がん保険に加入する際には審査があるので、加入できないこともあります。今回はがん保険には加入できない原因について一緒にみていきましょう。

加入の可否を握るのは告知書にあり

がん保険に加入する際には、告知書に記入をします。告知書は、保険に加入する人の健康状態や職業などを保険会社に伝えるために記入する書類であり、事実をありのまま伝える義務があります。

この告知書をもとに保険会社では加入の可否を審査しますが、告知書の内容や審査基準については保険会社によって異なり、公開されていません。一般的にがん保険に加入することができない人は、保険会社にとってがんに罹るリスクが高いと判断したと言えるでしょう。

告知から見えてくる加入できない3つの原因

告知書の内容によって加入の可否が決まるとお話ししましたが、実際のがん保険の告知項目をみてみましょう。

メットライフ(ガードエックス)の告知内容

  • 現在および今までにガン(悪性新生物および上皮内新生物)にかかったことがありますか。
    ※白血病その他の血液のしゅようは悪性新生物に含まれます。
  • 過去2年以内に、【別表①】に該当する内容で、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。検査の結果、異常(要経過観察・要再検査・要精密検査・要治療を含みます)がない場合は除きます。
    【別表①】

慢性肝炎、肝硬変、B型・C型肝炎ウイルスキャリア、アルコール性肝炎、クローン病、肺線維症、間質性肺炎、石綿肺、在宅酸素治療、透析治療

  • 過去2年以内に、【別表②】に該当する内容またはその疑いで、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。

【別表②】

しゅよう・しこり等 しゅよう、ガン(悪性新生物および上皮内新生物)、ポリープ、腫瘤、胸のしこり、子宮頚部異形成
その他の疾患 びらん、不正出血、下血、肺気腫、慢性気管支炎、気管支拡張症、慢性腎不全、慢性腎炎、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)、慢性すい炎、かいよう性大腸炎
検査の異常等 超音波・レントゲン・CT・MRI・PET・マンモグラフィー検査、組織・細胞・ウイルス検査、胃腸の検査、肝機能検査、腫瘍マーカー、貧血(鉄欠乏性貧血を除く)、尿潜血、便潜血

FWD富士生命(新がんベスト・ゴールドα)の告知内容

1. 最近3ヶ月以内に、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがある
2.  過去5年以内に、病気かけがで、7日間以上の治療を受けたことがある(正常分娩による入院を除きます)
3.  過去2年以内に、健康診断・人間ドックで異常を指摘されたことがある 
上記について、検査結果などをご入力いただく場合があります。お手元にそれらがわかる資料をご用意ください。

オリックス生命(Believe ビリーブ)

  • 今までにがんまたは上皮内新生物にかかったことがありますか?
    (がんとは、癌・白血病・肉腫・骨髄腫・悪性リンパ腫等の悪性新生物をいいます。上皮内新生物には、高度異形成・上皮内がんと含みます)
  • 最近3ヶ月以内に<別表1>の病気または病状で、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかをうけたことがありますか?
    (投薬には、病院や診療所で薬の処方のみをうけた場合を含みます)
    <別表1>
病気 病状
ポリープ・しゅよう等
  • ポリープ
  • しゅよう
  • 結節
  • しゅりゅう(腫瘤)
  • 異形成
  • 多発性プリープ(ポリポーシス)
  • 出血(便潜血・不正出血・喀血・吐血・下血・血尿)
  • 貧血(鉄欠乏性貧血を除く)
  • 黄疸
  • びらん
  • しこり
  • 消化管のかいようや狭窄(良性か悪性か不明の場合)
  • B型肝炎ウィルスキャリア
  • C型肝炎ウィルスキャリア
消化器の病気
  • かいよう性大腸炎
  • クローン病
  • 肝硬変
  • 慢性肝炎
  • 肝機能障害(入院や内服治療を伴うもの)
  • 慢性すい炎
  • 食道静脈りゅう
腎臓の病気
  • 慢性腎炎
  • 慢性腎不全
呼吸器の病気
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  • 間質性肺炎
  • 肺気腫
  • 肺線維症
  • じん肺
  • けい肺
その他
  • 糖尿病(インスリン治療中・合併症を伴っている場合)※合併症とは、糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障害をいいます
  • 白板症
  • 過去2年以内に、健康診断・人間ドックをうけて<別表2>の検査結果の異常(要再検査・要精密検査・要治療)を指摘されたことがありますか。
    ※再検査・精密検査の結果、異常がなく、診療完了となった場合は「指摘なし」に◯をしてください。
    (健康診断とは、健康維持および病気の早期発見のための診療・検査をいいます(乳幼児健診や、自主的にうけた脳ドック・がん検診を含みます)

<別表2>

検査
胸部レントゲン検査、上部消化管レントゲン検査(または内視鏡検査)、腹部超音波検査、便潜血検査、マンモグラフィ検査、乳房超音波検査、肝炎ウィルス検査(HBs抗原・HCV抗体)、CT検査、MRI検査、PET検査、子宮がん検診、乳がん検診、しゅようマーカー(CEA・AFP・CA19-9・PSA等)

※各保険会社のHPなどを参考に執筆者作成

上表を見ると、告知項目は各保険会社によって異なることがわかります。また、これらの告知項目について1つでも該当するときには加入が難しいと考えられます。

加入できない原因1 過去のがん履歴

上記3社のうち2社の告知項目には今までのがん履歴があります。がん保険のがんとしての定義は悪性新生物と上皮内新生物になりますので、これらのがんに罹ったことがある場合には加入できないと言えます。

加入できない原因2 通院歴がある場合は注意

過去に医療機関を受診した場合も告知が必要となり、告知内容によっては加入できない可能性があります。告知内容については保険会社により異なりますが通院時期と特定の病気・病状には注意が必要です。

通院時期

保険会社によって最近3ヶ月あるいは2年以内の通院履歴を聞かれます。通院とは特定の病気について医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかを受けた場合です。

病気・病状について

告知項目には特定の病気・病状などでの通院履歴を書く欄があります。特定の病気や病状などについては各保険会社により異なります。その際、別途告知項目を設け、特定の病気に関して検査を受けて異常(要経過観察・要再検査・要精密検査・要治療を含みます)がない場合には告知の必要なしとしている保険会社もあります。

加入できない原因3 人間ドックで再検査など

会社や自治体などが実施している人間ドックやがん検診を受けている人も多いかと思います。過去2年以内に健康診断・人間ドック・がん検診・脳ドックなどを受けて異常を指摘された場合には告知が必要となります。異常とは、要経過観察・要再検査・要精密検査・要治療のことをいいます。異常を指摘された場合でも再検査などの結果、異常がなく診察終了となれば告知不要としている保険会社もあります。

加入できない原因がある場合にはどうすればいい?

がん保険に加入できない3つの原因についてみてきました。最も重要なポイントは加入の可否は告知によることと告知項目は保険会社によって異なることです。がん保険に加入したい場合には、1社から加入を断られたとしても加入の可能性は残されています。

特に通院した時期や病気などは保険会社によって告知内容が異なりますので各保険会社の資料・申込書を取り寄せて比較検討してみるのもよいでしょう。