• 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

がん保険と医療保険のどちらに加入したほうがいいのか、両方に加入したほうがいいのか迷われることもあるかと思います。

今回は、がん保険と医療保険の両方への加入を検討している方に向けて気をつけたいポイントについて一緒に考えていきましょう。

医療保険とがん保険の保障内容

医療保険は、がんを含む病気やけがに対する入院や手術を保障するものです。がん保険は、「がん」に罹ったときの保障に特化する保険です。

医療保険に加入すればがんに罹った場合も保障されますが、治療内容によっては医療保険で保障されない場合もあります。

s一例をあげると、がんの治療で入院や手術をせずに通院で抗がん剤治療を受けたとき、加入する医療保険が入院・手術を保障するものであれば給付を受けることはできません。

医療保険とがん保険の主な保障内容をあげてみましょう。

医療保険 がん保険
  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 先進医療給付金
  • がん一時金特約
  • がん通院特約
  • がん初回診断一時金
  • がん治療給付金
  • がん入院給付金
  • がん手術給付金
  • がん先進医療給付金
  • がん退院一時金
  • 放射線治療給付金
  • 抗がん剤・ホルモン剤治療給付金
  • 自由診療抗がん剤・自由診療ホルモン剤治療給付金

上の表から重複している保障には、入院給付金・手術給付金・先進医療給付金などがあります。

がん保険は90日の待機期間がある

保障が開始される日のことを「責任開始日」と言いますが、医療保険では「申込日」「告知日」「第一回保険料払込日」の3つが揃った時点が「責任開始日」となり保障開始となります。いっぽうがん保険では、この責任開始日から90日の待機期間があります。

医療保険と同時に申込をしたとしてもがん保険での保障開始は90日以後になることを覚えておきましょう。

重複している保障は医療保険で備えておく

入院給付金は「1日当たりの金額X入院日数」を受け取ることができます。医療保険の場合は1入院につき60日など制限があるものが多く、がん保険の場合は日数無制限のものが多くみられます。

しかし、現在ではがん治療は多様化しており入院から通院治療へのシフトもみられますので医療保険で備えておけばまずは安心と言えるのではないでしょうか。

手術給付金・先進医療給付金については医療保険で備えておいたほうががん以外の病気に対してもカバーされます。ですから、医療保険とがん保険で重複する保障については医療保険で備えておけばよいと筆者は考えます。

医療保険とがん保険、重複していても保障は支払われるの?

自動車保険では、同じ自動車に補償を重複してかけることはできません。また、同じ契約者が自家用車を2台持っている場合、弁護士特約を2台に付加した時は“補償重複”に該当するため一方については保険金が支払われません。

では、医療保険とがん保険に加入している場合、重複した保障についてはどうなのでしょうか?結論から言うと、入院や手術については、それぞれの保険から給付金を受け取ることができます。

なお、先進医療については同じ保険会社の医療保険とがん保険に加入している場合には給付金は一方のみからになりますが、保険会社が異なる場合には給付を受けることができます。

ただし、保障が重なるとその分保険料に反映されるので本当に必要かは考えておきましょう。

確認しておこう!加入中のがん保険の保障内容

すでにがん保険に加入している場合には、保障内容について確認をしておきましょう。従前のがん保険は入院・手術・診断給付の3つが主な保障でした。

最近のがん治療は通院治療で行われることも多く、手術をしないで抗がん剤や放射線など、がんの種類や病期(ステージ)により治療は多様化しています。そのため加入しているがん保険が最新の治療にも使えるものかどうか確認しておく必要があります。

例えば、診断給付金は入院しなければ受け取れないなどの条件がないかは押さえておきたいところです。

これからがん保険に加入する際、優先したい保障

これからがん保険の加入を検討している場合には、がん治療の変化に対応できるようシンプルな保障にしておいたほうがいいと筆者は考えます。

例えば診断給付金の保障のみにしておくのも一考です。診断給付金はがんと診断確定されたときに受け取ることができるため、用途の制限はありません。

保険適用外の治療費として、あるいは主婦であれば治療による体調不良で家事ができないときの家事代行費など、自分が必要なものに使えるため使い勝手がよいと言えます。

診断給付金の保障内容は保険会社によりさまざま

診断給付金とひとことで言っても、給付の回数や条件は保険会社によりさまざまです。主ながん保険の診断給付金についてみてみましょう。

商品名 診断給付金 支払限度 上皮内新生物
チューリッヒ生命(終身ガン治療保険プレミアムDX) 特約で保障
・1回目初めてガンと診断確定されたとき
・2回目以降前回のガン診断給付金の支払い事由に該当した日からその日を含めて2年を経過した日の翌日以後に、ガンの治療を直接の目的として入院したとき
回数無制限 同額保障
メットライフ(ガードエックス) 特約で保障
・初めて悪性新生物と診断確定されたとき
1回のみ 悪性新生物の50%(2年に1回を限度に支払事由に該当されるたびに何度でも)
FWD富士生命(新がんベスト・ゴールドα) ・初めて悪性新生物と診断確定されたとき
・前回の支払事由該当日から2年経過後に、診断確定された悪性新生物の治療を目的とした入院をしたとき(入院を継続しているときを含む)、または通院をしたとき
※悪性新生物初回診断一時金特約で保障を厚く備えることも可能
通算限度なし、2年に1回を限度 なし
(上皮内新生物診断給付金特約あり)
オリックス生命(Believe ビリーブ) 初めてがんと診断確定されたとき
※がん治療給付金
で保障を厚く備えることも可能
1回のみ 同額保障

各保険会社のHPを参考に執筆者作成

上表より、診断給付金の保障については保険会社によりさまざまであることがわかります。

基本保障ではなく特約保障のものもあり、また極めて初期のがんである上皮内新生物の保障についてもさまざまですので、よく比較検討をして自分に必要な保障を確認しましょう。

がん保険と医療保険の組み合わせの考え方

今回はがん保険と医療保険に加入する際のポイントについて考えてきました。医療保険の保障についてはがん保険と重複しないように、逆に重複するものは医療保険で備えておくべきであると筆者は考えます。医療保険のメリットは守備範囲の広さです。

手術・入院などで治療費がかかった時でも備えがあれば経済的にも一定の安心感を得ることができるでしょう。がん保険については、最近のがん治療は多様化しているため、残念ながら医療保険の基本保障(入院給付金・手術給付金)ではカバーされない可能性も考えておきたいところです。

また、今後のがん治療がどのように進化していくのか未知数の部分もあります。このようなことから、用途を制限されない診断給付金のみのシンプルな保障でカバーしておくのが良いのではないでしょうか。

その際、保険会社により給付の回数や条件は異なるため保険料を含めて比較検討しましょう。