上皮内新生物はがんではない?がん保険選びの注意点

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

がん保険のパンフレットを見ると必ず出てくる「上皮内新生物」や「悪性新生物」という用語、きちんと理解していますか?

今回は、がん保険を選ぶ上で、判断のポイントとなる上皮内新生物について詳しく見ていきましょう。

がん保険での“がん”は2種類あります

まず押さえておきたいのが、すべての保険会社が、がん保険で“がん”と認めているのが『悪性新生物』です。

『上皮内新生物』は、極めて初期のがんなのですが、保険会社によってはがん保険の保障対象外になる場合があります。ここが、がん保険を選ぶときに、最初につまづくところです。

では、詳しく、『上皮内新生物』と『悪性新生物』を図で解説します。

『上皮内新生物』は、上皮内がん・上皮内腫瘍とも呼ばれ、腫瘍細胞が上皮内(大腸の場合は粘膜層内)に留まっている状態のものを言います。基底膜まで達していないので切除すれば、転移もなく治ります。

『悪性新生物』は、腫瘍細胞が基底膜を破壊・浸潤※(しんじゅん)して血液やリンパ液にのって転移の可能性があるものを言います。

※浸潤:がん細胞が、発生した場所で増え続けていくとともに、周りの器官に直接広がっていくこと

上皮内新生物の治療費はいくらかかるのでしょうか?

では、次に上皮内新生物の治療ケースと治療費を見ていきましょう。

がん種別上皮内新生物の治療費

がんの種類 治療費
肺がん 1,200,000~1,900,000円
胃がん 700,000~900,000円
大腸がん 540,000円
乳がん 790,000~1,260,000円
子宮頸がん 443,000円

参照元:一般社団法人日本癌治療学会 学術集会抄録アーカイブサイト「がん治療初期の医療費の集計及び疾病と患者特性に基づく医療費推計の試み」・がん治療費.com

上のグラフは、がんの種類別の上皮内新生物の治療費の目安になります。治療方法によってかかる費用に幅がありますが、グラフの金額は3割負担前の治療費です。

0期、すなわち初期のがんである上皮内新生物は、転移のリスクがほぼないので、手術後の継続した放射線治療や抗がん剤治療などはかからない場合がほとんどです。

ただし、例外もあり、上皮内新生物であっても、非浸潤性乳がんの場合は、治療法によっては乳房全切除となる場合もあります。その際には、乳房再建術など保険適用外の費用がかかることもあるので、注意が必要です。

上皮内新生物の保障は保険会社によってさまざまです

がん保険での“がん”は2種類ある、とお話しましたが、『上皮内新生物』だけがクローズアップされる理由は、保険会社によって“上皮内新生物への保障の違い”があるからです。

悪性新生物と同じように保障される保険もあれば、悪性新生物と比べて一部保障の減額、保障対象外とされるなど、各社それぞれの保障内容となっています。

これでは、どのがん保険を選んだ方がいいのか、よくわからない、ということになってしまいますね。

上皮内新生物の保障は必ず必要なのでしょうか?

上皮内新生物と診断されるがんは、どのくらいあるのでしょうか?

実際に上皮内新生物と診断される症例数はどの位あるのでしょうか?

がんと診断された場合には、がんの進行度を客観的に表す<病期・ステージ>を告知されます。

「がんはステージIです」という進行度を耳にしたことがあるかと思います。

ステージには、0期→I期→Ⅱ期→Ⅲ期→Ⅳ期という段階があり、数字が大きくなるに従いがんの進行が進んでいる、ことを表しています。

上皮内新生物は0期の初期がんに分類されます。

上の図は、0期・上皮内新生物の段階で発見されたがんの種類別のデータです。

最も多いがんから順にあげると、子宮頸がん63.7%、子宮がん43.8%、膀胱がん41.1%となり、これらは上皮内新生物として発見・診断される確率になります。

では、これらのがんは、一般的には、がんの中ではどのくらいの罹患率(かかりやすい確率)があるのでしょうか?

部位別がんの罹患率

上のグラフは、がんの部位別の罹患率になります。1年間に人口10万人(全年齢)当たり、どのくらいの人数ががんと診断されるかというデータになります。

子宮頸がんは人口10万人当たり16.7人、膀胱がんは人口10万人当たり32.7人となっています。

グラフから見えてくるのが、男女の性別に関わりなくかかるがんは男性の方が女性より高い罹患率ですが、上皮内新生物の段階で発見されるがんには女性特有のがん(乳がん・子宮がん・子宮頸がん)が上位に見られます。上位7種類のがんの中でも女性特有のがんが半数に迫る勢いです。

女性の方が男性と比べ、上皮内新生物と診断されるケースがやや多いことが見えてきます。

また、部位別がんに罹患しやすい年齢もあることを考慮しましょう。

具体的には、子宮頸がんは35-49歳の女性、乳がんは40歳以上の女性、膀胱がんは60歳以上の男性の罹患率が高くなっています。

がん保険選びの注意点

すでにがん保険に加入している場合は、上皮内新生物についての保障内容を確認しましょう。

最近のがん保険は、上皮内新生物を区別することなく保障している傾向にありますが、10年程前のがん保険では対象外になっているものも多く見られます。医療は年々進歩しているので、がん保険の見直しをする必要があるかもしれません。

また、がんの種類や年齢によって、自分が上皮内新生物に罹患するリスクが高いのか、という視点から上皮内新生物の保障をどうするか?医療保険で保障できるか?検討しても良いでしょう。

まとめ

上皮内新生物とがん保険の選び方についてまとめました。

  • 上皮内新生物は、がんです。ただし極めて初期のがんであることから、がん(悪性新生物)とは扱いが異なります。がん保険によっては、上皮内新生物への保障の違いがあるので注意が必要です。
  • 転移の心配がほぼないので、治療が長引く可能性も小さいです。保障をどうしたいかは人それぞれの価値観や状況により検討が必要です。
  • がん保険に既に加入している場合は、上皮内新生物の保障を確認しましょう。見直しを検討したほうがいい場合もあります。
  • 上皮内新生物と診断されるがんは、子宮頸がん、子宮がん、膀胱がんが多いです。

上皮内新生物の保障を気にしてがん保険に加入したほうがいいのは

  • 子宮頸がんの罹患率が高い35−49歳・女性
  • 乳がん罹患率が高くなる40歳以上の女性

膀胱がんの罹患率が高いのは、60歳以降の男性ですが、60歳から新たにがん保険に入るのであれば、既に加入している医療保険で十分か検討しましょう。

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