乳がんの治療費をがん保険で備える必要性

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

メディアで有名人の女性が乳がんで亡くなった報道など耳にしますが、実際のところ乳がんにかかるリスクはどのくらいで、かかった場合の治療費はいくらくらいなのでしょうか?

今回は乳がんの治療費をがん保険で備える必要についてお話しします。

女性のがんで最も多いのは乳がんです

国立がんセンターがん情報サービスの最新統計によると女性が1年間に乳がんに罹る確率は部位別がんの中で最も高く人口10万人当り117.5例です。

これは2番目の大腸がん86.4例を大きく引き離しています。

乳がんの年齢階級別罹患率

女性が乳がんに罹る確率は年齢によって異なります。

参照:がん情報サービス がん登録・統計のデータベース

乳がんに罹る確率は30代後半から急激に増え始めて40代前半にピークを迎え60代前半まで高止まりしていることがわかります。

乳がんの治療

乳がんの治療は、手術・放射線治療・薬物治療を単体または組み合わせて行われますが、がんの状態や病期、全身の状態や年齢、合併する病気の有無、患者さんの希望など様々なことを考慮しながら決められます。

病期(ステージ) 治療(1) 治療(2) 治療(3) 治療(4)
0期 乳房部分切除又は乳房切除術 術後のリスク判定(病理組織診断)
  • 放射線治療
  • 薬物療法
 
I期 乳房部分切除又は乳房切除術 術後のリスク判定(病理組織診断)
  • 放射線治療
  • 薬物療法
 
II期 術前の薬物療法 乳房部分切除又は乳房切除術 術後のリスク判定(病理組織診断)
  • 放射線治療
  • 薬物療法
乳房部分切除又は乳房切除術 術後のリスク判定(病理組織診断)
  • 放射線治療
  • 薬物療法
 
III期 術前の薬物療法 乳房部分切除又は乳房切除術 術後のリスク判定(病理組織診断)
  • 放射線治療
  • 薬物療法
薬物療法      
IV期 薬物療法      

参照:国立がん研究センターがん情報サービスの資料を元に執筆者作成

上の表は、乳がんの病期による治療法選択の目安です。初期の病期では切除などの手術を行い、術後に再発予防として放射線治療や薬物療法が行われますが、病期が進行するに従い手術前の薬物療法が追加して行われることがわかります。

温存か?切除か?

乳がんの治療で乳房を温存するか切除するかということは女性の誰もが気にかかることではないでしょうか?

温存するには乳房温存療法といわれる乳房温存手術と温存乳房への手術後の放射線療法を行います。

乳房温存療法は病期(ステージ)0、I、II期の乳がんに対する標準的な局所療法です。

適応となるかについては、しこりの大きさや位置、乳がんの広がりと乳房の大きさのバランスなど温存療法を行うことによって、美容的に満足のいく結果が得られるかなど検討して決められます。

また、日本乳癌学会・患者さんのための乳癌診療ガイドラインを参照すると、以下の場合には適応とならず切除術が行われることになります。

  • 2つ以上のがんのしこりが、同じ側の乳房の離れた場所にある場合
  • 乳がんが広範囲に広がっている場合
  • 以下の理由で温存乳房への放射線療法が行えない場合
    ・温存乳房への放射線療法を行う体位が取れない
    ・妊娠中である
    ・過去に手術した側の乳房や胸郭への放射線療法を行なったことがある
    ・活動性の強皮症(きょうひしょう)や全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病(こうげんびょう)を合併している
  • しこりの大きさと乳房の大きさのバランスから,美容的な仕上がりがよくないことが予想される場合
  • 患者さんが乳房温存療法を希望しない場合

温存か切除かは慎重な検討・判断が必要なことがわかります。

治療にかかる費用

次に乳がんにかかる費用を日本乳癌学会・患者さんのための乳癌診療ガイドラインから参照してみましょう。

入院と手術の費用

初期の治療である入院して手術を受けた場合の治療の目安を見ておきましょう。治療のイメージがつかめると不安も軽減されることかと思います。

入院7日間
センチネルリンパ節生検・温存手術腋窩リンパ節郭清なしの場合
総額およそ75万円
実際に支払う金額(3割負担の場合)23万円
入院14日間
乳房切除術・腋窩リンパ節郭清ありの場合
総額およそ100万円
実際に支払う金額(3割負担の場合)30万円

この他にも必要に応じて検査や放射線治療・薬物療法が行われることもあるので、実際には治療を受ける病院と相談して決めることになります。

乳房再建について
切除により失われた乳房を形成外科の技術により再建を行いますが、その費用は再建方法により異なります。

一部公的保険適用となるものもありますが、手術の内容や医療機関によっては自費診療となることもあります。

放射線治療の費用

温存療法後に放射線治療を受けた場合、総額およそ47万~70万円かかり、公的保険で3割負担の場合、14万~21万円を実際に支払うことになります。

ホルモン療法(内分泌療法)の費用

ホルモン療法は,進行・再発性の乳がんに効果があるといわれ、手術後に再発予防の目的で行われます。閉経前・閉経後により薬剤が異なり投与期間も2年から10年とさまざまです。

年間治療費の目安は、薬剤によりおよそ12万円~47万円かかり、公的保険で3割負担の場合、3.5万円~14万円を実際に支払うことになります。

また、薬剤によってはジェネリック医薬品が出ていることもあり、薬剤費を抑えることが可能な場合もあります。

化学療法(抗がん剤治療)の費用

化学療法はいくつかの抗がん剤を組み合わせて行い、抗がん剤を投与する量は体重と身長から計算される体表面積によって異なります。

例えば、身長160cm・体重50kgの場合、1クールの治療を行うとおよそ13万円~68万円かかり、公的保険で3割負担の場合、4万円~20万円を実際に支払うことになります。

抗がん剤の中には分子標的薬というがん細胞だけを狙い撃ちする薬剤があり、分子標的治療を行うと、総額およそ216万円、公的保険で3割負担の場合65万円かかる治療もあります。

乳がんの治療にがん保険は必要?

乳がんの治療にかかる費用をみてきましたが、いかがでしたでしょうか?

病期や状態によって退院後に長期の治療が必要になる可能性もありますが、基本的に公的保険が適用されることがお分かりかと思います。

公的保険で治療費が高額になった場合には、高額療養費制度を利用することができるので月8万円程度の自己負担が上限となります(年収約370万円~770万円の場合)。

ただし、公的保険が適用されない乳房再建術などを行なった場合、治療費は自己負担となるので高額な費用がかかることも考えられます。

いずれの場合も、治療にはある程度の費用がかかるので、貯蓄あるいはがん保険で備えることが必要です。

貯蓄で備える場合、高額療養費制度の利用で医療費を抑えられたとしても、退院後の通院治療・差額ベッド・交通費なども考慮し余裕を持った資金準備をしましょう。

がん保険を検討する場合、乳房再建は公的保険適用外となる可能性があるので備えておきたいところです。

しかし、乳房再建が必要になるかは分かりませんので、診断給付金があるがん保険で備えることも一考です。

なぜなら、診断給付金はがんと診断確定された時に給付され、使用目的は問われません。乳房再建の費用にすることもできます。

他には、退院後の通院治療が長期に渡る可能性もあるので通院保障あるいは放射線・薬物の治療費用に給付があるがん保険も検討しましょう。

30代後半から60代にかけての女性は乳がん罹患率が高くなるので、乳がんへの備えも頭に入れた備えをしておきましょう。

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