脳腫瘍はがん保険で保障されるのか?

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

脳腫瘍とは脳の中に腫瘍ができる病気ですが、がん保険で保障されるのでしょうか?

腫瘍が悪性のがんであればがん保険で保障される、ということはイメージできると思いますが実際のところはどうなのか?詳しくお話ししていきましょう。

脳腫瘍とは?

脳腫瘍は大きく分けると以下の2つに分類されます。

  1. 原発性脳腫瘍
  2. 転移性脳腫瘍

原発性脳腫瘍

原発性脳腫瘍とは、脳の細胞や神経・脳を包む膜から発生する腫瘍で「悪性」と「良性」に分けられます。

悪性=がんといえますがにその前に脳腫瘍の病気の分類法についてお話しします。

一般的にがんの病期については、例えば「胃がんのステージI期」などと耳にしたことがあるかと思いますが、脳腫瘍については分類法が異なります。

脳腫瘍はグレード(Grade)IからⅣの4段階に分けられ、これは世界保健機関(WHO)が定めた悪性度を表す指標になります。

良性脳腫瘍のほとんどはグレードIで、手術ですべて摘出すれば再発はほぼないと言われています。グレードⅡからⅣの脳腫瘍は悪性脳腫瘍になります。

脳腫瘍のグレード

転移性脳腫瘍

転移性脳腫瘍とは、肺がんや乳がんなど身体の他の部分にできたがんが脳に転移する腫瘍(がん)のことをいいます。

以上から、がん保険で保障されるのは、原発性脳腫瘍の悪性脳腫瘍と転移性脳腫瘍になります。良性脳腫瘍はがんではないのでがん保険では保障対象外となります。

脳腫瘍になる確率ってどのくらいなの?

原発性脳腫瘍は人口10万人当たり年間10-12人の頻度で発生しています。

がん全体の中での罹患率は5%以下であることから希少がんと言われています。余談となりますが、子供に限ると、白血病の次に多いのが脳腫瘍です。

子供のがん患者の5人に1人の割合で発生しているのです。

患者数が多いのは良性脳腫瘍

WHO(世界保健機構)の2016年の統計によると原発性脳腫瘍は155に分類されています。

脳腫瘍の中で患者数の多い順にみてみましょう。

脳腫瘍(種類) グレード(悪性度) 頻度 推定患者数
グレードI髄膜腫 I 22.8% 4564
膠芽腫 IV 11.1% 2217
非機能性下垂体腺腫 I 10.4% 2088
神経鞘腫 I 10.1% 2013
退形成性星細胞腫 III 3.8% 764
PRL産生下垂体腺腫 I 3.6% 725
GH産生下垂体腺腫 I 3.6% 715
中枢神経系悪性リンパ腫 IV 3.5% 707
びまん性星細胞腫 II 2.8% 569
頭蓋咽頭腫 I 2.5% 493

参照:国立がん研究センター・希少がんセンターがまとめた脳腫瘍全国統計(2001年~2004年)を元に筆者が作成

上の表を見ると、10種類中4種類が悪性脳腫瘍であることがわかります。推定患者数の割合にすると28.7%です。

がん保険で保障される悪性脳腫瘍は?

例えば、オリックス生命のがん保険「ビリーブ」の約款を見ると次のように記載されています。

悪性新生物とは

参照:オリックス生命・がん保険「ビリーブ」約款より

悪性脳腫瘍が該当するのは(11)眼・脳およびその他の中枢神経系の部位の悪性新生物で、厚生労働省が規定する基本分類コード表:新生物<腫瘍>「C69~C72」に詳細が記載されています。

脳腫瘍の種類はとても多く、約款には具体的な病名について記載がないので、保障対象内であるかは各保険会社のコールセンターに問い合わせをするのが確実でしょう。

悪性脳腫瘍で多い膠芽腫の治療

治療入院

悪性脳腫瘍の中で最も推定患者数が多い膠芽腫の治療内容や治療費をみていきましょう。

国立研究開発法人国立がん研究センターのがん情報サービスが患者向けに提供している資料によると、神経膠腫 (グリオーマ)といわれる悪性脳腫瘍は神経膠細胞から発生する数種類があります。膠芽腫はその中でも悪性度が最も高いグレードIVの悪性脳腫瘍です。

膠芽腫の治療は、基本的に可能な限り手術・放射線治療・化学療法を行うことになります。

手術は病理診断をする目的のために行われます。腫瘍ができた部位や状態によっては全部摘出するのは難しいこともあり、基本は病理診断後に放射線治療・化学療法を行うことになります。

最近では免疫療法という治療法も出てきています。

放射線治療

膠芽腫のようなグレードIVの腫瘍には、局所放射線治療が行われます。例えば、腫瘍と腫瘍の浸潤部分に対して1回の照射量を少なくした治療を週5回、6週間に渡って行います。

また、先進医療になりますが、重粒子線治療・陽子線治療の臨床試験も行われています。

化学療法

放射線治療に加えて抗がん剤などの化学療法も行われます。

化学療法の一例を挙げると、放射線治療と並行して経口で抗がん剤を内服、放射線治療の終了後に維持療法として4週おきに内服する治療などが行われています。

治療費は?

脳腫瘍の治療費については希少がんということもあり公的な統計データは見当たらないものの、ある病院での放射線治療(ガンマナイフ)を受けた時の総額費用は75万円とあります。

この費用に公的医療保険が適用され実際には3割負担であれば25万円になります。

このように治療には、公的医療保険が適用されます。

また、高額な治療費がかかった場合には、高額療養費制度の利用ができます。高額療養費制度は公的医療保険制度の給付の一つです。

医療費の家計負担が重くならないように医療機関や薬局の窓口で支払う一ヶ月の医療費が上限額を超えた場合には超えた額の給付があるので心強い制度です。

また、免疫療法は公的医療保険の適用外の治療もあるので確認しておくことが必要です。

治療費以外の費用

治療に伴う副作用や数ヶ月単位で続く治療を受けている場合、公的医療保険で補うことのできない出費についても考えておきたいところです。

通院の交通費や家事代行サービスなどは治療中に想定される出費の一例です。治療後のリハビリが必要になることもあるので、ある程度の貯蓄を用意しておく、あるいは貯蓄で用意ができていない場合にはがん保険に加入することも選択肢の一つです。

がん保険加入で気をつけておきたいこと

悪性脳腫瘍の基本治療である手術・放射線治療・化学療法を受けた場合、がん保険では診断給付金・入院給付金・手術給付金など契約内容による給付があります。

退院後、長期間の通院治療を行うことになる場合には通院保障の契約があれば通院給付金があります。

注意しておきたいのが、転移性脳腫瘍で他のがんから転移した場合、転移までの期間により診断給付金がもらえない可能性があります。

転移性脳腫瘍が最も多いのは肺がんですが、複数回給付がある診断給付金の要件には「2年に1回」「1年に1回」と各保険会社により異なるので、これから加入する場合には確認しておきたいところです。

以上から、がん保険で保障される脳腫瘍は、原発性脳腫瘍の悪性脳腫瘍と転移性脳腫瘍であることがわかりました。

原発性脳腫瘍の中の良性脳腫瘍はがんではないので保障されません。悪性脳腫瘍にかかる確率はがん全体からみると5%以下の珍しいがんです。

基本的に手術・放射線治療・化学療法を行う公的医療保険内の治療が多いのですが、治療費以外の出費にも備えておく必要があります。

その場合、貯蓄で備える、あるいはがん保険に加入することも選択肢として考えたいところです。

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