がんの通院治療にかかる費用ってどれぐらい?通院保障の必要性

  • 執筆者
  • 40代・50代女性のためのお金の相談室
  • FP 三原 由紀

医療技術の進歩により、がん治療は入院から通院へと変化しつつあります。今回は通院治療の内容と費用、がん保険の通院保障について考えていきたいと思います。

がんの治療は通院治療が主流になってきています

現在、がんの3大治療と言われているのが、「手術(外科治療)」「薬物療法(抗がん剤治療)」「放射線治療」です。

このうち、主に入院して行われるのが手術ですが、内視鏡手術など一部の手術に関しては、入院しないで済むものも増えています。

薬物療法(抗がん剤治療)と放射線治療については、以前は入院で行われることが多かったのですが、現在では通院で行われることが多くなってきています。

副作用対策など医療の進歩により入院治療が必要でなくなってきたこと、などが理由として挙げられます。

がん(悪性新生物)の受療率(人口10万人対)の年次推移

  入院 外来(通院)
2002年 109 94
2005年 113 110
2008年 111 123
2011年 107 130
2014年 102 135

参照:厚生労働省「平成28年我が国の保険動向」を元に筆者が作成

統計データからも、がん治療が2008年以降、入院から通院に変化しているのが分かります。

通院治療では、どんな治療をするの?

がんの種類や進行度にもよりますが、手術を受けた場合、術後の再発予防として通院で治療を継続します。

また、手術が困難な場合や手術の必要がない場合にも通院で治療を受けることになります。

通院で行う治療には主に以下が挙げられます。

  • 放射線療法
  • 抗がん剤治療
  • ホルモン療法

通院期間はどのくらい?

がんの種類や病期によるので一概には言えないのですが、がんが寛解した(症状が落ち着いて安定した状態になる)と言われるまでには5~10年かかります。

それまでに継続した治療を受けるわけですが、人によって受ける治療は様々です。

例えば、手術後の放射線治療に関しても20日間続けて受ける場合もありますし、皮膚が弱い人は線量を抑えて日数を増やすこともあれば、逆に日数を短縮して線量を増やす場合もあります。

抗がん剤治療についても、点滴もあれば経口もあり。頻度も週単位から月単位まで、と正にオーダーメイド治療の時代です。

それでも一般的な目安として、術後3~6ヶ月程度の通院治療と休養を経て、経過観察5~10年で寛解となります。経過観察期間では通院し検査をして様子を見守ります。

通院治療にかかる費用は?

通院にかかる費用は、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 病院までの交通費
  • 定期検査代(血液・エコー・画像など)
  • 治療費

その中から、治療費について具体的に見ていきましょう。

乳がんの治療費

治療内容 治療費(3割負担前)
抗がん剤治療 14~257万円
放射線治療 27~32万円
ホルモン療法 10~20万円

胃がんの治療費

治療内容 治療費(3割負担前)
抗がん剤治療 2.6~85万円

大腸がんの治療費

治療内容 治療費(3割負担前)
抗がん剤治療 5.6~135万円
放射線治療 51万円

子宮頚がんの治療費

治療内容 治療費(3割負担前)
抗がん剤治療 9~20万円
放射線治療 93万円

肺がんの治療費

治療内容 治療費(3割負担前)
抗がん剤治療 7.4~282万円
放射線治療 37~142万円

参照:がん治療費.com(抗がん剤の治療費)を元に計算

これらは、がん治療1年目にかかった治療費になります。グラフから読み取れるように、がんの種類によって非常に金額の幅があります。また、病期によっても大きな差があります。

例えば、抗がん剤治療は、点滴・注射や経口を毎日、毎週1-2回、毎月1-2回など、さまざまな頻度で行い、投与と休薬を繰り返します。

期間は最低3ヶ月から長くなると3年ほどかかる場合もありますが、定期検査の数値によって治療内容は変更されていきます。治療費は数万円から200万円代に至ります。

ホルモン療法は、治療期間が長く2年から5年にかけて、注射(4週に1回)や経口投与を受けます。年間20万円で5年続けると合計で100万円になります。

放射線治療については、1回の治療は20-30分程度ですが、連続して4−7週間の通院で20-35回程度の照射を行います。治療費は27万円から142万円になり、ほぼ1年目の治療のみとなっています。

なお、治療に伴う副作用、例えば脱毛やリンパ浮腫など直接の通院治療ではありませんが予定外に費用が発生する事もあります。

通院保障の必要性はあるの?

がん治療では、手術をした場合でも手術は入口であり、その後の通院治療期間が長くなる場合もあることが分かりました。

では、ズバリ、がん保険で通院保障は必要あるのでしょうか?

通院保障では、日額×通院日数が給付されます。

がん保険での通院保障の内容と給付条件

  通院保障の内容
A社
  • 入院を伴わない通院は対象外
  • 退院の翌日から180日以内、45日までの給付
  • 治療措置を伴わない通院は対象外
B社
  • 入院を伴わない通院は対象外
  • 退院の翌日から365日以内、120日までの給付
  • 治療を目的とした通院のみ
C社
  • 入院の有無を問わず
  • 入院を伴う通院は、退院の翌日から365日以内、60日までの給付
  • 入院を伴わない通院は、約款所定の手術、放射線・温熱・抗がん剤の治療など。経口投与の抗がん剤・ホルモン療法は対象外、支払い日数限度なし
D社
  • 入院の有無を問わず
  • 初めてがんと診断確定された日から5年間、支払い日数限度なし
  • 一般的な手術・放射線・抗がん剤や医師の治療を伴うホルモン療法・免疫療法・緩和療法を対象
E社
  • 入院の有無を問わず
  • 診断確定された日から1年ごとに、支払い日数60日までの給付
  • 治療措置を伴わない通院は対象外

各社のがん保険を見ると、給付条件に入院の有無があったり、退院後の日数や治療法に制限があったり、通院しても給付対象外になる可能性もあります。保障を付けていても給付金を受け取れない、のでは本末転倒です。

がん治療の多様化に通院保障の内容が追いついていない側面が見えてきます。

通院保障でカバーしたいリスクは?

そもそも通院保障で、何のリスクをカバーしたいのか?放射線・抗がん剤・ホルモン剤治療をカバーする保障があれば代用できるのか、よく検討しましょう。

また、高額療養費制度や傷病手当金制度など公的な社会保障で、通院治療に伴う負担を軽くすることが可能な場合もあるので、これらの制度についてもよく目を通しておきましょう。

その際、自営業など国民健康保険に加入している人は傷病手当金制度がないので、休業時の収入リスクをカバーする保障として所得保障保険の検討も必要かもしれません。

特に30代から50代の女性はホルモン剤治療の給付対象か確認を!

乳がんに罹患するリスクが高くなる30代から50代の女性です。

高齢での初産や早い初経年齢、遅い閉経年齢などは乳がんの発症を増加させるリスク要因とされています。

また、出産経験のない女性は出産経験のある女性よりも、授乳経験のない女性は授乳経験のある女性よりも、乳がん発症リスクが高いことがわかっています。

ホルモン療法は治療期間が長くなる可能性が高いのでカバーしておきたい保障です。

通院保障以外に、通院治療をカバーする以下のような保障もあります。

  • 放射線治療給付金
  • 抗がん剤・ホルモン剤治療給付金
  • がん治療給付金

ご自身に必要な保障を検討しましょう。

まとめ

以上より、がん保険に加入する際、安易に通院保障を付けることはおすすめしません。通院保障を検討したい場合は、必ず以下の給付条件をみましょう。

  • 入院条件
  • 給付日数および期間の条件
  • 治療条件

自分に必要な保障が給付対象となっているか確認しましょう。

現在、がん保険に加入中で通院保障が付いている場合にも、給付条件を再度確認しておくとよいでしょう。

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