検討する場合には、がん保険のみの加入もありと考えます。なぜならがんの治療は経済的負担が高くなる可能性があるからです。長引く治療や公的保険が利用できない治療を受けた場合には高額な医療費がかかることもあります。

がん以外の病気については、公的保険内の治療で収まる可能性が高いので、高額な医療費がかかった場合には国の高額療養費制度を利用して自己負担を軽減することもできるでしょう。その際は、ある程度の貯蓄で備えておくことも期待できるのではないでしょうか。

何を選べばいいのか?については正解はありません。というのも人によって経済状況や家族の状況も違うからです。保険は万が一のリスクに対して現状の備えでは賄いきれない場合に加入するものです。がんに罹った時に、自分の場合はどんなリスクがあるのか?

治療にかかるお金や収入が減ることも想定して貯蓄で賄うことができるのか?公的保障や会社の保障はどのくらいあるのか?総合的に考える必要があります。それでも必要があれば保険の加入を検討しましょう。